レコ協「音楽メディアユーザー実態調査」公表、エルダー層・スマホ利用に焦点
日本レコード協会は、2011年度「音楽メディアユーザー実態調査」を実施し報告書としてとりまとめた。
この調査は、世代間の比較およびトレンドの分析の2つの視点から、音楽ソフトや有料音楽配信等の音楽メディアの需要を総合的に把握することを目的として1986年以降、毎年実施してしているもの。
今年度は「エルダー層に関する分析」と「スマートフォンの利用による影響」に焦点を当てた調査を実施した。
報告書は、同協会のウェブサイト(URL:http://www.riaj.or.jp/)からダウンロードするか、同協会広報部へ問い合わせることで入手できる。
【調査結果】
今回の調査によると、CD購入34.9%(+1.2%)・レンタル利用23.4%(-1.2%)・有料音楽配信10.7%(+1.4%)と音楽の入手方法は昨年と大きな違いはなかった。
年代別推定マーケットシェアは、CD(セル)は、中学生〜20代の若年層(38.2%)のシェアが最も高く、有料配信市場は、若年層(41.4%)と30代〜40代(42.5%)のシェアが拮抗。着うたフル市場は、30代〜40代(42.3%)のシェアが最も高かった。
購入した新品CDアルバムのジャンルは、邦楽ポップスが50.3%と最も多いものの、6.1%昨年より減少した。今回から選択肢に加えたK-POPは9.5%となっている。
新品CDを購入している人の約8割、音楽ファイルを購入している人の約7割は、既知のアーティスト作品を購入しており、未知アーティストの新品CDの購入については、テレビの訴求力が昨年度と比べて上昇傾向。アーティスト公式サイトも上昇している。
過去半年間の音楽関連サービスの利用状況は、昨年同様YouTubeが52.0%と最も高く、以降はFMラジオ32.7%、テレビ30.8%、カラオケBOX30.3%、ニコニコ動画19.7%の順になっている。
「エルダー層に関する分析」では、40代と50代以上で、音楽消費傾向に大きな開きがあることがわかった。「自由になるお小遣い」は男女とも40代で大きく減少(男性24%減、女性23%減)し、男女とも50代・60代が40代を上回った。特に男性の50代、60代では平均金額35,000円を超え、男女20代社会人に次いで自由になる小遣いを持つ世代ということがわかった。
また、50〜60代は、映像等の特典にも反応が弱い。聴く音楽のジャンルは、50代は日本ポップスが1位、ニューミュージック・フォークソングが2位。60代も日本ポップスが1位、演歌・歌謡曲、クラシックと続く。なお、近年エルダー層に支持されたヒット曲は、「トイレの神様」、「また君に恋してる」、「愛のままで・・・」、「吾亦紅」、「千の風になって」など。
そして、「スマートフォンの利用による影響」では、全体の17.8%がスマートフォンを保有しており、中でも20代の保有率が最も高かった。
スマートフォン保有層は、携帯・PHSのみ保有層と比べて、全体的に音楽への関心が高く、有料聴取率が高い傾向がある。音楽への支払金額は約1.8倍。特に有料配信への支払額が高い結果となった。
その反面、「YouTube等を使って試聴ができる」、「無料で音楽を楽しめるアプリが豊富にある」などの理由で、購買行動を代替している傾向が強いこともわかる。しかし、スマートフォン保有層は全体的に新たなサービスに対して関心を持っており、特に端末に依存しない音楽配信サービスへの関心が高い傾向にある。
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