レコ協が業界紙懇談会を開催、2016年度の事業計画を発表
日本レコード協会が、26日、業界紙懇談会を開催し、2016年度の事業計画を発表した。
同協会会長 斉藤正明氏は、まず4月14日および16日に発生した熊本地震について触れ、義援金の寄附を検討していることを明かした。
また、昨年の市況について、音楽パッケージソフトの生産額が昨年比100.1%の2,545億円とわずかながら上回り、有料音楽配信は、前年比108%の470億円と2年連続で増加したことから、全体で前年比101%の3,015億円と3年ぶりにプラス成長に転じたと発表。
また、世界的に音楽産業の売上が増加しており、前年比103.2%の150億USドルと約20年ぶりに全年度を上回ったことを挙げ「世界第二位の売上を誇る日本の音楽マーケットの市況が世界に大きく影響をすると感じている」と述べた。さらに、定額制ストリーミングの台頭により、初めてデジタルの売上がパッケージ売上を上回ったことについて、「2015年において特筆すべき出来事だった。国内でも複数のサブスクリプションサービスがスタートし、発展途上ではあるものの、時代の転換期に差し掛かったと思っている」と語った。
同協会は一昨年より引き続き、業界の収益を「伸ばす」、違法を「なくす」、レコード産業への理解・著作権思想を「広める」、業界の情報基盤整備により足下を「固める」と4つの役割に分け取り組んでいる。
2016年度は、「レコード制作者の権利収入の拡大」として、サブスクリプションなど新しい放送番組のネット配信ビジネスの増加に伴い、管理対象範囲を拡大する他、使用料規定の見直しも行う。また、ブライダルコンテンツにおいての使用料徴収に向け、集中管理事業化を実現する。なお、放送二次使用料の収益は90億円と見込んでいる。
また「需要喚起施策の展開」として、デジタル配信が活性化したことによる、若者を中心とした“音楽の無料化”が進んでいることを受け、「ミュージック・ジャケット大賞」やライブイベント「Coming Next」等、改めて音楽の需要を呼び起こす取り組みを行っていく。また、昨年からスタートした、海外プロモーション事業「J-Music LAB」を継続するだけでなく、放送やネットメディア、さらにアンバサダー等を起用し、効果的な情報発信インフラの活用施策を行う。
この他、「シェアードサービスの拡大」として、イーライセンスとジャパン・ライツ・クリアランス(JRC)が新たに設立した著作権管理事業者「NexTone」向けのデータ交換の環境整備も行う方針だ。
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