一般社団法人アーティストコモンズが事業説明会を開催、共通のアーティストID活用で独自のエコシステム形成を目指す
一般社団法人日本音楽事業者協会、一般社団法人日本音楽制作者連盟、一般社団法人コンサートプロモーターズ協会の音楽・エンタテインメント関係3団体は、音楽エンタメ関連5団体、2企業と共に、円滑なメディア・コンテンツサービス連携を実現していく事を目的とした新団体、一般社団法人アーティストコモンズを8月1日に共同で設立。本日8月7日、事業説明会を開催した。
AI、ブロックチェーン、IoT、5G、VRなどエンタテインメントの世界にも次々と新しいテクノロジーの波が押し寄せる一方、スマートフォン中心のメディア環境において、ユーザーは、アーティストが生み出す多様なコンテンツに出会う機会が少なくなっている。
中でも、映像・音源配信、チケット、ニュース、ランキング、放送などの様々なサービス連携が十分でないことや、利用状況の把握、権利許諾が難しいことが一因だと考えられており、サービス連携を容易にしてアーティストの付加価値を高める情報基盤を構築するために、2014年10月から、共通のアーティストID「AC-ID」の付番と連携プログラム「AC-API」を、音楽・エンタテインメント関連団体と学術研究機関が共同で開発・提供する研究・実証を重ねてきた。
結果、これらの実証結果の有用性を確認できたため、事業の継続的・安定的な運営を行う新団体を設立する運びとなった。
アーティストの才能と魅力を広く知らしめ、その付加価値を最大化することによりエンタテインメント産業文化振興とその継承・保全に貢献することを理念としたアーティストコモンズは、「AC-ID」の付番と「AC-API」の提供を事業とする。
「AC-ID」は、ラジオのオンエア楽曲とライブチケットなどのサービス連携に関する試験サービスがすでに開始しており、今後は、テレビの同時配信、キャッチアップサービスなどに伴う正確な使用状況の把握、ユーザーの利便性向上など様々な分野での応用が考えられている。また、オフィシャルでない写真利用の抑止などが可能になる。
すでに音楽アーティストから先行して付番を開始しているが、今後はタレント、俳優、スポーツ選手、文化人などに対象を広げていくとのこと。個別のメディア・サービスの自律性を担保しつつ、「AC-ID」と「AC-API」によって連携することにより、メガプラットフォームとは異なるエコシステムの形成を目指していく。
アーティストコモンズの事業説明を行った理事長 三浦文夫氏(関西大学社会学部教授)は、「それぞれが『AC-ID』と『AC-API』だけで自立的にサービスを展開して頂くのが最終目標だが、この一年間はサーバーの運用や業者間の調整を行うなど柔軟に対応するなどして、まずは事例作りを優先させていきたいので、遠慮なくご相談頂きたい」と語った。
「一般社団法人アーティストコモンズ」概要
設立:2019年8月1日
社員:
一般社団法人日本音楽事業者協会(JAME)
一般社団法人日本音楽制作者連盟(FMPJ)
一般社団法人コンサートプロモーターズ協会(ACPC)
準社員:
一般社団法人日本レコード協会(RIAJ)
一般社団法人日本音楽出版社協会(MPA)
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター(CPRA)
一般社団法人著作権情報集中処理機構(CDC)
一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)
株式会社レコチョク
株式会社NexTone
理事:
会長 中井猛氏(株式会社スペースシャワーネットワーク相談役)
理事長 三浦文夫氏(関西大学社会学部教授)
専務理事 松野玲氏(株式会社VVJ代表取締役社長)
理事
中井秀範氏(一般社団法人日本音楽事業者協会専務理事)
浅川真次氏(一般社団法人日本音楽制作者連盟副理事長)
横山和司氏(一般社団法人コンサートプロモーターズ協会常務理事)
監事:椎名和夫氏(公益社団法人日本芸能実演家団体協議会・実演家著作隣接権センター(CPRA)運営委員)
顧問:
中村伊知哉氏(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)
菊池尚人氏(一般社団法人CiP協議会専務理事)
竹田秀一氏(ジャパンミュージックネットワーク株式会社代表取締役)
尾崎常道氏(株式会社ネクストウェーブ代表取締役)
福井健策氏(骨董通り法律事務所弁護士)
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