Spotify、ビジネスの次の一手は「ポッドキャスト」?
定額制音楽ストリーミングサービス最大手「Spotify」は、新たな収益源を確保するため、近年急速に注目が集まるポッドキャストを強化していくかもしれません。
ブルームバーグが報じた情報によれば、現在Spotifyはポッドキャスト配信を強化する取り組みに注力し始め、この分野での可能性を探っているとしています。
ポッドキャスト配信プラットフォームは、現在アップルの独壇場でした。しかし、近年ポッドキャスト配信市場の70%以上を占めていたアップルも現在は55%程度に低下していると言われています。
Spotifyではメインとなるコンテンツが音楽ストリーミングであるため、ポッドキャストやラジオ、動画を探しているユーザーは、必然的にSpotifyアプリを離脱し、Apple MusicまたはYouTubeアプリへ切り替える現状は、アプリでの滞在時間と利益を伸ばしたいSpotifyにとって課題の一つです。
特にSpotifyにとって、楽曲の再生時間に応じてレーベルやアーティストに支払われるロイヤリティの規模が現在は総収益の約75%を占めるほど大きく増えているため、新しいコンテンツからの売上は、この状況を改善する可能性を秘めていると言えるでしょう。
すでにSpotifyはアプリ内にポッドキャスト番組を展開しており、今後はさらに多くの番組の配信をSpotify上で行うため、ポッドキャスターたちの拡充と、番組訴求のための取り組みが期待されます。
ポッドキャスト配信には、アップルの他に、SoundCloudやPandora、TuneInなどのサービスがすでに取り組んでいます。
ポッドキャスト業界とSpotifyの取り組み
すでにSpotifyは、『Reply All』などを制作するポッドキャスト番組制作スタートアップの「Glimlet Media」とパートナーシップを組み、Spotifyで先行配信するオリジナル番組の制作に入っています。関係者の話によれば、Spotifyは配信プラットフォームを提供する以外に、番組制作の資金を提供して、より多くの選択肢を確保する施策だと伝えられています。
Spotifyは近い将来のIPOに向けた準備を進めている段階で、コンテンツ配信の分野では、メジャーレーベルのユニバーサルミュージックとソニーミュージック、インディーズレーベル団体Merlinとライセンス契約を更新してきました。残る一つのワーナーミュージックとの契約交渉も間もなく締結すると言われており、これらの契約によってSpotifyは音楽配信事業やプレイリスト戦略を引き続き強化できることが最も大きな利点と見られています。
記事提供:All Digital Music