ストリーミングサービス主催のアワードが音楽シーンを変える「Melon Music Awards 2016」
2016年11月16日夜、韓国・高尺(コチョク)スカイドームで開催れた「Melon Music Awards 2016」(以下、MMA)。EXO、防弾少年団、TWICEといった、韓国の音楽シーンの”今”を代表する錚々たるアーティストが出演した。
このMMAはメディア主催のアワードでは無く、韓国No.1音楽サイト「Melon」が主催するミュージックアワードで、会場は約2万人キャパのドームで開催されている巨大イベントである。
音楽サービスとしてのMelonは、数百万人の有料ユーザーが登録するデジタル音楽市場=韓国の音楽市場で市場シェア1位の座を誇るサービスで、2004年に通信会社のSK Telecomが設立し、2009年からはLOEN Entertainmentがサービスを運営、2016年には韓国No.1のメッセージングサービスKakaoが買収した。
2009年からMMAがスタートし、ストリーミング数と投票により各賞の受賞者を選出して表彰し、出演者のパフォーマンスが楽しめる、いわゆる”アワード・ショー”のスタイルとなっている。
MMAに出演するアーティストは、まず年間ランキングTOP10に入る全員を表彰する。Melonが提供するTOP100プレイリストは韓国の音楽シーンでも大きな影響力を持ち、一説によるとこのランキングに入らなければヒットになる確立がかなり低くなる、とも言われている。それだけ、ストリーミング・ランキング争いが激しく、裏を返せばTOP100プレイリストが今の韓国の音楽シーンをそのまま映す鏡とも言えるだろう。
音楽サービスが主催している特色として、幅広いジャンルの賞が用意されている事が挙げられる。ロック、R&B/バラードといったお馴染みのものから、フォーク/ブルース、OST(サントラ)、トロット(韓国における演歌的なジャンル)、そしてインディーといった部門まで授賞される。
またK-POPの中国市場への進出が進んでいる事を反映して、中国国内で最大の音楽サービス、テンセントのQQ MusicによるQQ Music Asia Star賞がQQ Musicのゼネラル・マネージャー、Andy Ngから授与され、コメントの中で「QQ MusicはもっとK-POPとコラボレーション」したいと述べ、K-POPの国境を超えた拡がりが理解できる場面だった。
主な賞であるベスト・アルバム賞は防弾少年団、ベスト・ソング賞はTWICE、そして2016年のベスト・アーティスト賞は会場の声援の大きさそのままにEXOが受賞した。
既に音楽売上の過半数をデジタルが占める韓国らしいアワード・ショーで日本でもM-ON TVで生中継、放送されているが、日本でもこうしたデジタルサービスが主催するアワード・ショーが開催される事で、新たな人気アーティストが台頭する機会が増えていくだろう。
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