IL DIVOに始まり、日本でもLE VELVETSやTHE LEGENDなど多くのフォロワーを生んできたクラシカル・クロスオーヴァーの男性ヴォーカル・ユニット。そんな音楽シーンの潮流の中で、東京芸術大学を卒業した同門の声楽家たち4人が集まって結成されたREAL TRAUM(リアル・トラウム)は、Bunkamuraオーチャードホールでの公演を完売にした上、大好評のうちに終えたばかりであるが、なんとロームシアター京都でのガラ公演を発表した。
もちろん、ピアノには第5のメンバーとも言われる、藤川有樹もおり、オーチャード・ガラ同様に、ストリングスがフィーチュアされるということだ。オーチャード・ガラの大槻桃斗に代わり、大阪フィルハーモニー交響楽団アシスタントコンサートマスターをつとめる尾張拓登がファーストをつとめる。東京公演とはまた一味違った音楽が聴けるかもしれない。リーダーの高島健一郎に聞いた。
――どんな公演になりそうですか?
オーチャード・ガラでは、満席の会場を目の当たりにしてさすがに緊張もしましたが、皆さんから熱い応援をいただいていることに胸が熱くなりました。その気持ちに応えるためにも、自分たちでも精一杯のパフォーマンスはしたつもりですが、あれだけの規模の公演をするのは初めてのことでしたから、やはり自分たちなりにもっとああすればよかったなということもいくつかありました。そのあたりのことを反省もしながら、さらなる高みを目指して、KYOTO GALAにトライしてみたいと思っています。それに、関西ばかりでなく日本各地からオーチャード・ガラに行きたかったという声を多くお寄せいただいたので、西の方でも1公演させていただくことで、少しでも多くの方にREAL TRAUMを見ていただける機会を作りたかったのです。
――ミュージカル『タリータウン』の稽古も続いて、いよいよ本番も始まりますが。
初演に引き続きイカボッド役を演じられる事がとても楽しみです。音楽はもちろん演劇としても魅力的な作品なので是非多くの方にご覧いただきたいですね。年末にスタートしたドイツ44か所の『メリー・ウィドウ』ツアーから、帰国してすぐにオーチャード・ガラの準備と本番、そして『タリータウン』ですから、去年から休みなく歌い続けていてとても充実した日々を過ごせています。もちろん体調管理や様々な準備など大変な事も多々ありますが、それよりもスタイルの異なる刺激的なプロジェクトに参加出来る喜びを強く感じでいます。
――力強い言葉を聞けて、安心しました。改めてオーチャード・ガラはいかがでしたか?
グループ名に込めた「正夢」を実現できた夜でしたね。ステージの上でも言いましたが、今回は3人のメンバーが僕がドイツにいる間にリハーサルを重ねて音楽的な土台作りをしてくれていて、僕は日本に帰ってから最終リハーサルに合流すれば良い状態にまでしてくれていたので助かりました。本当に良いメンバーに恵まれたなと感じましたし、彼らに改めて感謝しています。これは全員が一致してあの夜に思ったことだと思うのですが、このグループをこのメンバーで組んで本当に良かったなと。絆が深まりましたし、さらにグループとしても音楽的にも進化できる気がしています。是非、そんな気持ちをしっかりとKYOTO GALAで皆さんにも見ていただきたいと思います。構成は少し調整するかもしれませんが、ウィーンの薫り漂う前半はそのままに、後半は僕ららしいクロスオーヴァ―な幅広い選曲でお届けするつもりです。もちろん、鳥尾くんがリードする「あの曲」もお届けします。
文=神山薫
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