テクニクス×ナガオカ×東洋化成「レコード再発見プロジェクト」第2弾「“Made In Japan”で愉しむレコードの音色〜東洋化成末広工場見学」を開催

ビジネス

2016年9月2日 14:30

レコード再発見プロジェクト第二弾
左からパナソニック志波正之氏、ナガオカ寺村博氏、東洋化成石丸仁氏

今年4月に発足したテクニクス、ナガオカ、東洋化成の3社によるコラボプロジェクト「レコード再発見プロジェクト」の第2弾イベント「〝Made In Japan〟で愉しむレコードの音色〜東洋化成末広工場見学〜」が8月31日東洋化成末広工場で開催された。

イベントはまずテクニクス、ナガオカ、東洋化成三社の代表者が登壇し、アナログを取り囲む現状を各社の視点から報告。

6月に300台限定で発売されたテクニクス「SL-1200GAE」は、予約開始から30分で完売し、現在は9月9日に発売を控えるテクニクス「SL-1200G」を絶賛生産中とのことで、設計を担当したパナソニック技術本部ホームエンターテインメント開発センター係長志波正之氏は「SL-1200MK6までは”DJ専用機”に近いような認識を頂いていると思いますが、今回のSL-1200Gに関しては、外観はそれまでのモデルを踏襲しつつも、内部はハイファイオーディオ用に全て設計を見直しており、試聴した方々からも『進化が著しい』と高評価を頂いています」と自信を伺わせた。

ナガオカ、東洋化成は今回のイベントタイトルにも掲げられた〝Made In Japan〟＝品質へのこだわり、職人技へ言及。東洋化成レコード事業部部長石丸仁氏はレコードの品質管理について「JIS規格の遵守と、材料調達を除いて、生産に一貫性を持たせるためにカッティングからプレスまで全ての工程を、国内かつ我が社一社でまかなうことで、問題への対処や納期面も含めてスピーディーに対応しています」と語った。アナログ再評価とともにオーダーも年々増えているそうで、「だからこそ、より品質管理を重視しないといけない」と気を引き締めていた。

レコード再発見プロジェクト第二弾
また、ナガオカ製品は全製品を山形の工場で生産しており、ナガオカ技術アドバイザー寺村博氏は「最終段階は人間の手で組むことになるので、どうしても熟練の技が必要。ある意味〝Made In Japan〟の粋みたいな部分だと思います」と職人技の重要性を説いた。また、桑田佳祐の新曲『ヨシ子さん』の歌詞でも言及されているナガオカへは各方面から問い合わせが殺到しているそうで、寺村氏も「桑田さんも我が社の製品をお使いいただいているんじゃないでしょうか」と笑顔で応えた。

そして、この日のトークゲストであるシンガーの土岐麻子さんが登壇。これまでもアナログで作品をリリースをしてきた土岐さんは、幼い頃から「音楽を聴く」といったらアナログだったそうで、「アナログの影響はもちろん自分の作品にも反映されていて、その作品をまたアナログで再生できるのが、個人的にはとても嬉しいですし、音楽をやっていて良かったと思える瞬間の一つ」と土岐さん。

アナログ再評価の流れについて「私が学生時代のときにもアナログブームがあったんですが、私たちは幼い頃にアナログに触れていた世代で、懐かしさもあって古いレコードを掘り起こしていました。でも、今の20代の方々はそういう記憶もなく、より高解像度の音源もある中で、アナログに”個性”を見出しているようで、その捉え方は新鮮であり、未来があるように思います」と語った。

レコード再発見プロジェクト第二弾
自身の7inch『Beautiful Day』に針をおろす土岐麻子さん

続いて、今回のイベントのためにアルバム『Bitter Sweet』から特別に切られた7inch『Beautiful Day』を参加者と一緒に試聴。土岐さんは「この曲はレトロなイメージを表現しているので、アナログで聴くとさらにマッチして、『自分の聴きたかった音はこれだ!』って思いました」と感想を述べ、最後に「アナログは生活の一部であり、永遠の憧れでもあります。ミュージシャンが作品をアナログでリリースできる幸せが長く続くように、テクニクスさん、ナガオカさん、東洋化成さんには頑張って頂きたいです」と三社にエール。その後。土岐さんと参加者は、普段は見ることができない東洋化成末広工場のカッティングルーム〜プレス工程を順次見学し、イベントは終了した。

尚、アナログレコードの祭典「レコードの日」が今年も11月3日に開催されることも同時に発表されている。

レコード再発見プロジェクト第二弾

「レコード再発見プロジェクト」公式ホームページ
http://rediscover.jp/