東京・下北沢を中心に全国で活動中のオルタナティブロックバンド、インディアカヌーが解散を発表した。
作詞・作曲を手がける開(Vo.Gt)と稲葉然(元Ba)が結成。同時期に徳(Dr)がメンバーとして合流し、幾度かのメンバーチェンジを経てクロコダイルゲロ(Gt)、ギギ(元Ba)が加入し4人編成となった。2024年4月にギギが体調不良を理由に脱退し、また、5月に入るとクロコダイルゲロ(Gt)から脱退の申し入れがあった。今までもバンドメンバーの脱退を機に、作りゆく音楽が変わっていき、求める音楽ではないと感じていた現メンバーがインディアカヌーを解散させることを決断に至ったという。
2024年12月26日(木)、東京・下北沢DaisyBarにてワンマンライブ『指切り』の開催をもって解散することが決定。現在までにリリースした楽曲の演奏はもちろん、特別なワンマン公演となる。
メンバーコメント
自分自身の人生としての、またインディアカヌーというバンドとしてのけじめであります。
5月にクロコダイルゲロ(Gt)から脱退したいとの申し出があり、それから時間をかけて考えた結果、これからのこのバンドの音楽、自分の音楽を考えた上でこのような決断となりました。
バンドとは何人かが集まり1つの音楽を作り上げていくものだと思っていますが、このバンドは始動してから約5年、メンバーの入れ替わりが大変激しいバンドでした。自分が弾き語りで曲を作り、そこに各楽器がアレンジを加えていくことでインディアカヌーという音楽は完成していましたが、メンバーの入れ替わりが激しい分、それは各パートの色も目まぐるしく変わっていくことでもあるため、同じ人間達が能動的に作り出していく美しい変化とはまた違うものだったように感じております。一緒にやってくれた全メンバー、サポートメンバーには感謝してもしきれませんが、フルメンバーで1つの音楽の完成を目指すということが、インディアカヌーでは長期的には叶う事がありませんでした。
自分自身のみで全パートを作り、メンバーに演ってもらえるような能力やテクニックが無かったこと、またメンバーがこのバンドにフルベット出来るような環境を作ることが出来なかった自分のことを非常に恨めしく思います。ただただ、本当に悔しいばかりです。
インディアカヌーというバンドは、5年前、大学の友人であった旧ベーシスト稲葉然と立ち上げたバンドです。名前も一緒につけました。由来はなかなかなノリと勢いでつけたもんではありますが、この名前の語感や響きはとても好きです。立ち上げてから5年、あっちゅうまに過ぎ去ってしまいましたが、5年というのもバカにできる歳月でもなく、振り返るとあり得ない量の思い出が鮮明に蘇るので、かなり愛着があるのだなと思います。このバンドの始まりから今までを、偽りなく愛している所存です。
クロコダイルゲロがまだいる状態で、ここまでの5年間の歴史を大切にし、インディアカヌーというバンドをインディアカヌーというバンドのままでいさせるため、完全に終わらせたいと思います。
何年か前から、次誰かが脱けたら終わりにしよう、そういう思いでバンドをやってきましたが、それからも何度もメンバーチェンジをしてやってきて、そろそろケジメをつける時だと思った次第です。
最後にはなりますが、今までこのバンドに携わって頂いた皆様、またライブに足を運んで頂いた皆様、関係者の皆様、友達の皆様、本当に5年間ありがとうございました。
開(Vo.Gt)
途中加入から3年経ち、自分の脱退の決断と共に、このインディアカヌーというバンドは終わる事となりました。
自分はずっと音楽とは純粋に楽しいと感じられる物で、あるいは心から悲しいと感じられる物で、一番自分の感情や感覚に寄り添うものでした。
そんな音楽がとても身近な存在として大事であり、それを自ら演奏する事は、聴き手では得られない感覚で、他では得られない生きているというエネルギーを得られる、自分にとってとても貴重な瞬間です。
インディアカヌーの前にやっていたバンドが解散した時、もう自分が音楽を楽しむ行為は、バンドという形である必要はないと考え、二度と固定でバンドをやる事はないだろうと思っていました。
しかし、サポートという形でインディアカヌーに参加する事になり、このバンドに可能性と愛着を感じるようになって、気付けば正規メンバーとして真剣にこのバンドと向き合っていく事になりました。
自分が通って来た音楽ではなく、難しさも当然あり、正メンバーとなってからも上手くいかない事は多かったです。
それでも、メンバーと共に作り上げた音楽の中には、しっかりと自分という存在や感覚があり、いつしかインディアカヌーの自分になっていき、このバンドとメンバーと、経てきた活動や関わり、賭けて来た3年という決して短くない人生の分だけ、自分のバンドとしてインディアカヌーに愛を感じています。
ですが、元々好きだった、自分の音楽とは?という疑問と摩擦がずっと自分の中にあり、それが今年、2024年の全国ツアーを周り切り、ひとつこのバンドのメンバーとしてやり切った、意味を遂げたという実感を持った中で、ツアーファイナルからバンドとしての少しの休養期間に、改めて自分の好きな音楽に触れ、好きな音楽の話をし、自分で自分が一番好きな音を並べ、自分の音楽という物を見つめ直す事ができ、それがとても大事で、大切にしなければならない物であると気付き、脱退という決断に至りました。
この3年間、時間も金も体力も限界を超える事も少なくない活動でしたが、それを経て得られた悦びは、自分の人生であり、そこに関わってくれた、関わり合ったバンドや友人、ライブハウス、そして観てくれて、聴いてくれて、応援してくれて、感動してくれたお客さん、これまでのメンバーやサポートしてくれたみんな、それから現メンバーの2人には深い思い入れと共にとても感謝しています。
そういった大切な出会いをいくつも出来たのはこのバンドのお陰です。
このバンドは解散という形で終わりを迎えますが、これまで通り最後まで進み続け、燃え続ける、インディアカヌーはそういうバンドです。
これまでの感謝と、バンドへの思い、そして自分の中のあらゆる感情を乗せて、自分がこのバンドでギターを弾く意味を示して、このバンドを終わりたいと思います。
インディアカヌーの活動としての5年、そして自分が加入してからの3年間、本当にありがとうございました。
クロコダイルゲロ(Gt)
これまでメンバーの脱退が3回あり、リードギターのクロコダイルゲロからもこのバンドを抜けたいと言われました。そこで改めて全員で話し合った結果、インディアカヌーは解散することとなりました。
結成してからの5年間、特にメンバーが3人しかいない期間に、ファンの方々の応援の言葉一つ一つが非常に心強い支えでした。本当に感謝してもしきれません。
だからこそ、このままサポートを迎えつつインディアカヌーとして活動していくことは、延命措置のようにも感じ、応援してくれる方に対しても不誠実に映りそうで、自分たちの気持ちをも騙し騙し押し殺していく気がしていたため、ここでインディアカヌーに終止符を打ちます。
インディアカヌーには、テクニックの良し悪しや音楽的な理解力に関わらず他のバンドにはない音やノリや世界観が確立されていて、それは他の何者にも真似できないものだと自負しています。解散してバンドに終止符を打つので、「インディアカヌー」としての新しいものはこれ以降もう二度と世には出ません。
ですが自分自身も未だに実感が湧きません。自分の在り方を最大限に形作れる居場所でもあったのでとても無念です。
今はただ、自分たちを応援してくださった皆様に、インディアカヌーが培ってきたものを残りの公演全てに全て注ぐことがベストだと思います。
全部出し切ります。
最後になりますが、インディアカヌーがどう終わるか、しっかりと見届けて欲しいです。
5年間ありがとうございました。
徳(Dr)