(C)Junichiro Matsuo
2025年にデビュー50周年を迎えるヴァイオリニスト、千住真理子のアニバーサリーイヤー突入に向けた記者会見が11月20日(水)東京・銀座で開催された。
1975年、12歳でプロデビューした千住真理子。記者会見では、2歳3か月でヴァイオリンを学び始めた時からプロデビューを経てその後の50年の歩みについて語られた。
「本番の明るい、強いスポットライトの記憶がいまだにあります」といったデビューリサイタルでのエピソードをはじめ、20歳でヴァイオリンを弾けなくなってしまった時期のこと、演奏のために体質改善に取り組んだことなど自身の軌跡について語った後、次に目指す60周年について問われると「60周年を迎えるために体を鍛えています。手の皺もだんだん多くなるのが、音になってくるんです。私はこれを幼いころから憧れていて、皺の音を早く出せるようになりたいと思っていました。以前に巨匠の方の演奏で皺の音を聴いた時、本当に素晴らしく、なぜか分からないけれども、胸が熱くなって涙が流れました。このような音を出したい、それが私の夢です」とコメントし、記者会見を締めくくった。
(C)Junichiro Matsuo
2024年12月にスタートするアニバーサリーイヤーには、2024年12月に開催される無伴奏イザイ全曲演奏のリサイタルを皮切りに、芸術三兄妹として知られる日本画家の千住博氏、作曲家の千住明氏とのコラボ企画や一晩でメンデルスゾーンとチャイコフスキーのコンチェルトを楽しめるプログラムなど、様々なリサイタルが予定されている。
なお、11月20日(水)にはデビュー50周年イヤーの幕開けを記念して「メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64: 第1楽章: Allegro molto appassionato」がデジタルリリースされた。この曲は、新たにセッション録音されたもので、2002年以来共にする愛器ストラディヴァリウス、デュランティでは初の録音となる。
『メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 作品64: 第1楽章』ジャケット写真
2025年にはデビュー50周年を記念した新作のリリースも予定している千住真理子。デビュー50周年のアニバーサリーイヤーは「いま奏でる音は、この50年のわたしのすべて」と語る千住の”今”を存分に発揮する1年となりそうだ。