レコ協「音楽メディアユーザー実態調査」公表、音楽に対する支出等に焦点
日本レコード協会は、2013年度「音楽メディアユーザー実態調査」を実施し報告書としてとりまとめた。
この調査は、世代間の比較およびトレンドの分析の二つの視点から、音楽ソフトや有料音楽配信等の音楽メディアの需要を総合的に把握することを目的として1986年以降、毎年実施しているもの。
今年度は、定点調査の他に、「音楽需要の現状と構造変化」および「音楽に対する支出意向」に焦点を当てた調査を実施した。
報告書は、同協会ウェブサイト(URL:http://www.riaj.or.jp/)からダウンロードするか、同協会広報部へ問い合わせることで入手できる。
なお、今回の調査設計は以下の通り。
<調査実施概要>
調査対象者:12〜69才男女(中学生は親の代理回答)
調査エリア:全国
調査方法 :インターネットアンケート調査
サンプル数:1,545
調査日時 :2013年8月(インターネットアンケート)
【調査結果】
今回の調査によると、新品CD購入率は30.7%(+1.3%)、有料音楽配信・着うたフル購入率は10.9%(-1.2%)、CDレンタル率は18.4%(-3.2%)と、全体的に昨年と比べマイナスとなった。
年代別推定マーケットシェアは、CD(セル)市場は中学生〜20代社会人のシェアが38.0%と最も高く、有料音楽配信市場では30代〜40代のシェアが55.2%と半分以上を占めた。
ライブ・コンサートの参加率・参加回数(参加者一人当たり)は、昨年からほぼ横ばい。会場でのCD/DVD購入経験率および購入数・金額はともに微減となった。
未知アーティストの新品CD購入のきっかけでは、テレビCMやアーティスト公式サイトに拡大傾向が見られる。音楽ファイルについては、昨年に続き無料動画配信サイトがトップとなった。
「音楽需要の現状と構造変化」では、「有料聴取層」の減少傾向は変わらず、新しい曲を意識的に聴いていない「無料聴取層(既知楽曲のみ)」が5年間で増加傾向が見られた。年代別では、20〜40代中心に有料聴取層が減少。50代は無関心層が縮小傾向にある。
有料聴取層の購入減少理由として、「現在保有している音楽で満足」(45.9%)、「金銭的な余裕が減った」(39.4%)が特に増加。スマホ利用者増を背景に、「動画配信サイト・アプリで満足している」(14.6%)という理由も大幅に増加している。
無料聴取層の非購入理由として、「現在保有している音楽で満足」(39.0%)が昨年より大幅に増加。また、昨年最も高かった「(YouTube等を使って)購入しなくても好きな時に視聴できたため非購入」も34.2%と依然根強い結果となった。
「音楽に対する支出意向」では、音楽支出を促進する要素として、「魅力的なアーティストや楽曲に出会う」(58.6%)が最も高く、次いで「CDや有料配信サービスの価格が安くなる」(27.2%)となった。
有料音楽配信サービスを選ぶポイントでは、「自分の好きなアーティストやジャンルが購入・視聴できる」(54.2%)「購入・視聴できる楽曲の数が豊富」(41.7%)といった、利用可能楽曲に関するニーズが高いようだ。
音楽への平均支出意向額は、1人当たり2,727円/月。現在の平均支出額のおよそ1.8倍に相当。年代別にみると、40代が約2.8倍と最も高く、次いで50代が約1.8倍となっている。
■日本レコード協会:http://www.riaj.or.jp/
関連リンク
関連リンクはありません