JUNNA 人生をかけて歌うことを心から楽しんでいる、純粋なエネルギーが美しい循環を生み出していた東京公演をレポート

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JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 ~Hitch-Hike~
2024.08.08 LIQUIDROOM

6月28日の愛知:THE BOTTOM LINEを皮切りに、全国11ヶ所をまわる『JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 ~Hitch-Hike~』を行ったJUNNA。8月8日の東京:LIQUIDROOM公演では、オープニングからアクセル全開の熱気溢れるパフォーマンスで、ライブハウスならではのステージを展開した。

特にJUNNAのライブで熱狂を巻き起こす定番曲となりつつある、エモーショナルなロックナンバー「風の音さえ聞こえない」が序盤で披露されたことには驚きだった。さらに、JUNNAが歌うフレーズの合間にお客さんたちの掛け声が見事にはまっていく。6枚目のシングルとしてリリースされた当時は2022年で、ライブで披露されてもコロナ禍での規制があり、オーディンエンスはその熱唱にただ息をのみ圧倒されるしかなかった。しかし「風の音さえ聞こえない」は今こうして、JUNNAとお客さんの声が合わさることで、理想的な完成形へと進化した。デビュー以降、ひとつひとつのステージで成長を遂げていくJUNNAを目の当たりにするが、この日の登場時から会場の空気を一変させ、全ての観客とバンドサウンドを扇動していく頼もしいパフォーマンスは、彼女のなかにある歌うことに対する新たな決意を感じずにはいられなかった。

そんなパワフルなオープニングのあとは、このツアーを「Hitch-Hike」と名付けた時に歌おうと決めたという「わたしだけの地図~Shooting Star~」でJUNNA本人がアコースティックギターを演奏しながら開放感のあるメロディをゆったりと聴かせてくれたり、バンドでのロックアレンジで珠玉のバラード「星座」を丁寧に歌い上げたりと、緩急の効いたライブ展開。MCではLIQUIDROOMでライブをするのは初めてだけど、会場がある恵比寿は仕事でよく来る“庭”だと語り、おすすめのご飯屋さんを紹介したりと、いつものように和やかなトーク。熱帯夜にぴったりのエキゾチックなナンバー「Sleepless」を披露する前にはバンドメンバーと寝る前のエアコンの温度設定を何度にしているかという話で盛り上がったり(ちなみにベースの森田晃平は22度、JUNNAは28.5度と大きな差があった)、ツアーをここまで一緒にまわってきたメンバーとの和気藹々としたムードを感じた。

ライブが後半戦に突入した頃、JUNNAはこのツアーのために書き下ろした新曲「スタートライン」を披露した。「去年までは大学生だったけど、私も変わっていかなきゃって。でも新しいことに挑戦するときって、ポジティブな気持ちだけじゃない、不安や悩みだってあると思う。そんな自分の背中を押して、みんなの背中も押せたらと思って、この『スタートライン』を書きました」と語っていたこの曲。大学卒業後にアメリカに2ヶ月ほど滞在して語学や音楽をたくさん吸収してきたとファンに報告していた彼女。帰国後に書かれたこの歌詞には、新しい一歩を踏み出すこれからの想いがたくさん詰まっているのだろう。ストレートなロックナンバーでJUNNAの素直な想いが届けられた。
 

ライブ終盤でもアグレッシブでロックな楽曲を連発し、底なしのエネルギーを放出してくれたJUNNA。エレキギターを弾きながら歌う姿を見せてくれた「Vai! Ya! Vai!」や、観客の掛け声と高速手拍子を巻き起こしたワルキューレの楽曲「無限大DRIVE」など、会場が揺れるほどの盛り上がり。歌い終わると、小さな拳をクルクルと回して笑顔でガッツポーズする様子が印象的だった。

アンコールでは「皆さんアンコールありがとう! ずっと汗だくで前髪がやばいよ(笑)」と言いながら、しっかりと感謝の気持ちを語っていく。「今日は平日にもかかわらずライブに来てくださってありがとうございます。“やっぱりライブっていいな”と思いながら、楽しいという感情だけで歌っていました。ライブって一人ではできないし、誰かに向けて歌う歌ってパワーが全然違うんです。みんなの声を聞いて、笑顔を見られて、それが私の力になる。この力を、またみんなに返せたらと思います」。そう言って披露された「You + Me = ?」によって、ハッピーでピースフルな空気が会場を満たしていった。

MCでも触れていたが、9月からは初のアジアツアー『JUNNA ROCK YOU ASIA TOUR 2024 ~Hitch-Hike~』が開催され、上海や北京など中国5都市をまわる。そして11月2日には『JUNNA Birthday Live 2024 ~「純喫茶」よーい、アクション!〜』の開催も決定している。こちらはJUNNAいわく「映画をテーマに、カバー曲なども披露するかも」とのこと。こちらも少し気が早いが既に楽しみでならない。

この日のライブを通して、JUNNAは今、この人生をかけて歌うことを心から楽しんでいるんだなと思った。そこにある純粋なエネルギーがJUNNAから観客へ、観客からJUNNAへと美しい循環を生み出していた。「この特別な2時間が、明日からも頑張ろうと思える力になれたら」と語っていたが、みんながきっとたくさんの力をもらったことだろう。振替公演の日程も発表され残すところわずかとなった、このツアー『JUNNA ROCK YOU TOUR 2024 ~Hitch-Hike~』。最後までJUNNAのパワフルな歌声を響かせてくれることだろう。

取材・文=上野三樹 撮影=塚越淳一

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