シンクパワーが新しい歌詞探索ツール「Lyric Jumper」公開、歌詞のトピックに着目して傾向や違いを可視化
シンクパワーと、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、産総研)の情報技術研究部門・後藤真孝首席研究員、メディアインタラクション研究グループ・佃洸摂研究員、石田啓介テクニカルスタッフらは共同で、歌詞のトピックを可視化して、膨大な曲の歌詞の中から興味のある歌詞を見つけることができる歌詞探索ツール「Lyric Jumper(リリック ジャンパー)」を開発した。シンクパワーが運営する歌詞配信サービス「プチリリ」内で、無料で利用できるツールとして2月21日に一般に公開する。
「Lyric Jumper」は、「プチリリ」が配信する歌詞データの一部(開始時は約15万曲)を、産総研が開発した歌詞トピック解析技術を用いて自動解析し、歌詞に出てくる単語の出現の仕方から、楽曲ごとのトピックを自動推定することで実現した歌詞探索ツール。自動推定された各トピックには、単語の出現傾向から、「大人の恋愛(男性編)」「大人の恋愛(女性編)」「夢と未来」「硬派」「センチメンタル」といった名称がラベル付けされており、利用者はトピックを手掛かりにさまざまな探索を行える。
アーティストによって歌詞のトピックの傾向には違いがあり、また同じアーティストでも楽曲によって異なるトピックがラベル付けされる。「Lyric Jumper」は、こうした傾向や違いを可視化して、利用者がトピックに基づいて新たなアーティストや歌詞を次々と探索できるユーザインタフェースをウェブ上で提供する。
シンクパワーと産総研は、今後も引き続き両者で共同開発を進め、「Lyric Jumper」の機能を向上させるとともに、シンクパワーが保有する大規模な歌詞データを活用して研究開発を進めている「歌詞のレコメンドエンジン」の実用化に取り組んでいく予定としている。
歌詞探索ツール「Lyric Jumper(リリック ジャンパー)」
https://lyric-jumper.petitlyrics.com/
歌詞配信サービス「プチリリ」
http://petitlyrics.com/
「Lyric Jumper」では、従来の単純な曲名選択や歌詞フレーズ検索では不可能だった、下記の5つの機能のような新たな切り口による歌詞との出会いや発見を実現する。利用者は、パソコンかスマートフォンのウェブブラウザで「Lyric Jumper」にアクセスして無料で利用できる。それぞれの図の左側がパソコンでの画面表示例、右側がスマートフォンでの画面表示例を示し、図の下の説明ではパソコン上での操作を紹介する。
アーティストの持ち歌にはいろいろな歌詞がある。「Lyric Jumper」は、それぞれの歌詞を20個の代表的なトピックのいずれかに分類し、アーティストの持ち歌の歌詞の傾向をトピックの比率として可視化する機能を実現した。たとえば「夢と未来」のトピックの歌詞が持ち歌に多ければ、それが大きく表示される。さらに、トピックの比率が似ている、つまり歌詞の傾向が似ている他のアーティスト名も同じ画面に表示させることができる。この機能により、利用者がアーティストごとの歌詞の特徴を把握しやすくなるとともに、歌詞の傾向が似た別のアーティストを発見することができる。
「大人の恋愛(男性編)」のトピックの歌詞が多いアーティストの表示例
「夢と未来」のトピックの歌詞が多いアーティストの表示例
利用者が興味のあるトピックを選択すると、そのトピックに分類された持ち歌の比率の高さと数の多さに基づいてアーティスト名がリストアップされる機能を実現した。これにより利用者は、自身が関心をもつトピックの曲を歌うアーティストを知ることができ、さらに、意外なアーティストがそのトピックの曲を歌っていたことも発見できる。
トピック別アーティストのリストアップ機能
アーティストの持ち歌を、利用者が選択したトピックに絞りこんでその曲名一覧を表示する機能を実現した。これにより利用者は、そのトピックに分類された曲を容易に選択してその歌詞を見ることができる。
歌詞のトピックによる絞り込み機能
トピックを参考に曲名を選択すると、その歌詞を表示する際に、そのトピックに特に関連深いフレーズ(行)が目立つように文字サイズと色を変えて強調表示する機能を実現した。これにより利用者は、一目で歌詞の特徴をつかむことができる。
トピックと関連が深いフレーズがすぐわかる歌詞表示機能
フレーズ発掘ボタンを押すと、中央に表示されたアーティストのさまざまな歌詞の中から、トピックと関連が深いフレーズが抜き出されて、次々と表示される機能を実現した。これにより利用者は、従来の曲名検索とは異なる方法で歌詞を発見して楽しむことができる。
フレーズ発掘ボタン機能
関連リンク
関連リンクはありません