“エンタテインメント体験の拡張”をテーマにしたロングラン・ハッカソン「Live HACKASONG」最終審査結果発表
Billboard JAPANとCiP協議会が共同で開催するハッカソン「Live HACKASONG」の最終審査と表彰式が、1月30日にビルボードライブ東京で行われた。
昨年11月よりスタートした「Live HACKASONG」は、ライブとテクノロジーを組み合わせた新しい技術やアイディアを競い合うもので、約3ヶ月間にわたるロングラン・ハッカソン。
前年に引き続き2回目の開催となる今回は、NTT西日本、ネストビジュアル、レコチョク、1→10の4社が技術を提供。一般応募による参加者が“エンタテインメント体験の拡張”をテーマに新技術開発の成果をプレゼンテーションした。
この日審査員を務めたのは、中村伊知哉氏(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)、玉井健二氏(音楽プロデューサー)、案納俊昭氏(スペースシャワーネットワーク取締役兼執行役員)、佐藤一毅氏(国際オタクイベント協会代表)、ジェイ・コウガミ氏(デジタル音楽ジャーナリスト)の5名。MCは大地洋輔(ダイノジ)と佐藤千尋(慶應義塾大学)が担当した。
最終審査にはマユラーサナ、familiar、SDM、EnJoy’n、上海ブギ、Beat Spaceの6チームが参加。アーティストのライブ演奏を交えたデモンストレーションなど、各チームとも趣向を凝らしたプレゼンで、新たな演出技術やライブ会場以外での疑似体験といった独創的な作品を披露した。
全てのプレゼンテーションが終了し、審査員と来場者による投票で各賞の受賞者が決定。昨年の優秀賞にも選ばれたチーム・SDMによる、4Kの360°映像とハイレゾ音源を使用した「LiVRation」が最優秀賞・会場賞のダブル受賞を果たした。
「LiVRation」は、ボーカルのアカペラ、ドラムの音源だけを抽出して聞くことができたり、ライブ会場の空中にいたらこんな風に聞こえるなど、“ライブに参加した人にもできない体験”を可能にするVR配信サービス。中村伊知哉氏も「これ欲しいです!実際にライブに見に行くことを超えるエンタメの可能性を感じました。」と完成度の高さに驚きのコメントを寄せていた。
優秀賞は、familiarによるSpotifyのアカウントを使用して、ライブを一緒に楽しめる人と出会えるアプリ「LIVEOUT」が獲得。今回のテーマ“であるエンタテインメント体験の拡張”の合致と、フェスや大きなイベント、スポーツなど様々な応用が利くコンテンツとして、今後の可能性に大きく期待が寄せられ受賞を果たした。
なお、最優秀賞を獲得した「LiVRation」は、ビルボードライブ東京のエントランスにて1か月間展示される。
他チームの作品も「すぐに商品化ができる」「実サービスに近い作品」という評価が出るほど、高いクオリティとファン体験にフォーカスした作品が出揃っていた。
ライブ会場の観客をグループ毎に分けて、観客の盛り上がりに合わせて色の変化で貢献度がわかるアプリケーションや、3Dスキャンした自分自身の画像データでアーティストと同じ舞台に立つことができるアプリサービス。
また、アーティストの言葉でライブ演出をコントロールしたり、海外アーティストのMCをリアルタイムで翻訳するシステム。ホロレンズを活用したライブ空間演出では、ダイノジ・大地がその技術を体験し、仮谷せいらの生パフォーマンスとあわせた空間演出に始終感動した様子を見せていた。
プレゼン終了後には、仮谷せいらによるスペシャルライブも披露。MCでは「いつか私も、新しい技術を使ったライブにチャレンジしていきたいです!」とコメントし、アーティスト自身も大きく期待を寄せるイベント内容だったことがうかがえる。
最後には審査委員長を務めた中村伊知哉氏が、「“エンタテインメントの体験を拡張”として、3ヶ月にわたって開催された今回のハッカソンですが、すぐに商品化できるものがたくさん生まれました。これらの素晴らしい作品を実際にサービスとして商用化していくことが大事だと思いますので、今後もこういった場所を盛り上げるためにみなさまの協力をお願い致します。」と総評を述べ、本ハッカソンを締めくくった。
LINE LIVE「Live Hackasong 最終発表&表彰式」アーカイブ映像
https://live.line.me/channels/432/broadcast/7071676