すとぷり
すとろべりーめもりーVol.Forever!!『すとぷり Best Album Release Party 2025』
2025.1.12 さいたまスーパーアリーナ
2.5次元アイドルグループとして国民的人気を誇るすとぷり。メンバーは、莉犬、るぅと、ころん、さとみ、ジェル、ななもり。の6人だ。今年はまず1月8日に代表曲を総括した初のベストアルバム『Strawberry Prince Forever』を発表し、その直後にはリリースを記念した2DAYSのワンマン公演をさいたまスーパーアリーナで開催した。ライブは1年8ヶ月ぶりということもあり、チケットは瞬く間に完売! 改めてその凄まじい人気ぶりを見せつけた。しかも、この公演をもってリーダーのななもり。が、プロデュース業および社長業の裏方活動に専念(彼はすとぷりを抱えるマネージメントの代表であり、多くのグループ企業も総括している)するということもあり、オールメンバーが揃う貴重なライブとなった。ここでは多くのサプライズ告知が発表された2日目(1月12日)の模様をお伝えしよう。
開演前から、かなりの人数のリスナー(ファンの呼称)がたまアリに吸い込まれていく。子ども連れのファミリーが目立つのもすとぷりならではの光景だ。白い衣装が印象的なメンバーに合わせ、白い姫系ファッションの女子も多数。リスナー自身も楽しもうとワクワクしているのが伝わってくる。客席がほぼ埋まったタイミングで、開演時間となり照明が暗転。同時に歓声が上がり、客席には一気にペンライトが瞬き始めた。広いステージの背景にはメルヘンチックな森の映像が煌めき、観客は瞬時に夢の世界に引き込まれていく。
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そしてスモークに包まれたセンターステージには、莉犬、るぅと、ころん、さとみ、ジェル、ななもり。のメンバーが登場。王子様風の白い衣装で姿を現した6人は「誓いの花束を~With You~」で場内を魅了。これは昨年の夏に公開された、すとぷり初のアニメ映画の主題歌である。2曲目の「ぴゅあぴゅあいちご」ではメンバーのキュートなダンスが炸裂。そして、3曲目に入ろうかというタイミングで早くもトロッコが導入される。メンバーが3×3の二手に分かれて、センターステージからアリーナ通路をゆっくり移動。「スキスキ星人」「大好きになればいいんじゃない?」を歌いながら、メンバーがあらゆる席のリスナーに手を振って笑顔を見せる。アリーナ後方で6つのトロッコが一列に並ぶと、今度は3人ずつメンバーが移動し、それぞれ逆サイドの通路をトロッコで移動。メインステージへ戻っていった。「AGAIN」でメンバーがステージに戻ると花火の特効が炸裂し、ファンタジー全開の演出で圧倒。前半でこれだけ盛りだくさんになるとは……。これも“リスナーを笑顔にしたい”という、彼らの妥協なきエンタメ魂のなせるワザなのかもしれない。
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冒頭から飛ばしまくった彼らはここでMCタイムへ。6人がわちゃわちゃとトークを展開し、その中でななもり。は「最高の思い出を作りたいんだけど、みんなにも本気出してもらわなきゃいけない! みんな本気出してくれますか!」と煽りを入れ、声出し対決を提案。るぅとと莉犬が客席をブロックに分けて、声出し対決を促す。MCタイムの締めにメンバーが「すとぷり!」とコールし、前観客の「サイコ~!」というレスポンスで、本編は次のブロックへ進む。
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ここでキュンとくるラブソング「アニバーサリー」が披露される。その後、ステージセットの階段にメンバーが腰かけ、オレンジの照明の中で「3月のオレンジ」をしっとり歌い上げていく。こういう聴かせる楽曲も彼らは得意なのだ。甘めの声を持つるぅとや莉犬、ソフトな声を持つななもり。、そしてイケボ系のころん、さとみ、ジェル……。語りかけてくるようなバラード曲もたまらない。そして、オーケストラの音が流れ出し、るぅとが指揮をする印象的なシーンを呼び水として、オーケストラサウンドとバンドサウンドが融合したアレンジがされた「Spreading palettes」が流れる。そこから、「生まれたその時から」まで、優しい歌声を届けたあと、再びアクティブなブロックに突入。
「AIMAI」ではダンサーが登場して、ステージに躍動感を添える。「159%」ではメンバーが黒いクールな衣装に着替えて降臨。MVのアニメーションを思わせるクールなキャラに変身し、アガる飲み会ソングで再びリスナー達をアツくしていく。ダンサブルな「宿命」、そして背中を押してくれるポップチューン「Feel Free!」など、幅広い音楽性で中盤を盛り立てた。
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後半を前に、メンバーはまたしても衣装チェンジを行い、再び白い王子コスチュームに。「手をつないで歩こう」ではアカペラ始まりの歌い出しでリスナーを引きつける。これはNHKの「みんなのうた」でオンエアされ、子ども達にも広く知れ渡った名曲だ。このあとも、「虹のはじまり」「お姫様になっていいよ」など、すとぷりならではの人気曲を連発。「Prince x プロポーズ マッシュアップメドレー」は、壮大なオーケストラサウンドでプロポーズとプリンス二曲を融合させるマッシュアップというスタイルで聴かせる優雅で美しく、うっとりするような世界観でリスナー達をキュンとさせていく。まさに心のビタミン剤をもらっているように、会場は笑顔であふれていった。
大詰めの最終ブロックを前にななもり。が口を開き、すとぷりの曲の多くを手掛けてきたるぅとに話を振る。るぅとは長く曲を届けることができたことに「めちゃくちゃ嬉しいことです! ありがとうございます!」と、リスナーへ感謝の言葉を投げかけた。ななもり。は後半戦を前に写真撮影を提案。満員のリスナーと共にポーズを変えて何度も記念撮影を行った。途中、すとぷりの番組のMCでおなじみの熱血ボスうさが乱入するひとコマもあり、リラックスした空気に。
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この後は怒涛の後半戦になるわけだが、その前にななもり。が「重大な告知を用意しています!」と、場内をザワつかせる。映像のカウントダウンが始まり、発表されたその内容とは――。まずは、莉犬、るぅと、ころん、さとみ、それぞれのソロワンマンライブの開催! 場内は大歓声に包まれた……が、告知はこれだけではない。続いてジェルが原作を手がけてきたショート動画『遠井さん』が、なんとアニメで映画化されるというニュース! ジェルいわく、「爆笑でポップコーンをこぼすような映画!」だそう(楽しみ!)。さらにどよめくリスナーたちに追い打ちをかけたのは、すでに年末に発表された『STPR Family Festival!!』(4月2日・3日@東京ドーム)の追加公演の発表だった。追加公演はベルーナドームでの3DAYS(4月4・5・6日)! 結果、ドーム公演が計5日間という空前の規模での開催となる。盛りだくさん過ぎて、めまいがしそうだが……いずれにしてもこの先、すとぷりがエンタメシーンのど真ん中をかきまわしていくのは間違いなさそうだ。
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ソロライブを受け、莉犬は「武道館でやりたい!」、埼玉出身のころんは「たまアリでやりたい! お願いしますっ!」と懇願、さとみは「横浜アリーナで!」と、意気込んだ。そして今年は9周年を迎える彼ら、ななもり。は「これからもすとぷりをよろしくお願いします!」と呼びかければ、るぅとが「10周年につなげたいよね」と、そう遠くない未来に期待を込めた。こうしてライブはラストブロックへ。
鉄板曲「おかえりらぶっ!」のイントロでは歓声が起こり、「青春チョコレート」「Dreaming Parade」、そして「Strawberry Prince Forever」のオーケストラバージョンまで、リスナーとの一体感を最高潮に高めていった。ここで本編は終了。もちろん、アンコールの声援が起こり、メンバーが再登場。またしてもトロッコに分乗し、アリーナの通路を一周していく。「パレードはここさ」「苺色夏花火」「よさこいディスコ Party」「GO GO CRAZY」など、惜しみなくお祭りチューンをつなげながら、彼らは会場のリスナー達に手を振り続けた。トロッコは6人をセンターステージへと運び、ここで「僕らだけのシャングリラ」「Here We Go !!」を熱唱。「雨天決行」で6人はメインステージへと戻っていった。最後の曲を前にメンバーは「大好き!」「愛してる~!」と、リスナーに気持ちを伝え、「Strawberry Prince Forever」へ。ステージ上のメンバーがお互いを見つめながら心の底から楽しそうに歌っている姿には、本当に癒された。最後、銀テープがフィナーレを飾り、アンコールが締めくくられた。ここで、メンバーはあらゆるエリアの客席に何度も一礼をしていく。客席からも「ありがとう~!」という声が飛び交った。
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メンバーが楽屋に消えていくと、エンドロールが流れるのだが、このエンドロールがなんと撮影OKに。撮影しながら余韻にひたるリスナー達だったが、再びアンコールの声が上がり始める。すると……「みんな~、スマホをしまわないと出られないよ~!」とメンバーの声。こ、これはもしや……というわけで、予定外のダブルアンコールに応えて、メンバーがまたステージに戻ってきた。「最後、一緒に盛り上がってくれますか!」とるぅとが叫び、サプライズで「マブシガリヤ」が披露された。気づけば3時間超のライブも、すとぷりマジックであっという間。全行程が終わっても、メンバーは何度も何度も感謝の言葉を口にしながら、名残り惜しそうな表情を滲ませていた。
さて、彼らはこの春また『STPR Family Festival!!』で楽しませてくれるはずだが、ソロ公演でも各メンバーが大きく成長していくのも楽しみである。
ちなみに、ライブの興奮も冷めやらぬ1月15日(いちごの日)にはファッション誌『anan』の表紙を飾り、またまた世間を騒がせた彼ら。次々に新たな一手を見せるすとぷりの新たな挑戦から、当分目が離せそうにない。
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文=海江敦士
撮影=林晋助、原田圭介、小瀬広明
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