礼賛、即完となった「ONEMAN TOUR 2025「NICE BUDDY」」のファイナル公演を実施&武道館単独公演も発表

ラランドのサーヤが作詞作曲とボーカルを担当し、川谷絵音(G)、木下哲(G)、休日課長(B)、GOTO(Dr)が名を連ねる5人組バンド、礼賛。2ndフルアルバム「SOME BUDDY」を引っ提げたツアー「ONEMAN TOUR 2025「NICE BUDDY」」のファイナル公演が東京Zepp Hanedaで行われた。
サーヤが「ツアーファイナルでございます!」と言って5人で円陣を組み、手を重ね合わせて「NICE BUDDY!」というコール。「SOME BUDDY」1曲目の「SLUMP」からライブをスタートさせた。サーヤの小節の効いた伸びのある歌とスキルフルなラップ、名うてのプレイヤーたちによるグルーヴィーなアンサンブルでどんどん場内を温めていく。サーヤの曲間&曲中のMCはとてもスムーズ且つエンターテインメント性抜群。「ウラメシヤ」では手でうらめしやポーズを作り、「皆さん、いいですよ! もっともっとうらめしそうに!」と呼びかけた。
GOTOのタイトなドラミングに合わせてハンドクラップが巻き起こった。サポートメンバーのえつこが奏でる煌びやかなキーボードが乗り、「1、2、3、4」というカウントアップから「Bless U」。「曖昧なBEACH」と軽快な楽曲を続けた。ビジョンにプールを舞台にした夏らしい「曖昧なBEACH」のMVが映る前で、オーディエンスは掲げた両手を楽し気に左右に揺らす。礼賛史上最速でMVが100万回再生を突破した「鏡に恋して」ではMVと同様ダンサーふたりが登場し、ミラーボールが回る中、ファンキーなグルーヴが高まった。サーヤが「私が業界に入って初めてテレビで歌った曲を礼賛でカバーしようと思います!」と言って、宇多田ヒカルの「Automatic」のカバーを披露。生バンドによるネオソウルチックなアレンジが心地いい。
サーヤが「全国各地いろんなところに行っていろんな体験をしてきました。(礼賛は)酒を飲むチームということもあり、いろんな暴れ方をしたのでみんなに報告しようかな」と伝え、全国各地の思い出を写真と共にオーディエンスにシェア。金沢公演の楽屋に設置されていたゲームマシンで遊んだり、福岡の太宰府天満宮を訪問したり、バーに行って変わった名前のカクテルを楽しんだり。毎ライブ打ち上げをして、毎二次会、毎三次会が繰り広げられたそうで、5人のプリクラも映し出され、5人の距離がさらに縮まったことが窺えた。
イントロでひときわ大きな歓声が上がった「TRUMAN」に続いては「オーバーキル」。盛り上がりまくるフロアに向かってサーヤは「まだいける!」とアジテート。川谷と木下がステージ前、客席ギリギリのところまで出てきてギターを弾き倒し、一層盛り上げた。サーヤが「ちょっと待って。すごい熱いんだけど。体温もだし、皆さんもめちゃくちゃ熱い。これ熱帯夜かもしれない」と言うと、休日課長が「こんな熱帯夜初めてだよ」と乗っかり、礼賛のライブで定番となっているRIP SLYMEの「熱帯夜」のカバーへ。川谷がマイクスタンドから颯爽とマイクを取ってハンドマイク姿でお立ち台に上がりラップを披露。休日課長、木下もラップで加わり、右肩上がりに盛り上がった。サーヤが「最高!さすが千秋楽ですね。課長、最高の夜だね?」と話しかけるも熱演のあまり息が上がっている休日課長は言葉を発せられず。サーヤが「ごめん、息整ってないのに話しかけて(笑)」と謝ると、休日課長はぜいぜいしながら「最高の熱帯夜だー!」と叫んだ。
ご機嫌なギターのカッティングが印象的な「take it easy」の後は再び宇多田ヒカルの「traveling」のカバー。ミラーボールが回る中、サーヤの美声が響いた。サーヤが「最後の曲に行く前にこの曲をみんなで歌ってみましょう」と言って、業界関係者のことを歌った「スケベなだけで金がない」。曲名のコール&レスポンスが巻き起こる中、休日課長が「金はちょっとあるんだけどスケベができてない!」とか「13年間スケベができてない!」とか「もうスケベを忘れそう!」と自らの現状を盛り込んだコール&レスポンスを展開。多くのオーディエンスが笑顔を浮かべた。
サーヤが「ファイナルらしい過去イチで熱いライブです。このツアーはいろんなことがあってこの日を迎えられるか不安でした。でもみんなから熱いコメントをもらって、礼賛とNICE BUDDYになってくれてるんだなって感じました。皆さんが日常に戻った時に頑張れるようにこれからも良い歌と良いお知らせをたくさん作っていこうと思います」と言ってメロウな「U」で本編を締め括った。
アンコールではサーヤが「古くからの友人が家から出てないみたいなんです。でも羽田からみんなで念を送れば彼は戻ってくると思うので」と伝えて、くるま(令和ロマン)をフィーチャーした「GOLDEN BUDDY」を披露。サーヤとビジョンに映ったくるまのラップの掛け合いにオーディエンスは熱狂した。
サーヤが「皆さんの盛り上がりを見て元気が出ました。あの公演以降、やれることをやろうと、客席を照らしてもらったり、警備員を増やしたり、できることをやってきました。ネットからはずっと離れていたんですが、事態をちゃんと把握するために久々にネットを見て、普段あまり喰らわないんですけど、久しぶりに喰らいました。そんな中でもすごく良い言葉が届いて。そんな言葉が埋もれずに届いたのは皆さんのおかげだと思います」と言ってタオルで涙を拭いた後、「すいません、ちょっと「タイタニック」を思い出しちゃって」と弁明して笑いを取った。
「皆さんが日常に戻った時にしっかり恩返しできるように頑張っていきたい。フレームアウトして皆さんの光が当たってない場所でも背中を押して、この舞台でまた一緒に遊べたら嬉しい」と再会を誓ったサーヤ。最後の曲はサーヤの美しいハイトーンの歌声が響き渡った「フレームアウト」だ。「皆さんとは今日でめちゃくちゃNICE BUDDYになりました。あとうございます!」とサーヤが言うと、ビジョンには礼賛のメンバーが車に乗ってどこかに移動している映像が映った。到着したのは日本武道館。11月6日、礼賛初の武道館公演が行われることが発表された。サーヤは「フロントマンが芸人ということで先輩とかにいじられることもありますが、武道館に立てば本気が伝わるかと」と伝え、既に気合十分。礼賛のさらなる本気が堪能できる初武道館ライブになることだろう。
文=小松香里
ライブ写真(撮影=Daiki Miura @shotby_dm)
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