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梅田サイファー、NakamuraEmi、藤井隆が味園ユニバースを揺らした『SHAKE』レポート「みんなと最高のパーティーにしたい」

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『SHAKE』2024.11.29(FRI)大阪・ユニバース

梅田サイファー、NakamuraEmi、藤井隆が共演したライブイベント『SHAKE』が、11月29日に大阪・ユニバースで行われた。『SHAKE』は「音楽と人が溶け合う」をコンセプトとし、2022年12月にはSoulflex、tofubeats、梅田サイファー、ぷにぷに電機、2023年8月にはKZ、NakamuraEmi、チプルソ、RowHoo、2024年1月には梅田サイファー、フレンズ、SUSHIBOYS、betcover!!が出演。4回目の開催となったこの日も、梅田サイファー、NakamuraEmi、藤井隆が、三者三様の持ち味を生かした熱いパフォーマンスを展開。また、お酒とも縁の深い『SHAKE』だけに、今回はスペシャルカクテルとして「フロール・デ・カーニャ」という添加物を使用せず100%再生可能エネルギーのみで作られた、ナチュラルラムをベースにした本格コーヒーリキュール「SPRESSO」や、ナチュラルココナッツリキュール「COCO」を使った限定カクテルもサーブされるなど、飲めや歌えと味園ユニバースが沸いた極上の一夜となった。

藤井隆

オンタイムでステージにさっそうと現れ満面の笑みを浮かべたポップスターに、オーディエンスは思わず割れんばかりの大歓声! 『SHAKE』のトップバッターを担った藤井隆は、いきなりのヒット曲「ナンダカンダ」から大盛り上がりで、「みんな大好き大阪ー!」とご機嫌にフックアップする。

その後も軽快なダンスときらめくネオンと共に「OH MY JULIET!」を届け、「こんばんは藤井隆です。今日は『SHAKE』に呼んでいただいて、皆さんが温かく迎えてくださって本当にうれしいです!」と感謝を述べ、メロウでアンニュイな「わたしの青い空」~ダンサブルで華やかな「未確認飛行体」と、色とりどりの楽曲群で華麗に魅せていく。

「私は2000年3月に「ナンダカンダ」でデビューして、ユニバースには8年前にもお伺いしました。子どもの頃からCMで見ていた場所にこうやってまた呼んでいただいて、ものすごく緊張していたんですけど……ちょっと油断したんですかね? ずっとチャックが開いてたんですよ(笑)。だから後ろを向いたときにサッと上げてもなかなか閉まらなくて……それぐらいふわふわしたまま4曲お届けしました(笑)。せっかくなのでこのユニバースの雰囲気に合うような曲をと思って選んできましたので、ご自由に楽しんで踊っていただけたら」

さすがのMCでしっかりつかんだ後は、エレクトロな浮遊感漂う「ヘッドフォン・ガール -翼が無くても-」を皮切りに、「一緒に踊ってくれますか? まだまだ元気ですよね大阪!」と有言実行でフロアを揺らした「未来エキスプレス11」~「メモリアフロア」とぐんぐん加速していく。

すっかり緊張もほぐれ「ありがとうございました、最後まで楽しんでいってくださいね!」と汗だくで放った「I just want to hold you(RAM RIDER remix)」では大きく手を振りジャンプ! お笑いタレントや俳優としての活躍は言わずもがな、歌い手としての個性と情熱でも大いに魅了した藤井隆の独壇場だった。

NakamuraEmi

ギタリスト/プロデューサーのカワムラヒロシのクールなカッティングが鳴り響けば、それが幕開けの合図。ド頭のアンセム「YAMABIKO」からコール&レスポンスが巻き起こったNakamuraEmiは、約1カ月前に自身のリリースツアーで立った大舞台に堂々の帰還。「大人になっても泣きたい日はある」と導いた「雨のように泣いてやれ」でも、この一年で格段にタフになったパフォーマンスと言葉の説得力で、あっという間に見る者をとりこにしてしまう。

「味園は憧れの場所だったんですけど、もうちょっとでなくなっちゃう前に年内にもう一回来られて、まさかの藤井隆さん、そして梅田サイファーとご一緒できるなんてとんでもない夜なので、皆さん一緒に『SHAKE』されちゃってください! それこそ梅田サイファーのKZくんがブッキングしてくれて私は去年も『SHAKE』に、ヒップホップの中に混ぜてもらって……そのおかげで曲ができたぐらい大事な日になったので、今日も出られてすごくうれしいです」

続く「メジャーデビュー」でも、高ぶるアコースティックギターのリフレインと歌声のみでグサグサ心臓を貫かれ、抑え切れない感動が何度も込み上げてくる。そんなラッパーNakamuraEmiのすごみに鼓舞されたかと思えば、とろけるように美しい「雪模様」では、シンガーNakamuraEmiの真髄に優しく包まれる。圧倒されることがこんなにも心地良いのは彼女のライブならではの体験で、「自分を変えたくて作った曲」という転機の「Rebirth」では、カワムラヒロシがMPC、NakamuraEmiがフルートでも楽曲を彩っていく。

さらに曲間で「今日しかない『SHAKE』をしたいと思います!」と告げると、梅田サイファーのKZがジョイン。巧みなフリースタイルでNakamuraEmiにもパスを送り2人が掛け合ったマイクリレーは、まさに『SHAKE』でスペシャルなワンシーンだった。

「とんでもない汗が……(笑)。本番前に楽屋でKZくんが隣に座って「何かやる?」って急きょ入ってくれたんですけど、本当にすごいわ。私は去年の『SHAKE』で人生観が変わって、それがあったから今年は動けた。『SHAKE』への感謝を込めて作った曲をお届けしたいと思います」

最新アルバム『KICKS』の根幹であり、今のNakamuraEmiを作り上げた重要曲「梅田の夜」は昨年、彼女が見た景色と動いた心をパッケージした一曲。『SHAKE』に誰より人生を変えられたNakamuraEmiが、『SHAKE』で生まれた曲を歌うという一年越しのギフトは、「エモい」以外の何物でもない。

「幸せだー! ありがとう、生きていて良かった。「大阪LOVER」(DREAMS COME TRUE)みたいな有名な曲になるよう頑張ります(笑)。最後はあなたの気持ちを大事にしようという曲です」と、ラストは「火をつけろ」で躍動。この一年、幾度となく足を運んだ関西でNakamuraEmiが最高のエンドロールを刻んだ。

梅田サイファー

梅田サイファーに助走や準備は必要なし。いざ鉄板の「梅田ナイトフィーバー’19」が始まるや、すぐさまピークへと駆け上がった最強クルーは、見渡す限りがハンズアップする光景をいとも簡単に生み出し味園ユニバースを完全包囲。SMAPの名曲『SHAKE』をマッシュアップする粋な計らいでも楽しませ、大阪ミナミの魔窟でうごめく獣のように、息つく暇もなく「YDK」~「スイッチ」と畳み掛けていく。

ここでKZが「味園『SHAKE』、腹の底から声を出す準備はできてますか!?」とあいさつ代わりにぶち上げ、またも超高速ラップの応酬で度肝を抜いた「韋駄天S**t」を起爆剤に、「BOW WOW」~「VIBE SHAKE」とこの夜に打ってつけの爆アゲセットリストでにぎわせる怒濤の展開! 『SHAKE』×梅田サイファー×味園ユニバースという無敵の方程式で、天井知らずの熱量をとことん見せつける。

インターバルで「楽しんでるか『SHAKE』パーティーピーポー! 余力を残さないぐらいガンガン踊っていってくれますか!?」とテークエムがアジテートすれば、「いろんなジャンルの演者さんをこのフロアに呼んで……味園ってめちゃくちゃいい空間で、大阪の文化が交わる、お酒も人も音楽も混ざり合う場所やから『SHAKE』が始まったんです」とKZがイベントの主旨を説明。そして、「ってことですから、2曲続けてお酒に縁のある曲を」と再びテークエムがいざない、祭ばやしからオートチューンまでジャンルレスに横断した「iya-saka-zuki」~「Glass」の2連発! 代わる代わるメインボーカルがスイッチする層の厚さで、酒と音楽とに酔いしれるチルタイムを演出する。

いよいよライブも終わりに近づいたときにKZが、アルバム『ビッグジャンボジェット』のリリースツアー時にコロナ禍の制限下でワンマンをしたこと、韻踏合組合主催のMCバトル『SPOTLIGHT』に出ることを目標にしていたこと、THA BLUE HERBをはじめ好きなアーティストのライブを見に来たこと……味園ユニバースでのさまざまな思い出を振り返っていく。

「今のところ、今日が我々のラスト味園になりそうなんで、みんなとめちゃくちゃ楽しい時間を過ごして、最高のパーティーにしたいと思います。味園の天井を突き破るほど手を高く上げてもらっていいですか? バースやフックも関係なく手をぶん回して、お互い疲れるまで「マジでハイ」になろうぜ!」

KZのそんなMCが導火線となり、クライマックスは「マジでハイ」~「BE THE MONSTERR」~「Rodeo13」でぐっちゃぐちゃに飛び跳ねる! 最後まで大トリにふさわしいお祭り騒ぎで、梅田サイファーが2024年の『SHAKE』を見事に締めくくった。

取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=ハヤシマコ

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