[Alexandros]主催フェス『THIS FES ’24 in Sagamihara』初日の公式レポート到着 2025年春に[Alexandros]新アルバムのリリースも発表

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[Alexandros]

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[Alexandros]主催の野外音楽フェス『THIS FES ’24 in Sagamihara』が10月26日(土) 、27日(日)に川上洋平(Vo/Gt)と白井眞輝(Gt)の出身地である神奈川県・相模原市で開催。初日公演には[Alexandros]をはじめ、PEOPLE 1、Saucy Dog、Vansire、go!go!vanillas、マキシマム ザ ホルモン、GLAYという7バンドが出演し、約2万人を熱狂させた。この記事では初日公演の模様をレポートする。

1日目、ライブがはじまる少し前、[Alexandros]のバンドロゴと「THIS FES」の文字が緑のネオンでドンッと掲げられたステージに開会宣言に登場した、主催者・[Alexandros]の4人。記念すべき第1回目の開催、川上と白井の地元・相模原にとっても初となる大型音楽フェス――ここからはじまっていく物語の第一歩を祝し、そして成功させるべく、「一緒に楽しみましょう!」と4人は観客たちに呼びかけた。
 

PEOPLE 1

[Alexandros]の4人による宣誓に続き、1日目のトップバッターを飾ったのはPEOPLE 1。音と感情と体がステージの上をもんどり打ち、飛び跳ね、解き放たれ、ぶちまけられ、でも、それらがバラバラになって壊れてしまわないギリギリのバランスで、鮮やかな光のような景色が生み出されていく。Takeuchi曰く「祝福の音頭」として響き渡った1曲目“新訳:スクール!!”から、肉体的で躍動感のある演奏に、観客たちもハンドクラップやジャンプで応える。“DOGLAND”のはじまりにはDeuの遠吠えがこだまし、“エッジワース・カイパーベルト”では観客たちのタオルがヒラヒラくるくると華やかに回転し、壮観だった。

PEOPLE 1

PEOPLE 1

PEOPLE 1

PEOPLE 1

PEOPLE 1

PEOPLE 1

MCでItoは[Alexandros]の15周年を祝福し、スタッフ含めこの空間を作った人々への感謝と感動を語りながら「ここからは、みんななりの愛とリスペクトをぶつけてください。『もうTHIS FES大成功じゃん』と思ってもらえるくらい。それが僕の思うトップバッターの役目なので」と告げた。歌うときは屈みながら振り絞るように歌うDeuは最後、真っ直ぐ観客を見つめながら「それがどれだけ細い道でも、きっと誰にでも幸せは訪れると信じたい」と語り、ラストの“メリバ”を披露。激しく、繊細で、優しい、PEOPLE 1らしいやり方で、見事にフェスの幕開けを飾った。

PEOPLE 1

PEOPLE 1

文=天野史彬
撮影=renzo masuda

 

Saucy Dog

1日目、2番手に登場したのはSaucy Dog。ステージに登場し、石原慎也が1曲目“シンデレラボーイ”のイントロを奏で始めると、静かな興奮が波紋のように、観客たちに伝わる。3ピースのアンサンブルが、飾り立てることなく、嘘なく、会場に響きわたる。こんなにも剥き出しなのに、なんて滑らかで穏やかなバンドサウンドだろう。「このフェスの1回目が、あなたの心にずっと刺さって残っていくように」という石原の言葉に続けて披露された“くせげ”、秋澤和貴のベースソロから突き進むように力強く響いた“雷に打たれて”など、色とりどりの楽曲を披露していく。

Saucy Dog

Saucy Dog

Saucy Dog

Saucy Dog

Saucy Dog

Saucy Dog

MCで、せとゆいかはフェスや海外公演でも共演してきた自分たちと[Alexandros]との関係を振り返り「こんなにも大事な日に呼んでいただけたこと、すごくすごく嬉しく思います」と感謝を伝えた。自腹で買ったというTHIS FESグッズを身に付けた石原もまた「([Alexandros]は)俺たちは持っていないものをいっぱい持っていて。……俺たちしか持っていないものはないかもしれないけど、俺たちにしかできないことはあると思うので」と告げる。最後は“Be yourself”で「THIS FES最高―!」と叫んでかっこよく締めたかと思えば、「あと5分残ってた!」と、最後の最後に“優しさに溢れた世界で”を駆けこむように披露。自然体で、でも祈りとメッセージはしっかり抱きしめている――そんなSaucy Dogにしか描くことのできない空間が、相模原に生まれた。

Saucy Dog

Saucy Dog

文=天野史彬
撮影=山川哲矢

 

Vansire

2日間の中で唯一の海外勢であり、[Alexandros]とコラボした「日々、織々 feat. Vansire」でもおなじみのアメリカミネソタ州ロチェスター出身のドリームポップバンド、Vansire。ボーカル&キーボードのジョッシュ・オーガスティンが「元気ですか? 相模原」と日本語で挨拶をした後、ウォームでチルなサウンドを奏で始める。「The Latter Teens」だ。ジョッシュは度々「相模原」という地名を口にしたり、「とても美しい景色だね」とオーディエンスに語りかけたり、このフェスを心から楽しんでいるようだ。ジョッシュが「洋平のラジオで最初にかかったのは僕たちの曲だったんだよ」と告げる。そう、川上洋平がラジオパーソナリティを務めるラジオ番組「おと、をかし」の1回目の放送の記念すべき1曲目はVansireの「Halcyon Age」だったのだ。

Vansire

Vansire

スペシャルゲストとして呼び込んだのは川上洋平。川上が嬉しそうに「何年か前、NYでラジオで曲がかかってたのを聞いてめっちゃいいなと思って僕のラジオでかけたらなぜかDMがきて、そこからめっちゃ仲良いです。フジロックよりサマソニより先に呼びました!」と誇らしげに叫ぶと拍手が巻き起こ。った。ジョッシュとハグして一緒にステージの端から端まで移動。ジョッシュは「ありがとう! 洋平さん!」と感謝を伝え、川上が去った後、笑いながら「Fun」と口にする。「Metamodernity」の多幸感あふれるサウンドで締め括った。

Vansire

Vansire

文=小松香里
撮影=河本悠貴

 

go!go!vanillas

賑やかなSEが流れ、牧達弥の低音のヴォーカルゼーションが映える「来来来」からライブをスタートさせたgo!go!vanillas。ギター・柳沢進太郎の歌も加わり、一気にピークに持っていく。ベースの長谷川プリティ敬祐が「愛する[Alexandros]の晴れの日じゃー!」と叫んで「デットマンズチェイス」へ。4人で次々とマイクを繋ぐ中、ジェットセイヤは「相模原でロックンロール!」と叫んだ。

go!go!vanillas

go!go!vanillas

go!go!vanillas

go!go!vanillas

go!go!vanillas

go!go!vanillas

go!go!vanillas

go!go!vanillas

[Alexandros]のTシャツを着た牧が「ドロスのふるさとにきたぜ! 今年の3月に僕たちが幕張メッセでやったイベントにドロス先輩も出てもらって、その時に相模原の地元に来てくれと言われた時から楽しみにしてました! めちゃくちゃいいところだな!」と言って、ハンドマイクでステージ上を移動しながら、「ただのフェスじゃない。憧れのバンドがかっこいいバンドが作ってるフェス、今日が初開催。伝説にするしかないよ。まだまだ混ざり合えるかい?」と言ってから、極上のファルセットを響かせる「SHAKE」を披露。ジェットセイヤの雄たけびから鉄板の「カウンターアクション」に突入。柳沢が「でっかい声で叫べますか?」といって、「ディスフェス! ディスフェス! 相模原!」や「アレキ! サンドロス!!」や「アレキ! アレキ! サンドロス!」といったコール&レスポンスを展開。初開催のフェスに多大なリスペクトを捧げた。

go!go!vanillas

go!go!vanillas

文=小松香里
撮影=renzo masuda

 

マキシマム ザ ホルモン

「今日は[Alexandros]に最大限の殺意を愛情に込めて、『殺る』覚悟でやってきました!」――そんなダイスケはんの叫びが陽が落ち始めた相模原の空に響き渡る。1日目、5番手に登場したマキシマム ザ ホルモン。初っ端からヘドバンが巻き起こった“What’s up,people?!”、重厚なポップなヘヴィネスの中からメロディが飛翔する“「F」”、それに天国と地獄を瞬間移動するように表情を変えていく“殺意vs殺意”など、ゴリッゴリにカオティック、なのに安寧と温かさをも感じさせるパフォーマンスでTHIS FESのステージを席巻する。

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

昨年は対バンツアー「THIS SUMMER FESTIVAL TOUR ’23」で共演した[Alexandros]とマキシマム ザ ホルモンだが、そのとき[Alexandros]からプレゼントされたというオリジナルTシャツ(ドロスのロゴのタッチでホルモンの名前がプリントされている)をステージでお披露目するなど、両者の深いつながりを感じさせる場面も。MCでのダイスケはんの「野生の白井くんと会ったときの話」では笑いが起こっていたが、舞台袖で苦笑いしている白井の姿がモニターに映っていたのも見ものだった。ナヲの言葉を借りるならば「ステージも、客席も、国籍も関係ない全員のホーム」まさにそんな空間。ラストの“恋のスペルマ”が終わった後には、でっかい怪獣が通ったあとみたいな余韻が残った。ちなみに「[Alexandros]から絶え間なく注がれる愛に気持ちを込めて歌います。聴いてください、“HOWEVER”」という、ダイスケはんが放ったひと言は、この後しっかり伏線回収されることになる――。

マキシマム ザ ホルモン

マキシマム ザ ホルモン

文=天野史彬
撮影=浜野カズシ

 

GLAY

空も夜の闇に包まれ、ステージセットの緑色のネオンライトが煌々と輝く中で登場した1日目6番手、GLAY。1曲目のイントロが響き渡ると、オーディエンスからどよめきが起こる――“HOWEVER”だ。この美しく普遍的な名曲を相模原の夜空に盛大に羽ばたかせ、ライブがはじまる。TERUは「2年間、小田急相模原に住んでいたことがあります。ただいま!」と告げると、“サバイバル”“口唇”と、往年の名曲たちを獰猛でパワフルなバンドサウンドで立て続けに披露。全曲サイドモニターには全編の歌詞が映し出されており、音と言葉で一気に体と体を鷲掴みにされる。

GLAY

GLAY

GLAY

GLAY

GLAY

GLAY

GLAY

GLAY

「ヒロくん(磯部寛之)がよく聴いていてくれた曲」という紹介ではじまったバラード“May Fair”を披露すると、さらに火柱が上がる激しい演出の中で披露された新曲“whodunit”の最中には[Alexandros]“Dracula La”のカバーを差し込むなど、粋な演出も。時代を背負い、時代を作ってきたバンドとしての貫禄と求心力が重たく轟くと共に、今でも新しくなり続けるバンドとしての柔軟性と軽やかさが清々しく鳴り響く。TERUが小田急相模原に住んでいたのは32年前だと言っていたが、キャリアを重ねながらも、こんなにも艶やかで、逞しく、無邪気であることができるなんて奇跡のようだ。狂おしく疾走する“彼女の“Modern…””、そしてラストを飾った“誘惑”ではオーディエンスの声も重なり、爽やかな一体感を生み出した。

GLAY

GLAY

文=天野史彬
撮影=村井香

 

[Alexandros]

THIS FES初日、トリはもちろん[Alexandros]だ。川上洋平が「Hello hello」と歌い始めると、2万人の大合唱が巻き起こった。「Adventure」だ。「10月の亜麻色に染まった相模原の」と歌詞を変えて歌うと場内が大いに沸いた。地元・相模原での初のTHIS FES開催、「いつだって僕達は君を連れて行く」という歌詞が一層説得力を帯びる。「Dracula La」に雪崩れ込み、「相模原に愛されたい」と歌詞を変えて歌い、再び故郷への愛を露わにする川上。Vansireのボーカル&キーボードのジョッシュ・オーガスティンを呼び込み、ジョッシュがチルな音色を奏でて「日々、織々 feat. Vansire」を初披露する一幕もあった。

[Alexandros]

[Alexandros]

[Alexandros]

[Alexandros]

川上は「俺が生まれ育った地元でこんな光景を見れることがあるんだなって」と感慨深げ。ゴリゴリバキバキの「Girl A」の後は、BOYということで、川上が「新曲だけど踊れますか⁉」と問いかけて「Boy Fearless」へ。ヘヴィーでハイブリッドな最新の[Alexandros]のフォーミュラでオーディエンスを熱狂させる。「この相模原で初恋も失恋もしてるこの二人(川上と白井眞輝)ですが、失恋の曲歌っちゃっていいですか!」と言って「Backseat」。瑞々しいサウンドがすっかり日が落ちた相模原に甘酸っぱく溶けていった。

[Alexandros]

[Alexandros]

[Alexandros]

[Alexandros]

川上が本日の出演者と相模原とオーディエンスに拍手を送り、「世界一皆さんをジャンプさせるバンド、[Alexandros]です!」と言って、小田急線相模大野駅の列車接近メロディとして流れている「ワタリドリ」が響き、2万人が高くジャンプする景色が広がった。アウトロで花火と火花が猛々しく上がり、初日の大成功を祝福。川上が「愛してるぜ、相模原―‼」と叫び、白井が「ありがとう、相模原大好きです」と伝えた。興奮冷めやらないオーディエンスを前に、LEDビジョンには2025年春に[Alexandros]のニューアルバムが出ることが映し出された。

[Alexandros]

[Alexandros]

[Alexandros]

[Alexandros]

文=小松香里
撮影=河本悠貴

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