音楽ソフト2013年年間マーケットレポート、2年ぶり前年比減〜オリコン発表
オリコンは、「2013年年間音楽ソフトマーケットレポート」(対象期間:2012年12月31日〜2013年12月29日)を発表。2013年年間総売上が2年ぶりに前年比減となった。
※以下、売上金額は売上枚数に定価・希望小売価格(税込)を乗じて算出。
【全体売上】
CDなどのパッケージ商品によるシングルやアルバムに、音楽DVD・音楽Blu-ray Disc(以下音楽BD)を加え総合計した音楽ソフト市場の、2013年年間総売上額は2,934.3億円、対前年比89.7%となった。前年2012年は6年ぶりの対前年比増となる活況を呈したが、2013年は再び減少に転じた。年間総売上額が3,000億円を割るのは、2004年の調査開始以来初となる。
盤種別に見ると、最も減少額が高いのがアルバムのマイナス266.0億円で、これが減少の最も大きな要因であることがわかる。アルバムは音楽ソフト総売上額の過半を占めるため、アルバム売上額の増減が市場全体の増減にも直結しやすく、毎年の市場規模減少の主要因となってきたが、前年2012年は年間売上額20億円以上のアルバムが12作出たこともあり、アルバム市場が微増に転じ、市場を支える形となっていた。中でもMr.Children、桑田佳祐、松任谷由実、山下達郎など、キャリア20年以上のベテランアーティストによるベスト盤の貢献が目立った。
一方2013年は、売上額20億円以上のアルバムが嵐「LOVE」の1作のみ。続いてB’zのベスト盤2種が19.9億円と19.6億円、解散を発表したFUNKY MONKEY BABYSのベスト盤が19.4億円を売り上げたほか、ベスト盤ではSuperflyや西野カナなどもヒットしたが、アルバム全体としては2012年ほどの活況には及ばず、売上額1,581.3億円、前年比85.6%という結果となった。
また2010年、2011年、2012年と3年連続で対前年比増を記録したシングルは、2013年も比較的好調な実績となった。売上額638.4億円で前年比99.8%と、100%にはほんのわずか届かなかったものの、前年維持と言える結果であり、売上枚数では前年比102.6%と前年増となった。
2013年のシングル市場を盛り上げたものとしては、やはりAKB48をはじめとする女性アイドルグループの活躍が挙げられる。前年同様、AKB48が期間内に5作をミリオンセラーとしたほか、同グループとしてはSKE48、NMB48に続きHKT48が2013年にデビュー、乃木坂46も売り上げを伸ばした。さらには、ももいろクローバーZ、モーニング娘。やこれらの姉妹グループをはじめ、多種多様な女性アイドルグループが市場を賑わせた。また、嵐をはじめ、SMAP、関ジャニ∞、Kis-My-Ft2などのジャニーズアーティストもシングル年間上位に多数の作品を送り込んだほか、EXILE「EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~」が、AKB48以外では2007年の秋川雅史「千の風になって」以来のシングル年間ミリオンセラーを達成するなど、EXILEとその関連グループの活躍も目立った。
音楽映像ソフトでは、DVDからBDへの市場シフトが引き続き進行していると見られ、その影響か音楽DVDは売上額が519.3億円、前年比80.3%となった。一方、連年売上額を伸ばしている音楽BDは2013年も順調な伸びを見せ、売上額195.3億円、前年比142.6%と、BDの前年比調査を開始した2010年から4年連続で大きく増加した。しかし、音楽DVDの減少分を補うにはいたらず、音楽DVD・音楽BDの合計額では前年比91.2%と減少に転じる結果となった。
【ジャンル別シェア】
ジャンル別で見ると、「J-POP」「演歌・歌謡」「洋楽」「ジャズ・クラシック他」の4ジャンルは、音楽ソフト全体の動きに呼応していずれも前年比減となったが、その中で唯一、「アニメ・サントラ他」が売上額対前年比106.9%と好調な実績に。同ジャンルの前年比増は2009年以来4年ぶりとなった。
このジャンルは、アニメ・ゲーム・声優関連に加え、各種サントラ、実用系のほか、他の4ジャンルに入らないものも含めて集計してはいるが、主要な売上はやはりアニメ・ゲーム・声優関連である。アニメ・ゲームでは、「ラブライブ!」「銀魂」「けいおん!」「進撃の巨人」「うたの☆プリンスさまっ♪」「ONEPIECE」「Free!」「THEIDOLM@STER」などの関連作品が主に貢献し、またサントラ関連ではNHK連続テレビ小説「あまちゃん」の関連作品のヒットが目立った。
【メーカー別シェア】
メーカー(発売元)別では、エイベックス・グループ・ホールディングスが2年連続の売上額トップとなったのをはじめ、1~4位までが前年と同順となった。また音楽ソフト市場全体の前年割れに伴い、多くのメーカーが前年よりも減少傾向となっている。
そうした中、前年増を示したポニーキャニオンは、アニメ「進撃の巨人」のテーマとなったLinked Horizon「自由への進撃(紅蓮の弓矢/自由の翼/もしこの壁の中が一軒の家だとしたら)」などが売り上げに貢献、また、B’zのベストアルバムやライブDVD・BDのヒットにより、ビーイングが前年比211.5%の2倍増で前年17位から10位に、テイチクエンタテインメントも前年11位から9位へとトップ10入りとなった。
【アーティスト別シェア】
アーティスト別の売上額では、DVD「ARASHI LIVE TOUR Popcorn」をはじめ、アルバムでは「LOVE」、シングルでは「Calling/Breathless」など、各盤種ごとに作品を総合的に売り上げた嵐がトップとなった。2位にはシングルと音楽BD売り上げ1位のAKB48が続いている。また、B’zがベストアルバム2種やライブDVD・BDをヒットさせて前年33位から3位に大きくジャンプアップ。4位にはももいろクローバーZが前年14位からやはり大きく上昇したが、その売上額の4割以上はBDが占めた。
<オリコンランキング・データ>
音楽・映像ソフトを販売している全国約30,250店の調査協力店(CDショップ、レンタルや書籍などを扱う複合店、家電量販店、コンビニエンスストア、ジャンル専門店、インターネット通販)の店頭、イベント会場等での販売実績をもとに、全国の週間推定売上枚数を算出。
オリコン調べ(oricon.co.jp)
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