JASRAC 音楽教室における演奏権について会見を実施、3通りの方式で使用料を徴収
日本音楽著作権協会(JASRAC)は、6月7日、楽器教室における著作権使用料について記者会見を行い、新たに「音楽教室における演奏等」を設ける旨等の届け出を文化庁に行ったと発表した。
今回の届け出では、楽器教室だけでなく、ボーカルレッスンなどの歌唱指導も含める規定を新たに制定。また、使用料の徴収方法として、JASRACの管理する楽曲を利用した講座の収入から、1)教室事業者が受けた前年度の受講料徴収の2.5%を使用料として徴収する「年額使用料」、2)受講者数と受講料からみた売上に対し、5%相当の額を徴収する「月額使用料」、3)受講者数と受講料からみた売上に対し、0.5%相当の額を徴収する「曲別使用料(1曲1回5分まで)」の3通り方式が設けられる。
例えば、先生が演奏・歌唱した場合、生徒が演奏・歌唱した場合の両方に演奏権は発生するため、「曲別使用料」を選択した場合は2曲分の使用料が発生することになる。
また、2.5%の使用料はあくまでも上限規定であり、「音楽教育を守る会」などから具体的な規定の実施にあたって協議の申し出があれば、いつでも協議に応じる準備があるとしている。
2)月額使用料
3)曲別使用料(1曲1回5分まで)
今後は、10月を目処に書面もしくは面談で許諾手続きを進めていき、2018年1月より実施する予定。開始当初は、楽器店・楽器メーカーの運営している約9,000の教室を対象に徴収を行い、個人運営の約2,000教室については、管理体制が整った段階で対象にしていく方針だ。
これまでの経緯として、JASRACは、今年1月、音楽教室などで楽曲を使用する場合、生徒も不特定の「公衆」にあたり、公衆に聞かせることを目的に楽曲を演奏や歌唱は「演奏権」に及ぶとして、2018年1月より著作権料を徴収する方針を固めた。
これを受け、ヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所など、JASRACの方針に反対する音楽教育事業者が「音楽教育を守る会」を設立。5月30日には「音楽教育を守る会」に参加している約270団体が集団提訴することを公表している。
■日本音楽著作権協会(JASRAC):http://www.jasrac.or.jp/
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