「雑誌付録の新しいカタチ」。KKBOXがメンズノンノ30周年でコラボ、音楽ストリーミングで深まる読書体験
来年創刊30周年を迎えるメンズノンノ(集英社)が9月29日より開始したオンラインオーダーメイドマガジン「大人たちのMyメンズノンノ」において、定額制音楽ストリーミングサービスKKBOXがコラボレーションし、楽曲を提供している。
雑誌メディアのデジタル展開である同企画は、年齢を入力し、いくつかの質問に回答すると、各個人にパーソナライズされた“自分だけのメンズノンノ”をウェブ上で閲覧できるというもの。年齢にあわせたファッションやグルメ情報が提供されるとともに、「大人ビギナーだったあの頃特集」として、懐かしのカルチャーや音楽を楽しむことができる。
オンラインオーダーメイドマガジン「大人たちのMyメンズノンノ」TOPページ(ここから設問に答えていくと自動で誌面が生成)
KKBOXの楽曲カタログの中から「失恋カセットテープ」「ドライブミュージック」「定番盛り上がりソング」といった各6曲ごとの3つの「あの頃ミュージックプレイリスト」が自動で生成され、ウェブマガジンを読みながら、それぞれの世代に最適化された懐かしい音楽が聴ける仕掛けだ。
例えば“38歳”で試してみると、JUDY AND MARY「Over Drive」や、THE BOOM「風になりたい」、Mr.Big「To BE With You」、ジャミロクワイ「Virtual Insanity」等々、世代的に「青春」や「懐かしさ」を感じさせる洋邦の楽曲が並ぶ。
“38歳”で作られたプレイリスト
同企画でカバーしている年代は21年間で、118アーティスト、63のプレイリストから組み合わせが行われるという。パーソナルな思い出や記憶と、時代を彩った音楽をWEBマガジン上で紐付けるという、音楽ストリーミングサービスの新しい活用方法を示す試みとなっている。
また、オリジナルに作られたウェブ誌面や生成されたプレイリストは、facebookやTwitterでシェアすることができるようにもなっており、自己診断コンテンツのような感覚で、各個人が“世代”を切り口としてSNSでコミュニケーションを楽しめるよう設計されている。
オリジナルに作られた誌面の表紙、SNSでシェアができる
KKBOXの担当者が「雑誌の付録として『今までにない革新的なもの』だという評価もいただいています。音楽ストリーミングが持っている可能性を、ブランドや他メディアなど、多様な場面でどんどん演出していきたい」と語るように、KKBOXは雑誌「BRUTUS」と7月にもコラボレーションを実施。特集【太陽の音楽】内の“聴きたい、踊りたい! 太陽のレビュー135枚。”と連動し、フィジカルでは入手の難しいレアな楽曲なども豊富なカタログから揃え、雑誌読者の音楽体験を深めることに成功している。
「ユーザーは、どういうコンテンツを楽しんでいるときに、どんな種類の音楽を欲しているのか」
——— 日常生活におけるファンのインサイト把握の重要性が叫ばれている昨今、今回のような企画は分析を通じてユーザーの動向を把握できる可能性が多いにあることから、音楽マーケティングの視点から考えても、今後の音楽産業にとって有意義な取り組みと言えるだろう。
現在、萌芽〜普及期で最初の正念場を迎えている音楽ストリーミングビジネスだが、今回のように例えば雑誌や電子書籍など音楽メインではないコンテンツやコンテクストとともに、「○○ × 音楽ストリーミング」という形でその特性が発揮されるシーンが増えていけば、新たなミュージックエクスペリエンスのサイクルが創出され、ストリーミングサービスの更なる普及も期待できるだろう。
KKBOXは、7日より初回サービス利用時の無料お試し期間を1ヶ月間(最長30日間)に延長、会員登録無しで気軽にサービスを試せるように変更している。
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