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2012年音楽ソフト売上が前年比2.6%増の2381億に

ビジネス

音楽ソフトパッケージの各種マーケティング情報を取り扱うサウンドスキャンジャパン(SSJ)が、リアル店舗市場(CDソフト販売店、レンタル店、家電量販店、書籍店)の全国3,924店(2012年11月末現在)と、Eコマース市場で売上げたPOSデータを合算した「2012年オーディオソフト売上動向」を発表した (集計期間:2012年1月2日から2012年12月30日まで)。

2012年の「オーディオ・ソフト年別売上金額」は、前年比割れを続けてきたオーディオ・ソフトの2012年総売上金額は前年比2.6%増の2381億300万円と、長引いたダウン傾向から脱したが、12年前(2000年総売上金額5281億9800万円)と比較すると半減以下の売上規模でストップとなった。

音楽がデジタル化したことで、従来の所有するパッケージから消費するデータに変化した。既に音楽は趣味や娯楽ではなく、形のない商材へと変化をし、産業として大きな基盤を築くことのできたスケールを維持することが難しくなっている。しかし限定特典付きの複数アイテムの同時発売など、以前の市場形成とは異なる発想法が確立・定着した。

音楽CD売上が米国を抜いて世界一になった2008年以来、ダウンロード配信へ急速に移行する他国を尻目に、減少をしながらも日本市場は世界一のパッケージ市場を保っています。

また、2012年のEコマース市場は32.9%(2011年は28.2%)と前年に比べ販売シェアを4.7ポイント拡大、総売上の約三分の一に迫ってきた。
独占的な情報・特典を提供するEコマースの利便化された販売路線が徐々に浸透し、従業員教育や店舗の諸経費を抱えるリアル店舗にとっては、ショップ経営の維持・存続かの大きな問題を抱き続けている。

「アルバム&シングル別売上金額および数量」は、アルバム・シングル共に金額・数量は前年を上回った。アルバムの金額は前年比2.4%増、数量は同0.6%増、シングルは金額で3.5%増、数量では1.5%増。平均単価ではアルバムは前年より49円アップの2,875円、シングルも27円アップの1,362円と上昇した。
これは、初回限定版・通常版に加え、DVD付やオリジナルアイテムなど高付加特典商品がユーザーに受け止められたためと考えられる。

「邦楽・洋楽ジャンル別売上金額」は、邦楽82.3%対洋楽17.7%で、前年比では邦楽8.5%増、洋楽18%の大幅減になった。2011年の洋楽は新人パフォーマーのデビューや新曲ラッシュだったK-POPアーティストたちが活躍したが、2012年は新曲数が減少し、洋楽全体のパワーを引き下げた。

「メーカー別売上シェア」は、いきものがかり、西野カナ、L’Arc〜en〜Cielなど人気アーティストたちがコンスタントにヒットしたことにより、総合、邦楽アルバムでソニーミュージックグループが4年連続トップを維持している。
洋楽に関してはユニバーサルミュージックが不動の地位を堅持。シングル売上占有率は、ソニーミュージックグループ、キングレコード、エイベックスグループの3社がトップ争いで拮抗している。

 

■オーディオ総合占有率

順位 メーカー名 シェア率
1 ソニーミュージックG 17.60%
2 エイベックスG 12.40%
3 ユニバーサルM 10.50%
4 キングレコード 5.90%
5 ワーナーMJ 5.70%
6 EMI MJ 5.60%
7 トイズファクトリー 4.80%
8 ビクターE 4.70%
9 ジェイ・ストーム 3.00%
10 ポニーキャニオン 2.50%

「アーティスト別売上」は、Mr.Childrenが1位となり、前年1位だったAKB48が2位に、同じく前年2位だった嵐が3位に後退した。
また、上位20位のアーティスト合計の売上金額は539億円で、前年の475億円から64億円上回っている。特に、1位のMr.Childrenは活動開始20周年、松任谷由実、山下達郎は40周年などベテランアーティストがランクインし、売上金額に貢献した。
 

■アーティスト別売上金額 (単位:百万円)

順位 アーティスト名 売上金額 前年順位
1 Mr.Children 8,842
2 AKB48 6,363 1
3 4,989 2
4 EXILE 3,092 3
5 関ジャニ∞[エイト] 2,667 7
6 桑田佳祐 2,429 12
7 松任谷由実 2,312
8 EXILE/EXILE ATSUSHI 2,191 8
9 コブクロ 2,180
10 いきものがかり 2,001