迷子のまま前に進み続けた先で、彼女たちが見たものとは『MyGO!!!!!6th LIVE「見つけた景色、たずさえて」』レポート

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Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

■2024.7.27『MyGO!!!!!6th LIVE「見つけた景色、たずさえて」』DAY1@武蔵野の森総合スポーツプラザ

『MyGO!!!!!6th LIVE「見つけた景色、たずさえて」』が7月27日、28日の2DAYSで開催された。会場として選ばれたのは武蔵野の森総合スポーツプラザ。ガールズバンドをテーマにしたメディアミックスプロジェクト『BanG Dream!』に登場するリアルバンド・MyGO!!!!!。2022年7月に『MyGO!!!!! 1st LIVE「僕たちはここで叫ぶ」』を開催して一躍注目を集めると、その後も精力的な活動を重ね、今年2月から4月にかけて『MyGO!!!!! ZEPP TOUR 2024「彷徨する渇望」』で全国のファンを魅了した。そんな彼女たちにとって初となる2DAYSライブが今回の『MyGO!!!!! 6th LIVE「見つけた景色、たずさえて」』。多くの人たちから注目を集める本公演、その1日目の様子をレポートしていこうと思う。

(C)BanG Dream! Project

(C)BanG Dream! Project

ライブ当日、会場周辺の空模様は薄曇り。空から覗く陽光が調布市の空気を熱くすると、そこに集まったファンたちが熱を更なるものへと押し上げる。そのジリジリとした空気に人々の期待感を感じずにはいられない。エントランスを抜けて客席に着くと、ステージに熱視線を送る人々の真剣な眼差しを確認することができた。青く光るペンライトを手に開演を心待ちにするオーディエンス。会場が暗転すると、そんな彼らの視線の先にメッセージが浮かび上がる。

「どこまで歩けばいいのかなんて知らないまま踏みしめていた」

ポツリポツリと、言葉が連なっていく。そのメッセージはこんな一言で締め括られた。

「見つけた景色、たずさえて」

巻き起こる大歓声。照らされるステージ。MyGO!!!!!の5人がオーディエンスの前に姿を表すと会場は激しい熱気に包まれた。その場に届けられたのは彼女たちの1st Single「迷星叫」。羊宮妃那演じる燈の儚くも力強い歌声が会場にこだまする。瞬間、その場の空気はMyGO!!!!!色に染まった。
オーディエンスの熱気を反響したかのように、続け様に躍動感溢れるサウンドが響く。「歌いましょう鳴らしましょう」、ステージからはイエローの光が降り注ぎ、オーディエンスの満面の笑みを照らし出す。会場は際限ないほどに熱され、大きな盛り上がりに包まれた。

取材・文:一野大悟 Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

取材・文:一野大悟 Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

「みなさんこんばんは! MyGO!!!!!です!」

改めてここで燈が会場に向けて挨拶。ここに各メンバーからの自己紹介が続くと、会場のペンライトは各メンバーのイメージカラーへと移り変わる。その様子はオーディエンスの喜びを体現しているかのようだった。
ここで立石凛演じる愛音と、林鼓子演じる立希の小競り合いが始まる。それを小日向美香演じるそよが仲裁するという定番のやりとりにオーディエンスは笑みを漏らす。そして、ライブは次なるナンバーへ。

「それじゃいくよ! オンドラムス、りっきー!」

愛音がそう告げると立希が力強くドラムを響かせる。リズミカルなビートに会場が大いに揺れると、燈がオーディエンスたちにこう問いかける。

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

「DAY1、盛り上がっていけますか!?」

そして走り出したのは「砂寸奏」。華麗なセッションに燈のハイトーンな歌声が乗る。青木陽菜演じる楽奈が燈と絡みを見せ、会場を視覚的にも高揚させる。さらにここに間髪を入れず「迷路日々」が続く。緩急ある曲展開で会場の空気を見事に掌握するMyGO!!!!!。曲の締めくくりには燈が掲げた拳をそっと胸にあてる。オーディエンスたちはその姿に大きな歓声を送った。
彼女たちの勢いは止まらない。力強いサウンドで走り出したのは続いてのナンバー「碧天伴走」。ステージ端へと歩みを進め、会場の隅々にまで歌声を届ける燈。その姿はオーディエンスの視線を釘付けにする。さらに曲間では楽奈が高速ピッキングを披露。会場を目と耳両面から楽しませた。

「実は今回、新衣装になりました~」

ここでMCパートが挟まれると、愛音が今回の衣装について言及する。再び立希との小競り合いという定番やりとりを経て、MyGO!!!!!の5人がステージ前方に集合。新衣装をオーディエンスにお披露目する。そして、楽奈のこんな意味ありげな一言が会場に響く。

「うまい空気」

そして披露したのはライブ初披露となる楽曲「処救生」。パープルの光がステージ上に落ち、曲の空気感がはっきりと明示される。燈が挑発的なパフォーマンスで会場を煽り立てると、オーディエンスはその姿に釘付けになった。
ここに彼女たちの楽曲の中でも一際ダンサブルなナンバー「影色舞」が続く。リズミカルなサウンドに合わせて足を前方へと蹴り出すMyGO!!!!!。オーディエンスもそれに合わせて激しく体を揺らす。サビでは全オーディエンスが天に手を掲げて左右に振る。この上ないほどの一体感が会場を席巻した。

一度ステージが暗転する。青い照明に照らされ、愛音がギターを爪弾かせる。その演奏はやがて“音楽”になる。燈がその“音楽”にタイトに言葉をはめていく。「潜在表明」、彼女が発する言葉はやがて悲痛な叫びへと変容する。その声は会場の空気を切り裂き、オーディエンスの鼓膜を激しく揺さぶった。息絶えるように彼女がその声を止めると、ステージ上部からは紗幕が垂れ、5人を包み込んだ。
紗幕に映し出される夜空。そこに雨が降り始める。

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

「しとしと、しとしと」

そして走り出したのはライブ初披露となる楽曲「輪符雨」。
湿度を帯びた燈の歌声が会場中へと降り注ぐ。その言葉の雨は次第に激しさを増し、やがて土砂降りになる。オーディエンスは言葉の雨を全身で浴び、堪能した。
紗幕には続いて乾いた大地が映し出される。MyGO!!!!!の5人が力強いミドルテンポのサウンドを会場に駆け巡らせる。「無路矢」、その響きに合わせて青いペンライトは緩やかに揺れる。さらにここにアーバンなサウンドが響く。続いてのナンバーは「回層浮」。燈が響くサウンドに次々と言葉をはめ、オーディエンスを魅了する。そのパフォーマンスは、聴く者全てをMyGO!!!!!の世界へと引き摺り込む力があった。

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

ここでMyGO!!!!!の面々が「回層浮」を制作した時のことを振り返る。燈が歌詞に込めた思いを語ると、オーディエンスからは歓声が湧き上がった。そして、彼女から次なる楽曲が宣誓される。

「今を、ありのままを抱きしめていたい。聴いてください、『名無声』」

曲が走り出すとイントロからコールアンドレスポンスが巻き起こる。爽やかで、どこか湿り気のある、MyGO!!!!!ならではの空気が生み出される。オーディエンスたちはこの空気を全力で歓迎、骨の髄まで堪能する。さらにここに「詩超絆」が続く。疾走感あふれる音の流れに燈の語りが乗る。彼女の語りはいつしかメロディを得て歌になり、MyGO!!!!!にしか生み出せない“音楽”を紡ぎ出す。お互いを見つめ合いながら共にひとつの“音楽”を奏でる5人。その圧巻のパフォーマンスで見るものを魅了すると、一度音を止め、会場に静寂を作り出す。ここでラストナンバー「端程山」が走り出した。
爽快感溢れるミドルテンポのナンバーが会場を大きく揺らす。陽光を思わせる光が客席に降り注ぐと、オーディエンスたちはこの上ない多幸感に包まれた。会場を隅々まで陽の空気で満たすと、MyGO!!!!!の5人はステージを後にした。

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

アンコールが響き渡る。それに応えるようにステージに舞い戻るMyGO!!!!!の5人。爽やかな白Tシャツに身を包んだ彼女たち。装いを新たに披露したのは、明るい空気を存分に帯びた一曲、「壱雫空」。陽の空気が再び会場に満ちる。彼女たちがステージに戻ってきたことが、本パフォーマンスで鮮明に印象づけられた。
ここで改めて、この日のライブの思い出を“キャスト視点”から振り返る5人。その仲睦まじい姿は見るものを幸せな気持ちにした。役に入り込んでいる間にはギスギスした空気を漂わせていた立石凛と林鼓子。そんなふたりも役を抜きにすれば大の仲良しであることが伝わってくる。これに対して立石凛は「温度差で風邪ひきそうになる」と話し会場を笑いで包んだ。

(C)BanG Dream! Project

(C)BanG Dream! Project

(C)BanG Dream! Project

(C)BanG Dream! Project

そしてここでお知らせタイム。まずは本日ライブ初公開となった楽曲「端程山」のMVがYouTubeでプレミア公開されることが語られると、続いて『MyGO!!!!! 7th LIVE』が日比谷公園大音楽堂にて発表されることが解禁、会場を大いに沸かせた。さらに劇場版『BanG Dream! It’s MyGO!!!!!』前編の予告編も公開され、今後のMyGO!!!!!への期待度をさらなるものにした。

(C)BanG Dream! Project

(C)BanG Dream! Project

「迷子でもいい、迷子でも進め───。」

そんなコールアンドレスポンスを経て、この日の本当のラストナンバーへと移行する。羊宮妃那が自身のスイッチを高松燈に入れ直すと、オーディエンスにこう問いかける。

「みなさん、準備はいいですか!?」

披露したのは「音一会」。語りかけるような歌声が会場に届けられると、オーディエンスはアンサーするようにペンライトを揺らす。会場は爽やかな一体感で満たされ、輝かしい笑顔がそこかしこに溢れた。そして本ライブは燈の一言で締め括られた。

「ありがとうございました! MyGO!!!!!でした!」

初ライブから約2年。その長いようで短い年月でMyGO!!!!!は現在の位置まで登り詰めた。しかし、彼女たちにとって、その現在位置は通過点にすぎない。さらなる高みへその名が轟くのは決して遠い未来の話ではないだろう。今後の活動と、彼女たちの辿り着く先をしかと見届けていきたい。

取材・文:一野大悟 Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

取材・文:一野大悟 Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

取材・文:一野大悟 Photo 福岡諒祠(GEKKO)、JOKEI TAKAHASHI、ハタサトシ、池上夢貢

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