【ライブレポート到着】前田佳織里、強い想いをあふれさせた1st LIVE「Are You Ready?」多彩な表情をみせ躍動

4月27日、声優・アーティストの前田佳織里がワンマンライブ“前田佳織里 1st LIVE 2025「Are You Ready?」”を、LINE CUBE SHIBUYAにて開催。これまで彼女が発表してきた持ち歌全曲に加え思い入れの深いカバー曲も披露し、会場に集ったファンにアーティストとしてのさらなる飛躍の予感を、十二分に感じさせてくれた。
まずは「Awakening Overture」が流れるなかバンドメンバーが登場。観客のクラップが響き会場の一体感が高まる。そして前田がステージに登場し、ステージの中央に立ち、デビューEPのリード曲「光ったコインが示す方」からライブをスタート。笑顔で頭サビを歌い、「みんなー!今日は来てくれてありがとう!全力で、かますぞー!」と意気込みを示す。
序盤ではクラップを呼び込みつつ、サビでは高音まで力強く突き抜けるように歌い上げると、落ちサビ後半では突き出した手を握って拳にして1st LIVEやアーティスト活動への意気込みを表すかのような姿をみせてくれた。
こうしてライブの始まりに勢いをつけた前田は、続く「Stranger」も笑顔で観客を煽りながらスタート。間奏部分でも跳ねながら場内のコール・盛り上がりを呼び込んでいく一方で、Dメロなど想いをより明確に届けたい部分では歌唱に注力して心を捉える。そして「ポジティブガール」ではステップを踏みながら、引き続き明るく心引き込むパフォーマンスを披露。楽曲中盤では指ハートなどのファンサも交えて観客ともコミュニケーションを取ったかと思えば、自らの高まりも示すかのように、大サビでは腕振りと前方へのキックも盛り込んでみせた。
3曲歌ってのこの日初のMCでは楽しそうで嬉しそうな表情をのぞかせ、「いつも応援してくれているみんなに、感謝のステージを届けに来ました!」と意気込みを語り、「私が全力で楽しむので、皆さんも全力で楽しんでください!」と伝えたところで、続いてはスタイリッシュな表情を堪能できるブロックがスタート。
まずダンサーが2人登場しての「Fantasy」では一転凛とした表情で歌い始めると、1-Aメロ終わりにそのダンサーによってドレッシーな衣装から楽曲イメージに合致するスタイリッシュなものに早替え。以降も力強く、意志を感じる歌声を響かせながら、ダンサーとも揃えたダンスパフォーマンスでも魅了。サビでは「Bang!」のフレーズに合わせて指鉄砲で観客のハートを撃ち抜けば、大サビ前のセリフでもステージに立つ者の覚悟を提示し言葉でも心を撃ち抜いていく。そのまま続いた「My “I”」でも、イントロからダンスパフォーマンスも交えて、強さとスタイリッシュさを両立させての披露。中盤のラップではメリハリをはっきりとさせつつ、生歌唱ならではの想いを詰め込んでみせていった。そしてダンサーがステージを後にして、ミドルバラード「最後の花火が上がる頃に」へ。
ここでは雰囲気をガラリと変え、情感を込めつつ1フレーズずつ大事に歌唱。可憐さや切なさを歌声にも表情にもにじませつつ、客席のペンライトが作る“夜空”とともにこの曲の物語を描写してみせた。
その余韻残るなかのMCでは、近況についてトーク。アーティスト活動のなかで最近作詞に挑戦する機会が増えたことに触れ、初めて作詞に携わった多部大の「愛がとまんない!feat.前田佳織里」の話題に……と、ここでスペシャルゲストとして、その多部が登場!
楽曲コンセプトや制作の裏話が語られていき、前田も「みんなに何か返せないかな?って、みんなにファンレターを送るつもりで歌った」と曲に込めた想いを語ったところで、その「愛がとまんない!feat.前田佳織里」を2人で初披露!序盤は多部が歌う横で前田が観客を煽り、サビからはハモリで歌唱に参加。2コーラス目は前田が笑顔で、「ありがとう」の気持ちをいっぱいに乗せて歌唱していく。
さらに2サビの腕振りなどで場内の一体感がさらにUPすると、後奏では2人が向き合い笑顔を交わして楽曲を終え、サプライズコラボを締めくくった。
そして多部がステージを降りると、次の曲がカバーであることを予告。キャラソンの歌唱に試行錯誤していた頃に、歌の楽しさを感じさせてくれたその曲は、藍井エイルの「ラピスラズリ」。冒頭から、ここまでの持ち歌でみせたものとは違うタイプの強さを込めた歌声を響かせていく。サビの高音部分でも、この曲に欲しいパワー感をもった歌声で観客を沸かせる。直前に語ったように本家へのリスペクトを詰めこんで、最後まで歌い上げていった。
ここで前田は一旦降壇。バンドによるセッションを経て衣装チェンジした前田が再登場すると、そのままシームレスに「ショータイムは終わらない」がスタート。この曲ならではの強い姿をステージでみせると、1サビ明けには観客を煽って場内をさらに熱し、ライブを牽引。「まだまだショータイムはここから!」というライブ後半への意気込みも込められたかのようなステージで、鋭い眼光とともにこの曲を披露していった。
歌唱後、そんなパワー全開のステージを振り返って「いやー、たのしー!」と率直に想いを言葉にする前田は、ヘッドセットを装着して次の曲が「キュンアピ」であることを予告。サビ明け部分での“キュンアピダンス”のレクチャーが始まる。その「キュンアピ」では序盤からファンも一緒に踊るなか、ステージ上の前田はダンサーとの掛け合いも交えてのパフォーマンス。2-Aメロでは自撮りにダンサーと映ってわちゃわちゃしたり、2サビ明けにはサングラスをかけて、ダンサーの腕をギターに見立ててエアギターを披露したりと、ポップなうえに“遊び心”のある面白い魅せ方を展開していく。加えて大サビ前にはキュートなセリフで心を捉えたりと、要素盛りだくさんに届けてくれた。
そのままヘッドセットを生かして、ダンスパフォーマンスとともに披露した「ゆめガール」は、キュートなダンスパフォーマンスでさらにファンを巻き込み盛り上がりゆくナンバーに。2サビ明けにはステージ上にさらに“応援団”2人が登場し、お手本に続いて応援団のようなフリを、1階・2階・3階……さらには関係者まで順に実施。最後には会場全体で一緒にフリを行ない、場内の一体感がピークに達すると、ハンドマイクを手にして次曲「ヤババ!」の披露へ。サビではまたも腕振りで一体になるなど、クライマックスに向かって場内のボルテージはさらに上昇。2コーラス目にはバンドメンバーと視線を交わして掛け合いを楽しむなど、序盤のMCの言葉どおり「前田自身がステージを思いっきり楽しんで、それを通じてみんなを楽しませる」ステージに、特にこの曲はなっていたように思う。
こうして楽しみ尽くして楽曲を閉じると、「すごい、会場の、熱が」と嬉しさをにじませる前田。だが、楽しい時間はあっという間。次がラストナンバーと予告すると、その曲を「出会いとか別れとか、変化のある時期に力をくれる曲」と紹介して、「花香リ春薫ル」の歌唱へ。ピンクのライトに照らされながら歌い始める前田。彼女の腕に合わせて揺れる客席のピンクの“花吹雪”が彩るなか、まっすぐ前を見据えて歌う彼女の歌声は、徐々に力強さを増していく。それは前田からのエールであり、同時に自らの前進への決意の歌声でもあるのかもしれない――そんな2つの想いを私たちの胸にそっと届けて、深い一礼とともに前田はステージを降りたのだった。
しばし拍手が場内を包むと、アンコールを求める「かーおーりん!」の声が続けて響き、それを受けてステージに前田が戻って「常識外れヒューマン」からアンコールがスタート。振付も交えつつ気持ちよさそうにパフォーマンスを繰り広げれば、2サビ明けにはキーボードソロに合わせて身体を揺らすなど、ここでも“遊び心”いっぱいにステージを楽しみ尽くしていく。また、大サビでは二度の「問題ナイ」のフレーズを観客に委ね、ファンの先頭に立ち一体感を高めていった。
そしてここで前田は、自ら歌詞を紡いだ次の曲へ込めた想いを語り始める。自分で感じている不器用さや、幼い頃の人と話したいという想いが空回りしていた記憶――「いつも遅れてスタートしているような気持ち」と語り、「「人の3倍やらないと、私はダメなんだな」と思ってた」と続けると、思わず声を詰まらせる。
そして「役作りも、自分じゃない“何か”になりたかった」と吐露。「自分の憧れを表現や歌に乗せてきた」と続け、「だんだん協力者も友達も増えて、応援してくれるみんなもいて「本当に頑張ってきてよかったな」と思うことばかり。いつもありがとう」と感謝を伝えると、「最後の部分、一緒に歌ってくれないかな?」と呼びかけてから、そんな想いをいっぱいに詰めた曲「Progress」へ。
昔の自分が抱いていた葛藤を“今”の自分が歌詞にして歌い、音楽という形にして昇華していく曲だからだろうか。前田は1サビで、またも声を詰まらせてしまう。それでもその「自分の言葉」を懸命に歌おうとする姿は胸を打ち、サビ明けに二度頭を下げた前田へと、会場中から温かな拍手が送られる。しかし中盤以降はぐっと力を込めて高らかに歌い上げてみせると、ラスト「Sha La La――」の部分では大合唱が起き、その声と一緒に歌うことで本当の意味で場内が一体となったのを感じさせながら、1曲をこの日「完成」させたのだった。
歌唱後、拍手鳴り止まぬなか改めて感謝の言葉を述べる前田から、最初のお返しとばかりに嬉しいお知らせが!まずはこの公演が、CSテレ朝チャンネル1で独占放送されることが決定。舞台裏のメイキングも合わせて、ぜひ改めてこのライブを深くまで楽しんでほしい。
さらにもうひとつ、前田の「こちらをご覧ください!」の声とともに発表が……と思いきや、「HAPPY BIRTHDAY to You」が演奏され始め、ステージにはケーキが登場。この公演の2日前に誕生日を迎えていた前田への、バースデーサプライズが炸裂した。「聞いてた話と違う!」と驚く前田は、ロウソクの火を吹き消すと今度は満面の笑みをみせていた。
そんなサプライズを経ての告知では、なんとこの「Are You Ready?」の追加公演の開催を発表!しかも東京公演に加え、福岡・Zepp Fukuokaでの“凱旋公演”も開催決定!前田の晴れ舞台とさらなる成長を、ぜひ目撃してほしい。
そして、ハッピーな空気のなか「まだまだいけるよね!?」と改めて観客のスイッチを入れると、ラストナンバー「Dream’s Top Star!」がスタート。イントロから「歌って!」とコールを求めると客席からは大きな声が湧き上がる。そんなファンたちと前田は最後までコミュニケーションを取りながらのパフォーマンスを展開していき、最後は場内一体となってジャンプエンド。楽しさが弾け、様々な想いがあふれた前田の1st LIVEは、こうして幕を下ろしたのだった。
持ち歌全曲を通じてこの1st LIVEで前田が見せてくれたのは、これまでの一旦の集大成。同時に、声優アーティストとしての大いなる可能性だった。初ワンマンにして、これほどまでに幅広い楽曲を多彩に魅せることのできた前田佳織里は、間違いなくさらに飛躍していくはず。ファンの先頭に立ち、色々な表情をみせながら、“Top Star”に向かってまっしぐらに走り続けていくことだろう。
ライター:須永兼次
カメラマン:近澤幸司
公演詳細
前田佳織里 1st LIVE 2025「Are You Ready?」
[日程]2025年4月27日
[会場] 東京 / LINE CUBE SHIBUYA
[開場 / 開演] 16:00 / 17:00
SET LIST
M00. Awakening Overture
M01. 光ったコインが示す方
M02. Stranger
M03. ポジティブガール
M04. Fantasy
M05. My “I”
M06. 最後の花火が上がる頃に
M07. 愛がとまんない!feat.前田佳織里
M08. ラピスラズリ
M09. ショータイムは終わらない
M10. キュンアピ
M11. ゆめガール
M12. ヤババ!
M13. 花香リ春薫ル
EN1. 常識外れヒューマン
EN2. Progress
EN3. Dream’s Top Star!
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