オンキヨー2019年4月〜12月期、純損失41億円
オンキヨーは2月14日、2020年3月期第3四半期の連結業績(2019年4月1日〜12月31日)を発表した。
当第3四半期連結累計期間の経営成績は、売上高が前年同期比45.4%減収の183億6,400万円、営業損益は前年同期比18億5,800万円悪化の34億1,600万円の営業損失、経常損益は前年同期比14億5,300万円悪化の36億1,700万円の経常損失となった。また、親会社株主に帰属する四半期純損益は前年同期比36億6,100万円悪化の41億3,400万円の親会社株主に帰属する四半期純損失となった。
AV事業は、欧州や日本以外のアジア地域に波及したUltra HDブルーレイ再生に対応したユニバーサルディスクプレーヤーが堅調に推移した。さらに日本では、住宅メーカー向けのインストールビジネスが伸長したものの、全世界的なホームオーディオ市場の縮小や、主力事業のAVレシーバーの全世界的な低迷に加え、欧州子会社の譲渡に伴い、売上高が減少している。また、AV事業の譲渡が中止となったため、売却代金によって解消を予定していた営業債務の支払遅延が継続したことにより、一部取引先から取引条件の見直しを要請されており、生産を縮小・停止をせざるを得ない状況に陥ったことから、販売機会損失による売上減少が発生し、売上高は前年同期比56.1%減収の100億700万円となった。損益は、構造改革や欧州子会社の事業譲渡による販売効率の強化が進んだものの、売上高減少による売上総利益の減少が響き、前年同期比18億7,500万円悪化となる7億3,400万円のセグメント損失となった。
デジタルライフ事業は、欧州・国内ともに高付加価値のワイヤレスイヤホンが堅調に推移し、さらに国内ではファッションブランドのサマンサタバサジャパンリミテッド、エイベックスと3社共同で製品開発を進めた「サマンサワイヤレスイヤホン」や、人気アニメなどとのコラボモデルの販売が引き続き好調に推移した。また、日本において代理店販売を開始したKlipsch社のワイヤレスイヤホン販売も好調だった。しかし、AV事業と同様に欧州子会社の譲渡に伴う外部売上高の減少影響や、営業債務の支払遅延の継続により、一部取引先から取引条件の見直しの要請により生産を縮小・停止をせざるを得ない状況に陥ったことから、販売機会損失による売上減少が発生し、売上高は前年同期比41.1%減収の30億9,300万円となった。損益は、コラボモデルの販売増や、欧州子会社の事業譲渡による販売効率向上の利益効果はあるものの、売上高減少による売上総利益の減少が響き、前年同期比2億2,100万円悪化となる6億4,400万円のセグメント損失となった。
OEM事業は、基幹カテゴリの車載用スピーカーや「Sound by Onkyo」などのサブブランドを付したテレビ用スピーカーが安定した販売を維持している。また、スマートフォンに同梱されたパイオニアブランドのイヤホンや、PC向けスピーカーの受注も好調に推移している。さらにインド合弁会社の操業度改善による生産・販売が本格化したものの、前年度末に譲渡した国内子会社2社の売上高が計上されなくなったことなどにより、売上高は前年同期比5.0%減収の52億6,300万円となった。損益は、構造改革による固定費の削減や、インド合弁会社の生産移管が進んだことに伴う生産コストの改善等により、前年同期比4億5,700万円改善の9,900万円のセグメント損失となった。
2019年3月期の連結業績予想は、2019年11月14日に公表から変更。売上高は前回予想から70億円減少の250億円、営業損益は前回予想から24億円減の49億円の営業損失、経常損益は前回予想から24億5,000万円減の51億円の経常損失、親会社株主に帰属する純損益は前回予想から26億円減の純損失56億円となる見通しと下方修正した。