音楽著作物の権利情報を一括検索できる「音楽権利情報検索ナビ」2月に期間限定公開、ニーズの把握や使い勝手等を検証
音楽関係団体等で構成する権利情報集約化等協議会は、2月1日、平成29年度文化庁「コンテンツの権利情報集約化等に向けた実証事業」の一環として、音楽著作物の権利情報を一括検索できるウェブサイト「音楽権利情報検索ナビ」を開設する。
スマートフォンや動画投稿サイトなどを使って、誰もが簡単に多様な著作物を楽しむことができ、また同時に自分が創作した著作物を手軽に公開できる「一億総クリエーター」「一億総ユーザー」時代にあって、著作物の適法かつ円滑な利用を促進する必要性がますます高まっている。
そうしたなか、文化庁は、文化審議会著作権分科会等での議論を経て、コンテンツの権利処理の円滑化を目的として、まずは音楽分野の権利情報を一括検索できるプラットフォームの構築に向けた実証に取り組んでいる。
「音楽権利情報検索ナビ」は、まずはCDで発行されている音楽コンテンツに的を絞り、同協議会に参加する各団体・事業者が独自に保有するデータを統合して基本データベースを構築している。
日本レコード協会が提供する製品及び収録曲データ、JASRACやNexToneが提供する作品データ、芸団協CPRAが提供する実演家データに加えて、これまでデータベース化されていなかったインディーズ系レーベルやボカロPなどネット系クリエーターの楽曲データも全てワンストップで検索することが可能。
この一括検索サイトは、音楽著作物を利活用しようとする誰でもが、権利者情報や作品情報、製品番号などの情報を簡単に検索することができるので、スムースな権利処理を促進することが期待される。
今回は、2月1日から28日までの限られた公開期間となるが、実際にユーザーに利用してもらうことで、ニーズの把握や使い勝手等を検証する。権利情報集約化等協議会では、この「音楽権利情報検索ナビ」を通じた実証実験が、今後、他の分野の著作物を含めた一元的な権利処理を可能とするプラットフォーム構築につながるよう、公開終了後には利用状況の分析や課題検討などを行う予定。