パスピエ、結成15周年を祝う熱狂のライブ 東阪でファンクラブ限定イベント「重箱」開催へ

バンド結成15周年を迎え、昨年から今年にかけて連続して2枚のアルバムリリースを行うなど精力的な活動でアニバーサリーイヤーを彩っているパスピエ。
4月13日、15周年特別記念公演“十五年鑑”が東京・オーチャードホールにて行われた。
ワンマンライブとしては、昨年行った東名阪ツアー以来、約5カ月ぶりとなった本公演は15周年を祝すべく、全国からファンが応援に詰めかけ、会場は超満員。
弦カルテット、ホーンを入れた“十五年鑑”は、15周年の節目を飾る特別公演。この記念すべきライブで4人は、これまでのバンドの軌跡と“今”のパスピエをダイレクトに見せつけた。
オープニングは成田ハネダ(Key)のルーツである印象派音楽のテイストを感じさせる「前奏」。ライブの冒頭から「避雷針」(アルバム「あちゃらか」)、「裏の裏」(アルバム「娑婆ラバ」/2015年)など様々な時期の楽曲が放たれ、オーディエンスを惹きつけた。成田、三澤勝洸(G)、露﨑義邦(Ba)、サポートの佐藤謙介(Dr)とストリングス、ホーンによるアンサンブルはまさに絶品(弦楽器、管楽器のアレンジは成田が担当)。大胡田なつき(V)の表情豊かなボーカルも素晴らしい。
「“特別記念公演”と自ら言っているので、今日ここにいるすべての人たちにとって、特別な1日になればいいなと思っています」(大胡田)というMCの後もこれまでのキャリアで生み出された人気曲、代表曲が次々と披露された。三澤がダブルネック・ギターを演奏した「とおりゃんせ」、最新型のパスピエを反映した最新シングル「電影夢想少女」、成田がショルダーキーボードを弾き、心地よい高揚感を生み出した「脳内戦争」、ダイナミックなバンドサウンドと「声出せ~!」という大胡田の煽りによって観客のテンションをさらに引き上げた「S.S」。ライブバンドとしての迫力が卓越した表現力で発揮された。
2度目のMCで大胡田はこんなふうに語り掛けた。
「音楽を聴くのは本来、孤独な行為だと思うんですね。曲に没頭したり、自分の視点から聴いたり、いろんな景色を思い浮かべたり。だからこそ、こうやって一つのものに向かって同じ空間でライブを作っているのは、奇跡というか、特別なことなんだろうなと思っています。15年間のなかでパスピエに出会ってくれて、ありがとうございます」
ここからライブはクライマックスへ。和の要素を感じさせるアッパーチューン「MATATABISTEP」、メジャーデビュー時期からの人気曲「最終電車」、バンドの結成年をタイトルに冠した「2009」などを放ち、ライブ本編は終了した。
鳴り止まない手拍子に導かれて、パスピエのメンバーが再びステージに登場。成田の「“こんなバンドが組めたらすごいことができるんじゃないか”ってメンバーに声をかけて。15年経った今、パスピエはすごいバンドなんじゃないかと思ってます」という言葉に対し、客席から大きな拍手と歓声が送られた。
アンコールでは「それから」「トキノワ」を弦楽器、管楽器を交えたアレンジで演奏。さらにダブルアンコールではバンドメンバーだけで「正しいままではいられない」を響かせ、“十五年鑑”はエンディングを迎えた。
既に次の作品とライブに向けた準備を始めているというパスピエ。15周年のアニバーサリーを経て、このバンドの音楽はさらに広がり、豊かさを増していく。そのことを確信させてくれる、大充実の記念公演だった。
また当日は、8月から東阪にて行われるオフィシャルファンクラブ「“P.S.P.E限定イベント「重箱」」の開催が発表された。FC受付の詳細は公式サイトをチェックしよう。
結成から15年を経て、また新たなシーズンへと踏み出したパスピエ。
今後も精力的な活動が予定されることから、ここからバンドが新たに奏でるストーリーと活動に、是非注目をして
ほしい。
文:森朋之
写真・佐藤広理
広告・取材掲載