米ユニバーサル サイモン・ワット氏「日本の音楽市場は大きな転換期」
Simon Watt Global Head of Technology, Universal Music Global International
9月13日〜15日の期間、東京・代官山エリア一帯で開催された「THE BIG PARADE 2014」に、米ユニバーサル インターナショナルのサイモン・ワット氏が登壇。デジタルサービスの登場が世界の音楽市場にどのような変化を与えたのか、各国の事例をふまえ紹介した。
現在アメリカの音楽市場は、7割をデジタルサービスが占めており、デジタルの成長とともに総売上も伸ばしている。スウェーデンでは、音楽ストリーミングサービス「Spotify」の普及でサービスの78%がストリーミングに移行、市場もさらに拡大しており黄金期に入っている。
この傾向はスウェーデンから、ノルウェー、さらにデンマークに移り、オランダでも見られ、ここ数年で消費者の考え方が大きく変わってきているそうだ。
また、CDなどのフィジカルに比べ、消費者がどのように音楽を楽しんでいるか、より具体的なデータとして蓄積されるため、ストリーミングサービスは、ファンの行動を知る上でも非常に有効だと語っている。
これに対し、日本は現在もCDショップやCDレンタルがありフィジカルが中心だ。他の地域に比べると非常に特殊な市場となること、そして「歴史や文化伝統も尊重しつつ、革新的な技術と一つに組み合わせる力がある」ことから、「新しい時代に合った独自のサービスが生まれてくるのではないか」と語った。
また、「日本はビジネスをする上でモバイルがファーストプラットフォームとして選ばれてきた」とした上で、他の国も日本のようにモバイルがプライマリープラットフォームであるという考え方に変わってきていると説明した。
また、海賊版の製造技術が上がり、海賊版においてもイノベーションが見らることに触れ、「海賊版や違法サービスは音楽業界のみに留まったことではないが、それに対して私たちが真っ正面から戦うよりも、消費者が本当に何を望んでいるのか、消費者に正規サービスをどのように提供できるかを考え、違法ではない、正しいサービスを正しく使ってもらえるように啓蒙していく必要がある」と語った。
最後に、「最も大切なのはファンです。日本には成熟した音楽市場があり、今大きな転換期を迎えている。これをチャンスととらえ、ファンを次の音楽市場のフェーズの中心に据えていく。そして彼らが使ってみたいと思うサービスを届けていきましょう」と語った。
(Musicman-NET 編集部)
UNIVERSAL MUSIC GROUP EXPANDS GLOBAL DIGITAL TEAM WITH PROMOTION OF SIMON WATT TO HEAD OF TECHNOLOGY, GLOBAL DIGITAL GROUP (UNIVERSAL MUSIC GROUP – September 15, 2011)
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