美大出身エレクトロニカ純文学バンド BOND LOST ACT、3ヶ月連続配信第1弾「うしろのしょうめんだあれ」をデジタルリリース
短編小説的音楽に注目が集まる、美大出身の文学ニュー・ウェイヴバンドBOND LOST ACTが年を跨いだ3ヶ月連続配信の第1弾「うしろのしょうめんだあれ」を12月11日にデジタルリリースした。
今年1月に小説を題材にした楽曲配信企画でmonogatary.comから2曲リリースして1年弱。沈黙していたBOND LOST ACTの音像は歪に、しかしながら真っ直ぐに鋭く、凪いだあの日の夏に立っていた。
「混沌極まりつつある世界を真正面から見るために、僕らは真夏に見た夢の中へ答えを探しに行くんだ」
彼らが呟いた言葉には迷いが晴れた清々しい決意が見受けられた。
今作の70年代ライクなエレクトロサウンドは湿り気のある風となって現在をグレーディングした。整頓され、いわば構造化された(工業化とでも言うか?)楽曲を、生々しい歌詞がアテンドする世界で、あなたは一体どんな回答を見るだろう。冒頭のアラームで起こされ、強迫観念的にマグリットの絵画のような誰もいない、いつかの商店街を歩かされた主人公は一体どんな情景(惨劇)の末に目覚め、苦慮するのだろう。
音に潜り込めるよう、全ての音を360度展開したWide versionを今回も提供してくれた。
3ヶ月のリリース後に開催される彼らのパーティーは、体感系のインスタレーションも催される予定とのこと。詳細はX、公式サイトをフォローしチェックしてほしい。
BOND LOST ACTコメント
僕の思い描く最高は感覚と肉体の間に空間を作ることです。ずいぶん長く悩みました。どうやったら楽曲で頭蓋骨と脳みその間に空間を作れるのかなと。川の砂利をすくって、欲した答えが出るよう、フィルターをかけた網を使い、それを流水にさらし、砂金を見つけるような作業をしていたように感じます。自問自答するために僕らは誰もいない街を歩く必要がある。“居るべきではない” 世界と、生きている自分の体温の境目を知覚する必要がある。念写できるならしたい、眼前に広がる風景を提供したかった。曲の本編は 3分弱、だけど裏返った世界で何万年か歩いたよ、そんな装置を作りたいと。ブルーピルとレッドピルの間のパープルピルを作り出せたら今のところ本望だと思っています。
広告・取材掲載