MIYAVIとBeatsのプレジデント ルーク・ウッドの対談が実現、「ぶっちゃけアーティストよりもマネージャーに向いてる」
「WIRED」日本版が国内外のゲストを招き毎年開催している1Dayカンファレンス「WIRED CONFERENCE 2017(ワイアード・カンファレンス)」が、10月10日六本木アカデミーヒルズにて開催された。
今年は「WRD. IDNTTY.(ワイアード・アイデンティティ)」と題し、哲学、経済、ジャーナリズム、カルチャーといった様々な分野のキーパーソンが登壇し、多様性を生み出す方法論やアイデンティティの再定義がテーマとなっている。
このカンファレンスのスペシャルゲストとして、MIYAVIが登場。音楽とカルチャーを横断したプロダクトが高く評価されているオーディオブランドBeats by Dr. Dreのプレジデントであるルーク・ウッドとのトークセッションが実現した。
今回2人が語り合ったテーマは「Do You! ほかの誰にもできない音楽」。
まず、Beats by Dr. Dreのグローバル・キャンペーン動画「Got No Strings」にMIYAVIが起用された経緯について、「MIYAVIさんと仕事をすることは我々にとって必然でした。彼は恐怖を持たず常に音楽や文化に対して新しい挑戦をしています。そして彼の演奏スタイルは彼自身が確立したもので、他に同じように演奏できる人はいないんです。彼は世界でも最高のギタープレイヤーだと思います。彼は本物です。世界にたった一人の、しかもオリジナルであり独創的なアーティストです」と語ったルーク。
これに対しMIYAVIは、「非常に光栄なことですし、Beatsというブランドに対してクリエイターとしての信念とアティチュードを感じたのでぜひやらせてほしいと思いました。彼の音楽に対する熱意とこだわりが、Beatsのプロダクトに引き継がれているんだなと感じながら、1ファンとして仕事をさせていただいています」とBeatsのプロダクトに対してリスペクトをしている様子がうかがえた。
続いて話はMIYAVIのプレイスタイルに移り、「ギターという西洋の文化から来た楽器を演奏する上で、1アジア人の自分が西洋の楽器を弾くアイデンティティをどこに見いだせるかを、特に海外を回っていると感じるんですね。自分が弾く意義はなんだろうと思ったときに、三味線のアイデアと1音にかけるパッションをギターにぶつけたいと思ってこのスタイルを始めました」と、海外での体験や三味線が独自のスタイルを生み出すきっかけになったことを明かした。
“天命”についての話の中でMIYAVIは、「ぶっちゃけアーティストよりもマネージャーに向いてると思うんですよ。ロジカルな方が得意なんです」と自身の意外な性格も口にした。
また「ただ自分が熱中して自分のスタイルをみつけることに没頭できたから天命だと言ってるだけであって、たぶん何でもよかったと思うんですよ」というMIYAVIの言葉に対し、ルークは、「成功している人は複数の分野で成功できるんですね。それは怖がらないからだと思います。ほとんどの人は自分が居心地が良くないところは嫌がるし怖がるんです。しかし素晴らしいクリエイティブな人たちは、居心地の悪いところに入っていって、居心地が悪い場所も良くできるんです。それは簡単じゃないですよ」と、ルーク自身が感じた成功者の共通点について語った。
そして「才能についてはどのようにお考えでしょうか?」という質問に、MIYAVIは、「綺麗事に聞こえるかもしれないですが、才能があるとしたら物事に夢中になって楽しめることだと思います。好きだけじゃできないし、好きなことをやる以上責任も伴いますし。そういう意味でどれだけ打ち込めるかじゃないですかね。すべての人に才能とチャンスはあると思ってます」と答え、重ねてルークは「情熱があれば十分だと思います。情熱があれば、自然と自分の才能を発揮できるところにたどり着けると思います」と語り、トークセッションを締めくくった。
予定の時間を延長して行われた2人のトークセッションは、満員の会場から盛大な拍手が送られ、大盛況の中終了した。