第9回 渡辺晋賞、松任谷正隆氏が授賞「本当に光栄」
渡辺音楽文化フォーラムは、ザ・プリンス パークタワー東京 33Fスカイチャペルにて「第9回 渡辺晋賞 授賞式」を行った。
第9回となる今回は、松任谷正隆氏が授賞。同氏はバンド「キャラメル・ママ」や「ティン・パン・アレイ」で自らの音楽活動を充実させ、楽曲をアレンジする上でハーモニーにオンコード(分数コード)を導入することで、日本のポップスに大きな変化をもたらした。また、音楽プロデューサーとして昭和から平成にかけ、刺激に満ちた魅力的なユーミン・ブランドを創造、発展させることで、日本の音楽シーンをけん引し、さらには、音楽界を目指す若者の育成にも力を注ぐなど、広範囲にわたる活動がたたえられての授賞となった。
授賞式では、第9回 渡辺晋賞 授賞者の松任谷正隆氏はまず「僕の一世一代の舞台にお集まりいただいてありがとうございます。こういった賞を受賞するのは初めてで、よく考えたら自分が表舞台、晴れ舞台に立つのは初めてだということに気づきました。本当に光栄です」と、喜びを語った。「昨日(去年の受賞者の)三谷さんの授賞式のビデオを一生懸命見て研究して、あれよりいいことをやってやろうと思ったんですが、さすがに壇上に来たら、飛びました。よく考えたら自分がこういう表舞台、晴れ舞台に立つのは初めてだということに気づきました。スタートはうちの弟をそそのかして、『お前ならアメリカでバンジョーで一番になれる』と行かせて、コンテスト優勝させた、というのからプロデュースが始まりました。表舞台に立つのが嫌で、裏で糸を引く「なっとうや」と言われるようなスタートから始まりました。バンドをやっても常に裏方でやってきて。でも、人間の本心としてたまには表舞台に立ってみたい、というのもあったので、とてもうれしいです」と音楽活動が始めたころを振り返った。
続いて、そこからは「無知を武器にがんばりました。無知はエネルギーですので。で、わけがわからないことを延々とやっているうちに40年くらい経って。あれ?と思ったのは、クレイジーキャッツと(松任谷)由美さんのコラボレーションをやらせていただいたときですね。こういうことをいうと恐縮ですが、自分が音楽業界に家族のように迎えられた、そんな気持ちがします。本当に今日は一世一代の日で、うちのカミさんにも見せてやりたいです。今日はツアーなのでしょうがないんですが。本当に幸せです、ありがとうございました」と授賞の喜びを語った。また今回、もらったトロフィーについて報道陣に質問されると、「奥さんの方は今までにたくさんもらってるので、奥さんのトロフィーと自分のトロフィーが比べられます。家に帰ったら、飾りたいと思います」と笑顔で語っていた。
また、第8回 渡辺晋賞授賞者である脚本家の三谷幸喜氏から「松任谷さんとは縁がありまして。「音楽劇サザエさん」というものをやったときに、脚本と作詞が私で、音楽全般を松任谷さんが担当して。それまでに詞を書いたことがなかったので不安でしょうがなかったので、書いた詞を松任谷さんに見せたんですよ。そうしたら『とてつもない作詞家が現れた!』と褒めてくれたんですね。名プロデューサーは褒めるのも上手いな、と感じました」と松任谷さんの人柄が感じられるエピソードを披露した。
続いて、松任谷氏が楽曲プロデュースをした縁で親好の深い女優の木村佳乃氏から花束贈呈と「松任谷さんには音楽活動をしている時に本当にお世話になって。ロスにボイストレーニングに連れて行っていただいたり、グラミー賞にご一緒させて頂いたり。あと、おばあちゃんっ子だった私の祖母がなくなったときに、ララバイ・フォー・グランドマザーという曲を作ってもらいました。由実さんが詞を書いてくれて。今でも私の宝物です。ご無沙汰だったのですが、本当におめでとうございます」とお祝いのメッセージが送られた。
「渡辺晋賞」歴代の受賞者(敬称略)
第1回:亀山千広
第2回:鈴木敏夫
第3回:本多一夫
第4回:松浦勝人
第5回:秋元康
第6回:三枝成彰
第7回:大里洋吉
第8回:三谷幸喜
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