THE BOOGIE JACK 撮影=TERU
2000年に名古屋にて結成されたTHE BOOGIE JACK。来年の25周年イヤーを目前にした今、彼らの活動が加速している。毎年開催している「NAGOYA ROCK METEO」を「JAPAN ROCK METEO TOUR」と題し回った東名阪ツアーをはじめ、各地のファンに積極的にライブを届ける活動、また昨年はTHE BOOGIE JACKの新たな代表曲「Shiny Shiny」のリリースなど勢いを増すばかり。THE BOOGIE JACKの目の前にあるものとは。来年の25周年を目前に、11月24日にはメジャーデビュー20周年を祝した下北沢SHELTERでのワンマンライブも控えたTHE BOOGIE JACKのインタビューを届ける。
――今年のTHE BOOGIE JACKは来年の来たる結成25周年に向けてかなり活発に動いている印象があるのですが。
ヒライシュンタ(Vo):今年は本当にライブが多くて。個人的にはソロ活動もあったり、バンドとしても僕たちに出来る限界まで騒いだ年になったなと。
青山真一(Dr):まだ今年もあと2か月ありますけど、それでも今年はやっぱりTHE BOOGIE JACKが前に進んだ年になったと思います。
野津秀雄(Gt):コロナが明けて2年くらい経って、ライブも以前のように出来るようになったし、25周年に向けてコンスタントにライブが出来るのは幸せなことだなと思いますね。
Yoppe(Ba):ここ数年は県外に行く回数も増えて、つい最近の「JAPAN ROCK METEO TOUR」もだし、北海道や東北にも行けて、全国のファンの方に会えたことが今年は多かったことが嬉しかったですね。
ヒライシュンタ:やっぱり24年もやっていると、何処に行っても「10年振りに来ました」って会いに来てくれる方が沢山いて。休止していた期間も含めて、僕らから会いにいけなかった時期もあったので、その間もずっとTHE BOOGIE JACKのことを好きで待っていてくれたんだなって思うと、本当に当たり前じゃないし、この人たちの為に会いに来たんだなって強く思いますね。いつも全国から名古屋まで来てもらっていたので、やっと会いに行けたなって思いました。
青山真一:来年の25周年に向けて、全国のお客さんの熱量も凄く高まっていて。ライブに対する反応もダイレクトに伝わってくるので、ライブをしていて凄く嬉しいですね。
THE BOOGIE JACK 撮影=ぽむ。
――毎年名古屋で開催されている「NAGOYA ROCK METEO」を今年は東名阪のツアーとして開催されましたが、これはいつ頃から構想していたのでしょうか?
ヒライシュンタ:去年の年末に名古屋のクアトロで「NAGOYA ROCK METEO」を開催したんですけど、いつもお世話になっているイベンターさんに「来年はちょっと違う形でやるのも面白いかも」と相談したら「ツアーはどうですか?」とご提案頂いて。さっきYoppeが言っていたように最近は県外に行くことも増えてきたんですけど「ROCK METEOを東京でやって欲しい」「大阪でやって欲しい」という声も沢山頂いていたので、じゃあトライしてみようかなと。
――「JAPAN ROCK METEO TOUR」は、お馴染みのバンドから意外なバンドまで幅広く出演されていましたよね。
青山真一:今回のROCK METEOはキーワードとして「同世代」というのがあって。でもいつも出てくれているバンドだけじゃなくて、普段あまり一緒にやれていないバンドを各所で絶対に誘うことがポイントとしてあって。例えば東京公演に出てもらったATATAは僕らのシーン的にはちょっと異色ではあるんですけど、世代的には近いしメンバーもかなりリスペクトしているバンドで。名古屋公演にはジャパハリネットに出てもらったんですけど、ジャパハリは同じシーンで戦ってきたバンドだけど、2020年のROCK METEOに出てもらうつもりがコロナで駄目になってしまって。今回、4年越しで出て貰えて嬉しかったです。そして大阪はSOUTH BLOWですね。彼らも同世代なんですけど、中々一緒にやる機会がなくて。大阪で一緒にやることがひとつの目標でもあったので、今回叶っちゃいました。
――東名阪で「JAPAN ROCK METEO TOUR」を開催してみて如何でしたか?
ヒライシュンタ:東京も大阪も名古屋も、どの会場も本当に沢山のお客さんが集まってくれて。ROCK METEOというイベントに期待感を持ってくれているというか、信頼してくれているんだなって凄く感じて。このイベントを2014年から始めて、コロナで出来なかった時期もあるけれど、初開催から10年間、ROCK METEOを続けてきて。ファンのみんなも一緒に年を重ねてきて、でもROCK METEOには1年に1回、普段ライブに中々来られない人も集まってくれるし、ROCK METEOに行けば、「そこには自分の居場所がある」、「絶対に楽しい場所なんだ」って、信頼してもらえていることを東名阪3ヶ所全部で感じました。
Yoppe:僕らを応援してくれている人は勿論なんですけど、今回は今までROCK METEOに出ていなかったようなATATAやジャパハリネットやSOUTH BLOWのお客さんが遊びに来てくれたことも僕らには大きくて。そういう各バンドのファンの方の中には、初めてTHE BOOGIE JACKを観てくれた人も多いと思うんですよ。来年25周年を迎えるこのタイミングで、色んな人にROCK METEOを知ってもらったり、THE BOOGIE JACKを知ってもらえたのはやっぱり大きなことだなって。
――Yoppeさんはバンドに後から加入された訳ですが、改めて感じていることはありますか?
Yoppe:僕が加入してからはそんなに全国各地に行けていた訳じゃなかったので、地方に行くとより感じるんですけど「やっと会えましたね」って言って頂くことが多くて。あと本当に全国各地のライブハウスでTHE BOOGE JACKの昔のTシャツやNAGOYA ROCK METEOのTシャツを着てくれている人が多いなって思います。
ヒライシュンタ:ROCK METEOのTシャツを着てくれている人を地方で見かけると、名古屋まで来てくれたんだなって思いますね。だから「NAGOYA ROCK METEO」って名前を付けちゃっていますけど、これはもう「JAPAN ROCK METEO」だなって。
ヒライシュンタ(Vo) 撮影=ぽむ。
――来年の25周年を前に、今年はまだやらなきゃいけないことがありますよね。
ヒライシュンタ:はい。11月24日に東京の下北沢SHELTERでワンマンがあります。
――これはどういった経緯で決まったのでしょうか?
ヒライシュンタ:実はTHE BOOGIE JACK、来年は結成25周年ですが、今年がメジャーデビュー20周年なんですよ。それで当時お世話になっていたポニーキャニオンのディレクターの山内さんという方から「デビュー20周年だね」って連絡をもらったんですよ。僕らは今メジャーで活動している訳じゃないですけど、でもそうやって数えてくれていたことが嬉しくて。そのディレクターさんが定年退職のタイミングだったこともあって、僕らのデビューシングルの「プラネットホーム」が出た5月にワンマンをする話が出たんです。でもタイミングが合わず実現出来なくて11月になってしまったんですけど、有難いことに、メジャー時代の作品も沢山の人に愛してもらっているし、特にメジャー時代は東京でもよくライブをやっていたので下北沢SHELTERでワンマンをすることになりました。
――20年前、メジャーデビューしたときのことは覚えていますか?
青山真一:とにかく希望に満ち溢れていましたね。「俺たちはここから大きくなっていくんだ」って。
ヒライシュンタ:杁中の緑楽器の前で「就職しないってことでいいよね?」ってメンバーで話したよね(笑)。
野津秀雄:それ、覚えてるわあ(笑)。
ヒライシュンタ:大学4年生だったからみんなの意志の確認をして(笑)。
――Yoppeさんは当時メンバーではなかったですが、同じ大学に先輩だったんですよね?
Yoppe:はい。僕は後輩がメジャーデビューすることに感動していました。当時ってやっぱりメジャーデビューすることがバンドの目標のひとつでもあったと思うし、それを後輩が成し遂げたことに興奮していました。
野津秀雄(Gt) 撮影=ぽむ。
――デビューシングルの「プラネットホーム」には「ありがとう父さん」「ありがとう母さん」という歌詞もありますが、あの曲はメジャーデビューにあたって感謝の気持ちを書いた曲にも聴こえますよね。
ヒライシュンタ:そうなんですよ。さっきメジャーデビューにあたって意思確認をしたって話をしましたけど、メンバーみんな、やっぱり大学まで行かせてくれた親のことを気にしていたんですよ。就職しないでこのままバンドを続けていいのかっていう。だからこそメジャーデビューのタイミングで両親に対する感謝の気持ちを残しておきたかったんですよ。20年経って、やっぱり残しておいて良かったなって思います。
――メジャー時代で印象に残っていることってありますか?
ヒライシュンタ:やっぱりTHE BOOGIE JACKに関わってくれる人が急激に増えたことですね。これは本当に嘘でもなんでもなく、ポニーキャニオンで僕らに関わってくれた人って嫌な人が1人もいなくて。みんな僕らを愛してくれていたんですよ。あとは河口湖のスタジオでのレコーディングも楽しかったですね。あの経験はやっぱりメジャーじゃないと出来ないことだったと思うので。スタジオでHYとか色んなアーティストと一緒に朝ごはんを食べて。楽しかったですね。
野津秀雄:ちょうど最近、2005年のメジャーデビュータイミングのデモテープを見つけたんですよ。スタジオで一発録りした音源とか。当時の空気感がそのままパッケージされていて、それが凄く楽しそうなんですよね。当時も自由にやっていたんだなって、あの頃の記憶が蘇りましたね。
青山真一:僕が印象に残っているのはミュージックビデオの撮影ですね。こんな僕にメイクさんがお化粧をしてくれて、髪型もかっこよくしてくれて。
――髪型。
青山真一:当時はまだ結構髪の毛があったんです(笑)。かわいいスタイリストさんがついてくれて。
ヒライシュンタ:真ちゃん、そのスタイリストさんをナンパしてたもんね。
青山真一:えっと、ノーコメントでお願いします!(一同笑)
青山真一(Dr) 撮影=ぽむ。
――そんなメジャー時代があって、今回メジャーデビュー20周年のワンマンライブが行われる訳ですが、どんなライブにしたいですか?
ヒライシュンタ:この日は2000年から2007年にリリースした楽曲しばりでライブをします。そういうのをやるならこのタイミングかなと思って。THE BOOGIE JACKは新曲が一番かっこいいと言い続けているバンドなので、中々こういうカードを切ってこなかったんですけど、ファンの方はやって欲しいって凄く言ってくれるし、やったら楽しいことは僕らも分かっているので。だから正直、自分が一番楽しみにしています(笑)。
青山真一:セットリストを組むのが大変です(笑)。
Yoppe:僕はどの曲も加入前の楽曲なので、初めて演奏する曲も沢山あって。それも凄く楽しみですね。
野津秀雄:これだけ長くバンドをやっていて沢山リリースもしていると、どうしてもライブでやれていない曲があるんですよね。しっかり作ったのにラインナップから外れちゃった曲たちがあって。そういう曲たちが日の目を浴びる日だなって思っています。どの曲にもチャンスがありますから。
ヒライシュンタ:チャンスといえば「ミス・アンナ」とかやるかもしれないよ?
青山真一:「ミス・アンナ」はやらないでしょ(笑)。
野津秀雄:いや、分からないよ(笑)。
――ライブの1曲目が「カオニデル」の可能性だってあるわけで。
青山真一:あははは。どんな始まり方ですか、それ(笑)。
ヒライシュンタ:SEが流れる中でみんなで円陣組んで、感極まりながらステージに上がって流れてくるイントロが「カオニデル」だったらどんな顔してライブを観たらいいんだろうね(笑)。
――でもどんなセットリストがきても楽しんでくれるファンの方がこの日は集まりそうですね。
野津秀雄:でも本当に「カオニデル」じゃないですけど、「こうきたか!」みたいな曲を楽しみにしていて欲しいし、僕らも楽しみなので色んな予想をして楽しんで欲しいです。
ヒライシュンタ:さっきも言ったように、やっぱり新しい曲を聴いて欲しい気持ちはあるんですよ。でも過去曲だけでワンマンをやることで気にしてくれる人も絶対いると思っていて。それで何十年振りにTHE BOOGIE JACKを観ようと思って、またライブハウスに来てくれるきっかけになったら嬉しいなって。そこから来年の25周年のワンマンに繋いでいけたらいいなって思っています。
Yoppe(Ba) 撮影=ぽむ。
――では最後に11月24日のワンマンライブに向けた意気込みを聞かせて下さい。
Yoppe:僕らはワンマンライブというものをそんなに頻繁に開催出来る訳じゃないので、沢山の人に来てもらいたいですし、全力で楽しんでもらえるセットリストを考えているので、楽しみにしていて下さい。
野津秀雄:「何年しばり」みたいなライブは、やっぱり歴史を重ねたバンドじゃないと出来ないと自負していますので、普段ライブでやらない曲もやりますし、本当に楽しみにしていて下さい。
青山真一:実はTHE BOOGIE JACKのワンマンの前日にザ・マスミサイルも東京の渋谷Spotify O-Crestでワンマンがあって。両方のライブに来てくれた方にポストカードをプレゼントしたりキャッシュバックのキャンペーンも行うので、11月23日、24日は是非僕らとザ・マスミサイルのライブをハシゴして欲しいです。
ヒライシュンタ:「どんなセットリストでライブするのかな」って考えてくれるみんなのそのワクワクから既に僕らのワンマンが始まっていると思うので、ライブは勿論、久しぶりにCDのケースを開けてみて、当時のことも思い出してみたりしながら、THE BOOGIE JACKのライブに足を運んでみて下さい。待っています!
取材・文=柴山順次(2YOU MAGAZINE)