オリコン2014年年間映像ソフトマーケットレポート発表、総売上額が前年比1.1%減の2516.7億円
オリコンは1月30日、「2014年年間映像ソフトマーケットレポート」を発表した(対象期間:2013年12月30日~2014年12月28日)。
※以下、売上金額は売上枚数に定価・希望小売価格(税込)を乗じて算出。
【全体売上】
2014年の映像ソフトの総売上額は2516.7億円で前年比98.9%、総売上枚数は4350.0万枚で前年比は95.3%となった。
売上規模は縮小傾向を示すこととなったが、映像パッケージの主力メディアをDVDからBlu-ray Disc(以下BD)へ移行しようとする長年の取り組みが実りつつあるのが当年市場の特徴となった。
BDの売上額は1236.7億円で前年比は113.6%、売上枚数は1706.8万枚で前年比は117.3%と売上規模も順調に増加。年間市場調査を開始した2009年以降、5年連続の増加となった。一方、DVDは売上額で前年比87.9%となる1280.0億円、売上枚数も前年比85.0%となる2643.2万枚である。BDとDVDの売上構成比は売上枚数でおよそ4:6だが、売上額ではほぼ5:5という状況である。BDは各ジャンルで売上を伸ばしているがとりわけ「音楽」や「バラエティ・お笑い」のジャンルで大きく売上を伸ばしたことがメディアとして一般化したことを表している。
その一方で「映画」の売上がBDとDVDの双方で低迷していることが懸念材料となっている。期間内売上で232.2万枚、100.3億円を売り上げ社会的なブームを巻き起こした『アナと雪の女王』などのアニメ映画が「アニメ」に集計されていることもあるが、実写作品の売上低迷は市場全体に影響を与えている。この先、映像ソフト市場がBDを核に回復基調を描けるかはこの「映画」の復調如何とみられる。
【ジャンル・盤種別売上状況】
現在の映像ソフト市場で最大の売上規模を持つ「アニメ」が当年売上額を876.3億円、前年比を103.9%として続伸。大ヒットアニメ映画『アナと雪の女王』の貢献も大きくBDの売上は前年比113.5%となる657.6億円に躍進した。ジャンルとしての売上シェアも前年の33.1%から34.8%に拡大している。
また売上規模を維持したのが「音楽」。売上額は715.0億円で前年比は100.1%となった。嵐やSMAPといったタイトル面の充実とBDでのリリース開始といった面も原動力になり前年比で88.2%となったDVD売上の減少をカバーすることになった。
一方、「映画」の不振が顕著である。とりわけ「洋画」売上の低迷が目立つ。当年「映画」の売上規模は売上額423.2億円で前年比は90.9%、売上枚数は1294.9万枚で89.4%となった。なかでも「洋画」売上は289.9億円と前年比は87.3%と振るわず。BDの各ジャンルが売上を拡大させているのに対し、唯一前年売上を下回り、結果4年連続の減少となった。この「洋画」売上をどう回復させるかが次期の大きな課題になりそうだ。
【メーカー別シェア】
ソニー・ミュージックエンタテインメントが7年連続となるトップを堅持した。当年は売上も拡大し前年比108.2%となる245.1億円を記録している。アニメ作品である『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』『劇場版「空の境界」未来福音』や「物語」シリーズに加えて音楽作品のL’Arc~en~Cielや乃木坂46のライブ映像などの貢献が大きかったようだ。
2位は前年8位から大きく順位を上げたウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパンで、売上額も前年比219.3%と2倍を超える伸びとなった。『アナと雪の女王』が最大の貢献作となったほか、スタジオジブリ作品である『風立ちぬ』や『宮崎駿監督作品集』などの売上も好調だった。
また、ジェイ・ストームとバップの2社が当年TOP10入りを果たした。前年12位から6位に躍進したジェイ・ストームは、嵐のライブ映像が引き続き好調だったほか、関ジャニ∞の移籍によって売上が拡大したことが影響したとみられる。前年13位からのTOP10入りとなったバップは、乃木坂46のバラエティ作品「NOGIBINGO!」やドラマ「49」や「弱くても勝てます」などの売上が貢献したようだ。
オリコン調べ(oricon.co.jp)
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