『802 Jungle Attack』 写真提供:FM802(撮影:ハヤシマコ)
『802 Jungle Attack Vol.4』2025.2.10(MON)大阪・GORILLA HALL OSAKA
SCANDAL、Conton Candy、ブランデー戦記が出演したライブイベント『802 Jungle Attack Vol.4』が、2月10日に大阪・GORILLA HALL OSAKAで行われた。
『802 Jungle Attack』は、大阪のラジオ局FM802と大阪・住之江区のライブハウス「ゴリホ」ことGORILLA HALL OSAKA、プレイガイドのイープラスが、新たなライブハウスカルチャーを推進すべく昨年4月に放送を開始した『MUSIC Play-STANDARD』(月〜金曜23:48〜24:00 O.A.)主催のライブイベント。第1回はThis is LAST、ビッケブランカ、Mr.ふぉるてが、第2回はフレデリック、Lucky Kilimanjaroらが、第3回がXIIX(テントゥエンティ)、レトロリロン、Laura day romanceがイベントを大いに盛り上げた。前回から約1週間と短いインターバルとなった第4回は、FM802DJ樋口大喜の「トップバッターから最終兵器が登場します!」という意味深な予告から幕を開けた。
SCANDAL
真っ赤な衣装に身を包んだ4人が現れた瞬間、樋口の発言の意図を思い知る。誰もが予想し得なかったまさかのトッパーは、いきなりのSCANDAL! 冒頭の「瞬間センチメンタル」から、一切の助走なしで会場の熱気をピークに引き上げた歴戦のライブアクトは、キャリアを重ね磨きがかかるアンサンブルと、ポップアイコンとしての存在感で瞬く間に魅了。「せっかく月曜日の夜にここに来たんだから、もっともっと叫んで、声を出して踊っていきませんか?」とHARUNA(Vo.Gt)がいざなえば、「テイクミーアウト」のダンサブルな躍動感で身も心もフックアップ。たった2曲で大歓声が沸き立つ祝祭空間を作り出す!
ギターを置き「大阪、まだまだ騒いでいこう!」(HARUNA、以下同)とハンドマイクでアジテートする姿は文句なしのカッコ良さで、「最終兵器、君」でもオーディエンスの高揚感をとことん引き出すSCANDALのあまりにパーフェクトな仕上がりに、後に出番を控える2組が心配になったのは私だけだろうか?(笑)。
「私たちは今日が2025年初ライブなんです。やっと皆さんの前に立てました。今年は大阪から始めたいと思います! めちゃくちゃ楽しみにしてきたんですよ。自分たちで対バンを企画することが少ないので、こういう機会に一緒にやらせてもらえるのがうれしいし、せっかくならSCANDALを知ってもらって、好きになってもらって、楽しい時間を過ごせたらなと思うので。短い時間ですけど、この後もSCANDAL全開でいきますのでよろしくお願いします!」
後半戦は切なきミドルナンバー「Plum」を皮切りに、鮮烈なギターリフから駆け出す「会わないつもりの、元気でね」~「LOVE SURVIVE」のすさまじい爆発力を追い風に、「早い、もう最後。この後も、もっと楽しみたいじゃん? みんないける~!?」と、原点にして最強アンセム「SCANDAL BABY」を投下! 歌良し曲良し、おまけに華と風格あり。すなわち無敵のSCANDAL、もう最高!
ブランデー戦記
Pixiesの「Where is My Mind?」のSEを切り裂くフィードバックノイズが鳴り響く中、みのり(Ba.Cho)のひずんだベースラインが導いた「ストックホルムの箱」から、堂々たる轟音を響かせたのは大阪発のスリーピースバンド、ブランデー戦記だ。続く「Coming-of-age Story」でも、SCANDALのさすがのステージ後でありながらまるで物おじすることなく、令和のオルタナサウンドで見る者を圧倒!
愛機のジャズマスターをかき鳴らす蓮月(Gt.Vo)のけだるいボーカルもクールで、ボリ(Dr)の重さと速さと正確さを兼ね備えたドラミングが終始ボトムを支えつつ、その後もダークでゴシックな「27:00」の疾走感に聴きほれたかと思えば一転、浮遊感漂う「悪夢のような」のはかなきポップセンスとダンスビートに踊らされるなど、若き新星のレンジの広さと底なしのポテンシャルに期待は高まるばかりだ。
「改めましてブランデー戦記です、みんな来てくれてありがとう。先日FM802の樋口さんの番組で初解禁してもらった新曲をやります」(蓮月、以下同)
あどけなさが残るMCとは裏腹の「ラストライブ」のド迫力にぶちのめされた後は、エッジィなギターとヘヴィなグルーヴに胸をつかまれる「Musica」~マッシブなロックチューン「Kids」で一気に畳み掛ける怒濤の展開! 「今日はありがとうございました、最後の一曲」と届けた「Fix」の音像とメッセージの持つスケール感といい、本格始動からわずか2年とは思えないパフォーマンスで魅せたブランデー戦記。鳴りやまぬ喝采で見送られた、大阪発の注目のニューカマーの未来には希望しかない。
Conton Candy
この日を締めくくるConton Candyは、「トリとかそういうの関係なしで、ただただ楽しい気持ちでやっていくので、みんなもそれについてきてくれたら!」と紬衣(つむぎ)(Vo.Gt)が呼び掛け、楓華(ふうか)(Ba.Cho)と共に言葉数多めにまくし立てる「リップシンク」からスタート! 甘い歌声に身を任せ心地良く揺れるフロアは、代表曲「ファジーネーブル」の一聴して耳に残るメロディにも即座に反応し、数え切れないほどの手が上がる。
「GORILLA HALL OSAKAには初めて出るんですけど、懐かしい曲を持ってきました」(紬衣、以下同)と放った「エンジェルスモーク」では、楓華のうねるベースと、ドラムのみならずコーラスでも貢献する彩楓(さやか)(Dr.Cho)のタイトなコンビネーションに魅了される。メランコリックに突っ走る「急行券とリズム」しかり、緩急自在にさまざまな側面を見せていくセットリストでみずみずしい魅力を存分にアピール!
「SCANDAL先輩と同世代のブランデー戦記ということで、めっちゃ化学反応が起こっている気がします。2025年初大阪、目の前にいてくれてありがとうございます! やっぱりライブハウスはいいですね。いろんな壁だったりモヤモヤした感情を取っ払える場所だと思います。大喜さんがConton Candyを「フロムライブハウス」と言ってくださったように、そこでちゃんと戦ってきて強くなったところを、大阪で見せつけて帰ろうと思います!」
クライマックスは、人気アニメ『SAKAMOTO DAYS』のエンディングテーマとして書き下ろし話題の「普通」~シンガロングが巻き起こった「ロングスカートは靡いて」と続け、それでも「私が知っているライブハウスはこんなもんじゃない。このバンドで、この一日で、最高を超えたい!」と咆哮。GORILLA HALL OSAKAにアドレナリンを容赦なく注入し、「好きなものは手のひらの中」で熱狂のフィナーレへ! 興奮冷めやらぬアンコールでも、「呼んでくださったということは、もうちょっと遊びたい感じですか!?」と「102号室」~「爪」を披露するなど、バンドの現在の勢いそのままに、Conton Candyがトップスピードで走り抜けた。
GORILLA HALL OSAKAのエントランスに設置された巨大な「ゴリラパネル」には、終演後に「SCANDAL、コントン、ブランデー……こんなすごい組合せ……シアワセ……ありがとう!!」、「全組バキバキにイカしてました! 最高!!」と、ライブの感想や出演アーティストへのメッセージが多数書き込まれ、時に『MUSIC Play-STANDARD』でその内容がピックアップされることも!? なお、2月17日(月)~21日(金)の同番組では演奏後の3組に実施した楽屋インタビューの模様をオンエア。また、次回の『802 Jungle Attack Vol.5』は打首獄門同好会、怒髪天らを4月9日(水)GORILLA HALL OSAKAに迎えて開催される。
取材・文=奥“ボウイ”昌史 写真提供:FM802(撮影:ハヤシマコ)
広告・取材掲載