「Creators Camp in 真鶴」開催、コーライトとハッカソンでクリエイター＆音楽シーンの新たな可能性を提示
9月25日から神奈川・真鶴地域情報センターにて音楽ハッカソンとコーライティングを併催して実施されていたCreators Camp 2015の作品発表会「PRODUCT LAUNCH PARTY」が27日、開催された。
会場には、真鶴という地に初めて訪れたという人も多く、そのロケーションの良さに感慨をいだきながら、参加関係者および情報感度の高い人々が多く詰めかけた。
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ITエンターテインメントをテーマにしたコンペティション「START ME UP AWARDS」の派生イベント「Creators Camp in 真鶴」は、「MUSICIANS HACKATHON」「CO-WRITING SESSION」「CO-WRITING WORKSHOP」から成り立っており、実行委員長を務める山口哲一氏は「コミュニケーションをとって音楽を作ることが見直されているし、改めてクリエイターの力が大事な時代になってきている」と述べた。
コーライティングには、海外のクリエイターも含め、プロの作曲家51人、17組が参加し、真鶴のローカルな民宿などに泊まり込み、深夜の廃校でレコーディングするなど様々な方法で共同での楽曲制作を行った。
コーライトのコーチを務める音楽プロデューサー 伊藤涼氏が「民宿を借り切って、和室の空間で行われるコーライトは、海外でのスタイリッシュな空間で行われるものとまた違う趣きがあり、とてもユニークな体験だった」とこの地で行われた意義を語ったのち、コーライトキャンプで制作されたデモ楽曲の発表会が行われた。
参加チームのメンバーが順番に登壇し、簡単に楽曲制作のプロセス、コンペ・ターゲット/イメージを語り、このコーライティング・キャンプで作成した楽曲を披露。曲が終わるごとに、伊藤氏から厳しくも的確なプロ目線の論評が加えられていく。
発表された楽曲はバラードからダンサブルなものまで幅広く、適切なガイドと参加メンバーの能力があわさった結果、「このままだしてもいけるんじゃないの」「僕らの想像していたクオリティを完全に超えていました」という評価もでるほど、非常にクオリティの高い作品が続いた。
来場していたユニバーサルミュージックでイノベーション担当の鈴木氏や、音楽SNSサービスを運営するクレフオーガの西尾代表も、レーベルやウェブサービスの視点から好印象な感想を述べ、最後は伊藤氏が「素晴らしかった。最初は心配したけど、最終的には『ヤバいな』という曲もたくさんあったし、非常に内容の濃いコーライティングキャンプになったと思います」と締めくくった。
続いて、同会場の2Fで行われていたハッカソンの6つのチームの作品発表会が行われた。
審査員は、ローソンHMV役員の大野氏、ゴンゾ石川代表、ユニバーサルミュージック鈴木氏、トライバルメディアハウス高野氏が務め、リクルートホールディングス Mashup Awards事務局長 伴野氏が進行を担当した。
1組目の「Music2Game」は、音楽を演奏することによってゲームが生成され、さらに楽器でそのゲームをプレイできるといった作品。ドラムやヴァイオリンの演奏でゲームキャラが様々な動きを見せた。
続く「UTakAlon」は、人口知能が楽曲を学習して、新しい音楽を自動生成するという作品を発表。プレゼンでは、リストの楽曲を学習し作られた楽曲を披露した。制限時間内には間に合わなかったが、目論見として脳波と人工知能を掛け合わせて音楽が作られることを目指していた。
3組目の「Kashiwade」は、ある場所の音響をサンプリングして、そのロケーション音場を再現できるといったもの。音場のヴァーチャルリアリティというべき作品に仕上がっていた。そもそも、柏手や虫の鳴き声、獅子脅しなどに代表される繊細な音の日本文化が、現代は音楽につかりすぎている故に音へ無関心になってしまっていることへの警鐘も意図したとのこと。ちなみに音響の良いロケーションを楽しむには「爆竹が最適」というエピソードに会場からは笑いが起きていた。
4組目「ネオン」は、音楽でビジュアルエフェクトが手軽に作れる作品で、その汎用性の高さから、製品化の可能性も十分にあると評価されていた。
5チーム目の作品は「SHAKIN’」。スマホを振ると、アーティストのライブ映像に、ユーザーが振った分だけエフェクトが反映される作品で、「ミュージシャンへの応援の可視化」、「一体感の強化」、「マネタイズ機会の創出」をあわせもったアイデアに会場及び審査員から共感を得ていた。
最後の発表は、「Amazing Sandbox」というゲーム作品。洋ゲーのグランド・セフト・オートの世界観で、「フロアの立ち位置で聞こえる音楽が変わる」ということを楽しむことができる。フィールドに点在するボックスを獲得することによって再生される音楽の要素が変化するゲームとなっていた。
音楽ハッカソンの作品発表の後、ネットワーキングパーティーを経て審査員による審査の結果、ビジネスとしての可能性と作品としての制作到達度が評価された「SHAKIN’」が最優秀賞に選出された。
様々なクリエイターの可能性をフックアップおよび新たな出会いを創出し、今後の国内の音楽シーンにさらなる可能性を提示した3日間に及ぶ「Creators Camp in 真鶴」は、真鶴という静かな港町にクリエイティブな熱い余韻を残したまま、その幕を閉じた。
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