「栗林みな実 マロンティックナイト 2024」ビルボード横浜公演のレポート到着

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「栗林みな実 マロンティックナイト 2024」撮影:飛鳥井里奈

アニソンシンガーの栗林みな実が、8月3日に神奈川・ビルボードライブ横浜にて、自身初のアコースティックライブ「栗林みな実 マロンティックナイト 2024」を開催した。

2023年には約3ヶ月間で全国47都道府県を巡る「栗林みな実 LIVE TOUR 2023 “voice trajectory”」を開催し、大成功を収めた栗林みな実。そのファイナル公演から約8ヶ月ぶりとなるワンマンライブは、自身の音楽活動23周年を迎える記念日当日の開催に加え、彼女にとっては初となるアコースティック編成でのライブとなっており、大きな注目を集めていた。

開演時間になると、昨年の七夕にリリースされた配信シングル「夏のせいじゃない」が流れる場内がゆっくりと暗転し、佐々木真里(Pf&Key)、江口正祥(Gt)、瀧田イサム(Ba)、高橋結子(Perc)というバンドメンバーが登場。オープニングを彩ったのは、デビュー前に作曲した楽曲で4枚目のアルバム「dream link」に収録されていた「Rain Rain」。ウッドベースがイントロを奏で始めると、ラベンダーカラーのエレガントなドレスを身に纏った栗林がステージに姿を表し、ライブが本格的にスタート。初めて恋に落ちてしまった戸惑いやときめきを描いたピュアな片想いソングで煌めく夏の訪れを告げると、客席からは自然とクラップが湧き起こった。

1曲目を歌い終えた彼女が、この日が23回目のデビュー記念日であることを告げると、場内のあちこちから「おめでとう」という声が飛び交った。たくさんの祝福の拍手を送られた彼女は、「私にとって大事な日なので、みんなと過ごせてとても嬉しいです」と感謝の気持ちを伝え、昨年8月にリリースされた9枚目のアルバム「LEAP」の収録曲「曖昧♪モーメント」へ。この日しか聞けないスペシャルなアレンジで観客を楽しませた彼女は、バンドの名前が「マロングラッセ」に決まったことを告げ、瀧田によって「永遠の愛という意味があることを知りました」と明かし、バンドメンバーを紹介。続いて、「「君が望む永遠」が世の放たれた日ということで、この曲を演奏したいと思います」という言葉とともに、“君望メドレー”に突入した。

23年前の夏の思い出を引き連れてくるデビュー曲「Precious Memories」では“この胸で輝くの永遠に”というフレーズを伸びやかに歌い上げると、ゲーム版のオープニング主題歌「風のゆくえ」では、切なさを帯びた歌声とともに、青春の焦燥と情熱に駆り立てられるように疾走感にあふれたバンドサウンドが広がっていった。さらに、自身が声優を務めたメインヒロインである涼宮遙のイメージソング「いっしょにいたいね」、OVA「君が望む永遠〜Next Season〜」エンディングテーマ「eternity」と自身が作詞作曲を手がけた楽曲を2曲続けて披露。アニソンシンガーとしてはもちろん、シンガーソングライターとしての魅力も存分に堪能できる時間が続いた。

「次はexigeの曲を」という言葉に導かれた「Believe yourself」では、多様な音楽性と彼女の奥深いボーカル表現を発揮。TVアニメ「IGPX」のエンディング主題歌で、たかはし智秋とのユニット=exige(エクシージ)としてリリースされた「Believe yourself」を原曲のスローバラードからアーバンなグルーブを奏でるシティポップにリアレンジ。たかはしのパートも高らかに歌い上げると、エレキギターのソロに被せたフェイクも披露。後のMCで「いろんな曲を描いてきましたけど、人間の心の闇を表現しました」と語った「人魚姫」「深い蒼の森」では寂しさや悲しみに打ちひしがれ、心の奥底へと沈んでいくようなダークな世界感が出現。ピアノを基調にした歌声はダイナミックで力強く、ステージと客席が近いアコースティックライブだからこその臨場感は圧巻だった。

「次の曲は明るくなってもらおうかな」というMCを経て、空気は一変。「ココロノカケゴト」では、彼女のウキウキするような歌声に合わせて、観客が一体となって手拍子を打ち鳴らして楽しみ、最新アルバムの収録曲で、彼女が“栗家族”と呼ぶファンへの想いを込めた「マロンな両想い」ではステージを動きながら、観客一人一人と目を合わせるかのように歌い、“見つけてくれてありがとう”と出会いの感謝を込めたメッセージを真っ直ぐに届けた。

ラストナンバーを前に「今日はこんな素敵な場所で歌わせていただけて、とても幸せです」とあいさつ。ビルボードでの初のアコースティックライブを振り返り、「新しいことに挑戦するのは、知らなかった自分を教えてくれるし、素敵なことだと思います。楽曲を突き詰めていこうと思ったら、どこまでも突き詰めていけることにトキメキを感じました。またアコースティックライブができるように頑張っていきます。見守ってください」と語り、「人生修行!」という名言も飛び出した。そして、自身のラジオ番組発のオリジナル曲で、ファンへの想いを込めた「虹色の永遠」をパフォーマンス。“初めて会った 眩しい夏”から始まり、“10年後も、20年後も……/その先も一緒にいられたらいいね”という過去、現在、未来をつなぐフレーズを観客と共有し、優しく温かな雰囲気が広がる中でライブはエンディングを迎えた。“マロンポーズ”を送り合った彼女は、「ありがとう。また会おうね」と再会の約束をし、笑顔で手を振りながらステージをあとにした。

セットリスト

01.Rain Rain
02.曖昧♪モーメント
MC
03.「君が望む永遠」メドレー
 Precious Memories〜innocence〜spring chime〜星空のワルツ(昼公演)
 Precious Memories〜風のゆくえ〜いっしょにいたいね〜eternity(夜公演)
MC
04.KATAOMOI(昼公演)/ Believe yourself(夜公演)
05.人魚姫
06.深い蒼の森
MC
07.ココロノカケゴト
08.マロンな両想い
MC
09.虹色の永遠

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