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ニコニコ、ツイキャス、アメスタ、SHOWROOMが一同に集合、注目生配信サービスの現在とは

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左から:ニワンゴ 杉本誠司氏、モイ 丸吉宏和氏、アメスタ 谷口達彦氏、ディー・エヌ・エー エンターテインメント 島田智行氏

9月14日に開催された「THE BIG PARADE」に、現在注目を集めているライブコミュニケーションサービスが会し、それぞれの特徴や現状から今求められているもの、さらに今後の可能性についてディスカッションを行った。
登壇したのは、「niconico(ニコニコ動画)」を運営するニワンゴ代表取締役社長 杉本誠司氏、「ツイキャス」を運営するモイから事業企画を担当する丸吉宏和氏、「アメスタ」を運営するアメスタ代表取締役社長 谷口達彦氏、「SHOWROOM」を運営するディー・エヌ・エー エンターテインメント事業本部長 島田智行氏の4名。

[ THE BIG PARADE ]ライブコミュニケーションサービスの今と未来
「ニコニコ動画」は、登録会員4千万人の投稿動画配信サービス。アクセスは休日や夜間に多く、注目すべきなのは1日の平均滞在時間が110分と長時間になるという。

ライブストリーミングがサービスの中核になってきており、最近では様々なイベントの生中継を実施。ニコニコ動画そのものは、動画共有サイトの体をなしながら、コメントが上がるので非常に見にくいが、「ユーザーが一番コンテンツの価値を感じる瞬間は、コール&レスポンスを繰り返している状態。ライブストリーミングは、コンテンツそのものがコール&レスポンスに反応してどんどん変化する。これが動画の価値を高めている(杉本氏)」。

またライブストリーミングをライブそのものに拡大することで、更なるサービスの拡大を狙う。「家でストリーミングを見ている人たちを実際のライブに連れ出し、興奮や感動を体験させ、ライブの価値を改めて実感させる。そのためには、ライブの興奮をそのままネットユーザーにきっちりと伝えていくところから始めるのが有効だ(杉本氏)」と語る。

このスキームを形にしているのが、集大成として年1度開催しているイベント「ニコニコ超会議」。「様々なジャンルのネットユーザーがリアルな会場に一斉に集まる。渾然一体になった瞬間そのものに一つの価値が生まれる。この一体感をいかに作っていくかが演出として一番重要になってくる(杉本氏)」。

[ THE BIG PARADE ]ライブコミュニケーションサービスの今と未来

学生を中心に約750万人が利用している「ツイキャス」は、約94%がモバイルから配信されており、ボタン一つで動画中継できる手軽さが特徴。配信回数は1億回を超えるという。純粋にコミュニケーションを楽しんでいるため、誹謗中傷が少なく「配信者に優しい(丸吉氏)」、ユーザーの心が折れない双方向性サービスとなっている。

有名人に配信出演のプロモーション等は一切行わず、オーガニックにユーザーを増やしてきたというツイキャス。ユーザーの急激な増加のターニングポイントとなったのは、iPhoneへのインカメラ搭載。Selfieカルチャーが一気に広まったのにあわせ成長を続けている。

「ライブ配信サービスではないというところが特徴で、魅力的なライブを配信して、そこに対してファンを集めていくというよりも、LINEやTwitterのような日常のコミュニケーションツールを目指している(丸吉氏)」。ファンと同じ目線に下りてきて、友達を増やす感覚でコミニュケーションを取っていくことがファンの獲得につながっており、ツイキャスをきっかけに、ざわちん、けみお、杏樹といったタレントも生まれてきている。

さらに、若年層がメインのツイキャスだが「誰が見るのか分からないんですけど、おばちゃんのメイクの放送もあったりするんですよ(笑)」とも丸吉氏は語り、ユーザー層に幅がでてきていることを伺わせた。

また、ワン・ダイレクションのゼイン・マリックなども利用しており、全体の2割が海外からのアクセスだという。今後は、使いやすさをとにかくブラッシュアップし、あくまでオーガニックな形でながらも更なる海外展開に注力していきたいと語った。

[ THE BIG PARADE ]ライブコミュニケーションサービスの今と未来

「アメスタ」は、著名人に特化したライブ放送局として運営。ブログのように動画でも気軽にファンとコミュニケーションをとってもらいたいという気持ちと、アメーバの認知度を上げるリアルプロモーション拠点としてスタート。番組を配信する自社スタジオを作りタレントの出演チャンスを作っている。

放送形態は、誰でも視聴できる「公開放送」、有料および視聴人数を制限して放送する「プレミアム放送」、チケットが必要な「チケット放送」等があり、中でも「プレミアム放送」は、最もコミュニケーションの密度が強く、視聴者と直接やり取りをしたり、プレゼントやアイテムを送ることもできる。

また、新たな才能の発掘においてマッチングするのでは? という質問に対し、「才能の発掘という意味では相性がいい。無名のアーティストが、ユーザーとのコミュニケーションをより活性化して、夢であったり仕事を掴んでいくというような放送も出てきているので、ネットユーザーと向き合って、一緒に育てていくという流れは加速していくと思う」と語った。「タレント専用放送局として特化しながら、タレントとファンとの新しい関係を作り続けたい(谷口氏)」。

[ THE BIG PARADE ]ライブコミュニケーションサービスの今と未来

「SHOWROOM」は昨年11月にスタート。仮想空間で行われるライブにファンが集まり、ギフトやコメントが飛び交う。ギフトは無料のものから1万円のもまで幅広く用意され、ギフトや視聴者数、コメントの数に応じて、配信者に売上が分配される仕組みだ。ファンは自身のアバターでライブに参加するため、自分がそこにいる”参加感”を濃く味わえる。

また、ファンの行動を全て可視化。応援してきた累積結果も全て表示されるので、配信者の”貢献度”がダイレクトに伝わる仕組みになっている。SHOWROOMで勝ち上がったメンバーが実際のテレビ番組やライブに出演するといった、ファンの応援が直接配信者の活動を左右する仕組みのイベントも開催、ファンの貢献欲求を強く刺激している。

SHOWROOMの目的は「ライブ動画配信を通じて才能にスポットライトを当てる」ことにあると言う。そこに向けて今月大幅なアップデートを実施。ソニーミュージックとの提携により、多ジャンルのアーティストが出演する。そこにおいては、まずプロモーションツールとしてメリットを打ち出す。また、アップデートにより世界中から誰でもライブを配信することが可能になった。これまでは事務所に所属している人だけだったが、より多くの才能を持った人に配信をしてもらいたいということからオープン化したとのこと。

「SHOWROOMはあくまでプラットフォームで、配信者とファンがいて初めて成立するコンテンツ。DNAの技術と皆さんのコンテンツ力を合わせてイノベーションを起していきたい(島田氏)」と語った。

THE BIG PARADE 2014

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