アザミ
作詞作曲、サウンドプロデュースの全てを⾃ら⼿掛けており、⾃由⾃在に⾃⼰を表現するシンガー・アザミ。2025年2月12日に5thアルバム『獅子型アラベスク超午前、青』をリリース、3月には久々となるワンマンライブ『Creep into POPs TOUR』を大阪・東京で開催予定だ。改めてアザミというアーティストを形づくって来た道のりに触れつつ、リリースされたばかりの最新作へ込められた想いを語ってもらった。求道者とでも表現すべきか、どこまでもストイック、真っ直ぐで歪なアザミの世界へようこそ。
ーーアルバムリリースおめでとうございます。アルバムの話を聞く前に、これまでの活動について少し掘り下げていきたいんですけど、バーチャルからリアルでの活動に変わっていくきっかけはなんだったのでしょう
リアルでの活動以前に、そもそも活動自体アルバム3枚くらいが限界だろうと思っていました。でも、思ったよりいろんな人に聴いていただく機会が増えたり、お手伝いしてくれる方も増えたりして、まだやれるかもと思うようになりました。
ーーもしかしたら「起承転新」は生まれていなかったかもしれないんですね
そうですね。ちょうどコロナ過が終わりかけていて、リアルライブができそうっていうタイミングでもあったんですね。いろんな機会に恵まれて、まだ音楽ができそうと思えた時期なので、4枚目の「起承転新」を作ることができました。
ーーでは生身での活動もそのタイミングですか?
自分の中で一区切りついたタイミングでもあったので、フィジカルでもうちょっと続けてみようかなと思いました。そもそも活動を始めた5年前くらいは、今と比べて生身での活動ってタブーなイメージがあったんですね。でも今後続けていくうえで、生身を出さない活動は、自分のやりたい音楽、これからやっていきたい音楽と少し乖離があるなと思っていました。実際は、生身の活動を始めても意外とみなさん受け入れてもらえたんで本当によかったなと思っています。
ーーそれでも最初は不安はありましたか?受け入れてもらえなかったらどうしようてきな
もちろんありましたね。なので、かなり慎重に結論を出しました。一応『プラトニック・オーバードーズ』の「バクテリア」という楽曲で、完全に顔が見えない感じではあったんですけど、初めて実写で撮影をしたんですね。その時点で違和感なくいい感じに受け入れてもらっていたので、それをいいことにどんどん調子に乗って、あまり考えずに生身のアーティストとしての活動にチェンジしていきました(笑)。
ーー生身へのシフトチェンジに伴って、自身の音楽性に変化はあったんですか?
バーチャルの音楽文化ってクラブミュージックが多いイメージがあったんですけど、私の場合は1枚目からバンドサウンドの曲をやってきたんですね。なので、昔から私を応援してくれている人は私のやる音楽が好きな人が多いというイメージがあるので、これまで作る曲を変えていこうとやってきていないですし、これからもやらないと思います。
ーーそれでも楽曲自体は、バンドサウンドもあれば打ち込みの曲もあると思うのですが、どのようなバランスで作っているんですか?
元々はバンドをやっていたので、自然とバンドサウンドをやってはいるんですけど、コロナが始まって、家で1人で作るようになってから打ち込みの音楽を始めました。基本的にはいろんなジャンルの音楽が入り乱れている作品にしたい気持ちがあるので、今回リリースした『獅子型アラベスク超午前、青』がまさしくそのコンセプトになっているんですけど、バランスというよりかは、とにかくいろんな曲を書きたいという気持ちが強いです。
ーーいろんな音楽をやるうえで、どんな曲をやるのかという基準や流れはどういう感じなんですか?
基本的には、まずどういうジャンルの曲を作るのか考えてから決めていますね。例えば、ファンクっぽい曲を書いてみようかなと思ったら、先にそのジャンルの曲のオケの部分を作ってからメロディーに移行するので、最初から決めちゃってますね。
ーーその流れはずっと前から?
そうですね。よりそうなっていったというのが正しいかもしれません。『バーチャル・マッチング』が1番それが強くて、先に女の子のイラストや特徴をもらってから書き出しているんですよ。この女の子だったらこういう曲が合うかなとか、サブカルっぽいロックにしようとか、先にジャンルやイメージから曲を書き出しています。
ーー”アザミ”として活動を始めた当初は、バーチャルの界隈からというイメージが強いんですが、この界隈でしか得られなかったものや印象深いことってありましたか?
確かに界隈にはいたんですけど、結構VTuberのセオリーからは逸脱してたと思うんですよね……(笑)。でも、こんなにいろんな人が自分の曲を聴いてくれているという経験は初めてでした。曲作りに関しても、1人でCDを制作する経験ってなかなかなかったので、地力をつけさせられた感覚はありますね。当時はミックスも自分で全部やっていたので。今はお手伝いしてくれる人がたくさんいるんですけど、できるだけ自分1人で決めたい気持ちが強いんですよ。その根底を作ったのはこの界隈で身についたのかなと。
アザミ
ーーアルバム『獅子型アラベスク超午前、青』について聞いていこうと思うのですが、完成した時の率直な感想はなんでしたか?
「間に合うんだ」でした(笑)。
ーー(笑)。危ないスケジュールだったんですか?
かなり危ないスケジュールでしたね。
ーーいつもはもう少し猶予がある感じなんですね
いや、いつも危ないですね。毎回三徹はしていると思います。だから毎回完成した後は、間に合ってよかったなというのが最初に思い浮かびますね。でも、徹夜している時って結構いい感じになれるというか、アイデアも出やすい感覚があるので、あんまり寝ないで作った方がいいのかもしれないなと思ってたりするんですよ。あとは、去年は特にライブをやりながらというのもあったので、スケジュール的に厳しいものになったんですよね。
ーー『獅子型アラベスク超午前、青』はアザミさん的にどのようなアルバムになっていますか?
去年出したシングルとアルバム曲が3,4曲入っている構成なんですけど、アルバムのコンセプトを考えるときに、シングルとアルバムコンセプトのかみ合わせが難しいんですよね。シングルって、その時々のタイミングでリリースするじゃないですか。後々アルバムを出すとなった時に、シングルがコンセプトと合わないんじゃないかとなることがあるんですよ。例えば、暗い曲を出し続けてると明るい曲も出そうとなって、その結果アルバムを作るときにその明るい曲が浮いちゃうみたいな。
ーーなるほど
今回のアルバムのテーマはキメラなんですけど、そもそもいろんな楽曲を書いてきたのでキメラ的なところはあったんですよね。「アザミと言えばこれだよね」みたいなのがあんまりないと言われることが多いんですけど、それこそ楽曲提供でアイドルの方や男性アーティストの楽曲など、幅広くやらせてもらっているんですね。心情的にはいろんな曲をとにかく書きたいんですよね。使っていない筋肉を使いたい気持ちが強くて、じゃあそれをテーマにしちゃおうというのが今回のアルバムです。あんまり書いたことないジャンルを書いてみようという感じですね。
ーー『獅子型アラベスク超午前、青』のタイトル自体がキメラなんですね。個人的に「超午前」というワードが気になってます
「超午前」は完全に造語ですね。私って夜型なんですけど、そんな日常サイクルの中で休みの日に偶然起きてしまった8時とか9時の午前中の時間が結構好きなんですよ。それを午前中の中の午前中という意味で「超午前」と勝手に呼んでます(笑)。
ーー一般的には仕事が始まる時間帯ですよね
そうそう、仕事が始まる朝です。でも私はその仕事が始まる朝に寝ることが多いので、必然的に8時に自然と起きてしまうということは、ちょっと早めに寝ていることでもあり、本当にいいことしかないなということで超がつくよなって感じですかね。
アザミ
ーーアルバム楽曲について聞いていこうと思うんですけど、まずは「Core」はどのような曲でしょう
「Core」は、プロローグ的な曲なんですけど、そもそもインストを作る機会が今まで全然なかったんですね。楽曲提供も基本的に歌ものですし、BGMの仕事はあんまり来たことがなかったので、以前からやりたい気持ちがあったので制作しました。
ーーイントロ自体にテーマはあるんですか?
テーマというよりは、クロード・ドビュッシーの「アラベスク」という曲があるんですけど、それをサンプリングしてますね。もともと好きな曲なので、気づいてくれる人がいたら嬉しいです。
ーーそれでは「カリスマティック・スーパードゥーパー・ロックスター」はどのような楽曲でしょう
カリスマは、歌詞を読んでもらえればわかると思うんですけど、だいぶ皮肉な曲ですね。特定の誰かのことを、というわけではないんですけど、自分のイメージで広義的に表現しているというか。自分は、あんまり感覚派の人間ではなくて、かなりロジックに沿ってやっているタイプなんですよ。この曲でいうカリスマロックスターのイメージは感覚派の人で。だから自分ではなれないし、ならなくてもいいんだけど、でもそんな感覚的に音楽できたらやっぱりかっこいいよな……という狭間の曲ではあると思います。違う世界の人に向けた、皮肉も羨ましさも込めつつみたいな楽曲ですね。
ーー続いて「ハイスイチャレンジャー」はどうでしょう
これは完全な実話ではないんですけど、私小説に近い曲になっています。自分は昔から背水の陣で音楽をやってるという自覚があって。これは先ほどのアルバム3枚でやめるという話に繋がるんですけど、その辺の時期って大学生というのもあって、お金もないし、楽しそうに音楽やってる人を当時はあまりよく思っていなくて。最初のころはCDを1人で作らなきゃいけなくて、いつまでたっても寝られないし、でもストレス発散に酒を飲んだら具合悪くなるし、みたいな悪循環が続いていて。そんな時に「音楽って楽しむものだから!」みたいなことを言われて、ああじゃあ私はその人よりも音楽が好きじゃないんだなと思って。それこそプライベートでは音楽をほとんど聴かないんですよね。学生のときはある程度は聴いていましたけど、今では電車に乗ってるときも聴かないし、聴くとしてもお仕事で必要に迫られて聴くみたいな感じで。あと、背水は自身の社会性に対しても表現していて、私は今まで社会人でいたことがないんですね。大学を出てそのまま今の活動をしているから、何も知らないんですよ。部長と課長のどっちが偉いかもよくわかってないですし、積み立てNISAも何回調べても頭に入ってこないし……(笑)。周りの同級生が結婚して子供産んで、その子供の口座を作るみたいな話をされて、私は何にも知らないんだという恐ろしさというか。別に今の人生を充実してるなと思えるし、気に入ってるんですけど、見方を変えれば充実してないとも言えるな、みたいな。なんとなくどうしたいというものはないけど、それでも自分がいいと思えるには、とにかく曲を書いて納得していかないといけないという曲になってます。
ーー社会性を得ると、今のような曲も歌詞も書けなくなるんじゃないかとリスナー目線的にはちょっと不安になっちゃいます
確かにそうですよね。私も社会性を得てしまったらそれこそよりカリスマなロックスターになれないんじゃないかと思います。そもそもロックスターは確定申告の話なんてしないですもん。
ーーぼっちぼろまるさんとの楽曲「サブカルチャー・ドール」について教えてください
ぼろまるさんは、バンドをやられている方なので、私と同じような畑でやってきてるんですね。そこからライブハウスあるあるやバンドマンあるあるを入れつつ、サビでは活動期間中の悩みなんかを織り交ぜてますね。ぼろまるさんも私と同じでフィジカルでライブをやるようになった経緯があるので、そういう経験を経たからこその要素も入れたりしてます。
ーーぼろまるさんとでしか書けないような曲になってるんですね
そうですね。むしろぼろまるさん以外とは書けないんじゃないかな。楽曲だけじゃなくて自分のツーマンライブにお呼びしたり、逆にぼろまるさんのライブに呼んでもらったりして、お互いバンドをやっているからこその内容がたくさん入ってますね。
アザミ
ーー「吹かせ!先輩風」はどうですか?
これもまた皮肉の曲になってるんですけど……(笑)。私は後輩があんまりいなくて、むしろ年下が苦手なんですよ。学生時代もほぼ知り合いはいなかったですし、先輩とばっかり仲良くしてたんですね。それはなんでかというと、先輩風吹かせてんなって思われたくないというのがあったんですね。例えば、後輩とご飯に行ったら、奢らないといけないじゃないですか。自分も奢ってもらってきたので、それは当然のことだと思うんですけど、周りの人には、「あいつ後輩つれてきてる」みたいな、金払う代わりに話し聞かせてるって思われたら嫌だなって。自分が絡んできた先輩たちは人格者の方が多かったので、全然そんな風に思ったことはないんですけど、自分がいい先輩になれるビジョンもあんまりなくて、情も厚くないですし、面倒見もよくないんですね。だから絶対上手くやれないだろうなというのがあって、明確になりたくない先輩像を戒めのためにも、自分が今一度思い出すためにも、こういう先輩って嫌だよなっていう要素を詰め込んでますね。
ーー先輩風に対するアザミさんなりの解釈が詰め込まれてるんですね
そうですね。この曲に出てくる先輩は風を吹かせてるんですけど、現実では風を吹かせてない先輩もちゃんといるんですよ。そういう先輩は素敵だと思うんですけど、風が吹いてる先輩は浮いてるなと思うので、自分もこれから年を重ねていくにあたって、どうしても先輩という立場にならなくちゃいけなくなった時に、自分だったらこう思われたら嫌だなと思うことを書きましたね。
ーー続いてアルバム曲「ブルシット・ファンク」はどのような曲になっていますか?個人的にはアザミさんの新境地的なものを感じる楽曲だなと感じました
「ブルシット・ファンク」は、ファンクを書いたことがなかったので、作り始めは、結構広義的なファンクにしようかなと思ってたんですけど、どんどん渋い感じになってきたなということで、サビをちょっとポップにしてみようということになりました。
ーーポップスに昇華させたんですね
そうですね。そのままファンクに行く選択肢もあったんですけど、最終的にはサビ部分はポップに仕上がりましたね。聴きやすい場所を1個作るみたいな。今までの曲でもそういうのがあって、変拍子の曲だと、サビだけ四拍子に戻してみたり、音楽の構成に詳しくない人でも聴いてるだけで楽しめるような、面白い場所を作るみたいなことにはこだわっているかもしれません。
ーー今回のアルバムだとファンクをやろうみたいな気持ちがあって動いたと思うんですけど、毎回アルバム作るときにそういうやりたいジャンルを決めたりしてるんですか?
結構ありますね。三拍子を書いてる時もありましたし、もちろん決まっていつもやるジャンルの曲もあるんですけど、それこそ『プラトニック・オーバードーズ』なんかは、このジャンルの曲を書こうと思ってやったことが多かったですね。BPMから考えたり、スローな曲がないからスローな曲を入れようとか。
アザミ
ーー先ほどほとんど音楽を聴かないと言ってましたけど、どうやっていろんなジャンルの音楽をインプットしているんですか?
音楽をやっている期間自体は長いので、貯蓄があるんだと思います。音楽理論の勉強は結構している方だと思うので、そういう要素はあるのかなと。あとは、作ろうって決めてからインプットすることも多いですね。ファンクを作ろうとなったら、自分が知ってるファンクを思い出しつつ、改めてファンクのプレイリストをひたすら聴く時期があったりします。
ーー続いて「覆水返し」ですね。先ほどの話で行くと、このアルバムのスロー枠というかバラード枠というか
自分はあまりスローテンポな曲を書くのが得意ではなくて、聴くのも得意じゃないんですよ。だから必然的にあまり作らないジャンルなんですけど、今回は満を持して書き上げた曲ですね。自分が聴いていられる、かつみんなも聴いていられるような曲になったらいいなという想いがあります。
ーー「聴いていられる」とは具体的にどういった要素になるのでしょう?
密度が高ければ聴いていられるかなと思っていて、かなり詰め込んだ曲になっていますね。自分がその時に持っている要素を全部詰め込んだと思います。それでも、バラードってごまかしが効かないと思うんですよね。速い曲っていろんな要素を入れても自然に溶け込んでくれるというか、より派手な曲になってくれるんですけど、バラードはとにかく言葉の良さ、メロディの良さが曲の生命線に直結するというか……。そういうのってなかなか理論だけでは導き出せないものだと思うので、本当に難しいですね。とにかく不安になるんですよ、なんか部屋着でおしゃれなお店に行くみたいな。でもその部屋着がいいやつだったり、すごく綺麗な人だったら別に変じゃないみたいな。でもやっぱり不安だからお洒落していくみたいな。コアな部分が良くないと結局どの曲でもダメだよなっていう。もちろんジャンル問わず気を付けていることではあるんですけど、バラードは特にそれがむき出しになる感じがあるんですよね。
ーーアルバム曲2曲目の「アパテイア」についてはどうでしょう?これまでわかりやすいメッセージ性のある曲が並んだ中で、少し異質というか文学的な言葉が並んだ曲になっていますね
「アパテイア」は、物語を最初に作って、それをテーマにして書いた曲になっています。ファンクラブでは歌詞を1行ずつ解説する動画を撮って公開してるんですけど、一応ギリシャ神話が絡んでますね。アルバムのジャケットやコンセプトになっている「キメラ」もギリシャ神話から来ているんですけど、サウンド自体もかなり気に入ってる曲ですね。やりたいことを全部やれたと思います。
ーー確かにアザミさんらしいサウンドに仕上がっているなと感じました
インプットの話になるんですけど、「アパテイア」に関しては、そもそもこういうジャンルはずっと前から好みのサウンドなので、すでにインプットの貯蓄があるんですよね。毎回アルバムごとにこういう曲を1曲はやるんですけど、いまだに枯れることはないですね。変拍子の良さみたいなものを残しつつ、まだまだ書けそうだなと思ってます。ミックスも結構こだわっていて、最近で言うと、ボーカルを前に出すミックスが流行ってるんですけど、ギターの音をギャンギャンに目立たせるようにしてますね。
アザミ
ーー最後に「ヘルシーに殴って」について教えてください
この曲は前回のツーマンライブに向けて作った曲ですね。去年はライブが多かったので、お客さんと目と目を合わせるような曲になるように意識しました。自分はもともとライブが得意じゃなくて、そもそも写真を撮られるとか動画を撮られるとか表に立つことも得意じゃないんですよね。でも、自分の届けたいものを1番近くで届けたいし、自分のスタンスをちゃんと固めていきたいなというのがあって。活動をするにあたって、皆さんに対して誠実でありたいし、あまり邪な気持ちでいたくないなって。表に立つ人間は多少そういう苦しい思いをしないといけないって思ってるんです。何らかの矜持を持たねばならないと思ってるんですね。ライブ会場で見るお客さんが埋め尽くされている景色って普通の人はなかなか見られるものじゃないじゃないですか。その幸せを得る代わりに普通の幸せを生贄にしなくちゃいけないと思っているんですよ。とにかく病的でもいいから誠実でありたいというのが自分の中にあるので、その意思表明みたいな曲ですね。
ーータイトルからは全く想像できない重圧感ですね
ヘルシーっていうのは、健康的なという意味もあるので、欲がない感じというか、綺麗でいたいという思いがあります。
ーーそれは我慢するべきことなのか、自然とできてしまうものなのか、どちらが正しいんですかね
意識的にそうなろうと思っているというよりかは、そうあるべきだと思っているのが正しいですね。
ーーありがとうございます。最後に3月に行われるワンマンライブ『Creep into POPs TOUR』について、お話し聞かせてください
ワンマンライブ自体、かなり久しぶりですね。去年もライブ自体はたくさんやらせてもらったんですけど、サーキットやツーマンにたくさん出演して、いろんな方とご一緒させてもらう機会が多かったです。その中でもずっとバンドメンバーを固定でやってきたので、バンドとしての力は上がったと思いつつ、自分の活動のスタンスもより強固になったと思います。特に「ヘルシーに殴って」を通じて、ライブの向き合い方やお客さんとの向き合い方、活動に対する向き合い方が変わってきた……いや変わってはないですね。ずっと一緒なんですけど、より言語化できるようになってきたと思うので、本当に妥協なくビシビシやっていこうと思ってます。今までよりも研ぎ澄まされたようなライブをやりたいですね。
取材・文=森山ド・ロ 撮影=ヨシハラミズホ
吹かせ!先輩風 / アザミ
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