クールジャパン機構 新代表に元ソニーミュージックCEO 北川氏が就任、今後の方針を発表
日本の商品・サービスの海外展開を支援する官民ファンド、クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)は、7月30日、元ソニー・ミュージックエンタテイメント 代表取締役CEOの北川直樹氏が、今年6月に同機構の代表取締役に就任し、新役員体制となって初の記者会見を実施。今後の方針を発表した。
北川氏は代表就任後の方針として、「引き続き『メディア・コンテンツ』『ファッション・ライフスタイル』『食・サービス』を基本に、インバウンドにも注力していく」とし、「この5年間を踏まえてより高い精度の投資ができると考えています。投資の精度を上げて、民間ができないような高いリスクの案件へのチャレンジと、日本の魅力を海外に伝えて、波及効果が生まれるような投資をしたい」と抱負を語った。
また、郵政省、モルガン・スタンレー、ペルミラ・アドバイザーズ日本法人代表を経て、同機構の専務取締役COOに就任した加藤有治氏は、<キャッシュフロー投資重視>、<現地パートナー重視>、<グローバルシナジー追求>、<投資手法の多様化>、<ポートフォリオ最適化>と5つの投資方針を挙げ、「明らかに将来が厳しいものは早めのエグジットを図り、回復が不可能だと判断したものを早めに見切ることは投資の定石ですが、29件の投資実績のうち大多数は順調であり、今後の収益化が期待できる」と語った。
個別案件の評価方法は通常の投資会社と同等だが、官民ファンドとしては経済への波及効果を重要視していることから、波及効果を測定するKPIを独自に設定。それを定性的・定量的に判断した上で、「官民ファンドの投資案件として日本経済にどれだけ貢献しているか」で評価していくそうだ。