新型コロナウイルスからライブ・エンタテイメントを守る超党派議員の会を開催、中止・延期公演数は1,550公演 損害額は450億円に
3月17日、衆議院第一議員会館 多目的ホールにて新型コロナウイルスからライブ・エンタテイメントを守る超党派議員の会が行われた。超党派チケット高額転売問題対策議員連盟 共同代表 衆議院議員 石破茂氏、衆議院議員 古川元久氏をはじめ、党派を超えた国会議員と、ライブ・エンタテイメントに関連するコンサートプロモーターズ協会、日本音楽制作者連盟、日本音楽事業者協会、日本2.5次元ミュージカル協会など多くの業界団体が参加した。
冒頭、石破氏は「国民の健康を守ることが第一であることは間違いないが、同時にこのままいったらライブ・エンタテイメント業界の人々の生活は全く成り立たない。これに我々は何をどうするべきか答えを出さなければならない」と挨拶。
現状報告を行ったコンサートプロモーターズ協会会長 中西健夫氏は「今一番困っているのは、いつ再開したらいいのかオフィシャルなことがないこと。どの産業も苦しんでいるのは十分理解しているが、ライブ・エンタテイメントは興行が成り立って初めて売上が立つ業界。延期も容易ではないし、この状況が続くようではもたない」と強い危機感を示した。また中西氏は、「世界に先駆けたチケット高額転売対策と同様に、日本が『このようにすれば再開できる』というモデルケースを作っていけばいいのではないか」と提案した。
ライブ・エンタテイメント業界は、政府からのイベント中止・延期・規模縮小の自粛要請を受け、多くの事業者が「自主的判断」のもと音楽コンサートや舞台公演等の開催中止ないし延期措置を講じた結果、2月以降3月末までの中止・延期公演数は1,550公演、損害額推計で約450億円にのぼると報告。
もちろん国内他産業も同様に厳しい経営環境に直面しているが、ライブ・エンタテイメント業界は政府から直接自粛要請を受けた立場であり、イベントの開催可否がそのまま収益に直結し、出演者、専門技術者、会場運営者などには中小個人の事業者が多い業界であるため、自粛の長期化によって事業か継続が困難になり、日本のエンタテイメント文化継承も危ぶまれると訴えた。
今回、国会議員に対して、公演再開に向けた気運の熟成への協力と感染予防対策費用の補助と、損害額への補填、そして官民連携緊密化による協力体制の構築を要望した。
最後に石破氏は「明日どうやって生きていけばいいんだろうと思っている人たち、本当に困っている人たちに対して心を寄せなくてはいけない。いつ、どんな結論を出すのか、時限性を持って取り組んでいきたい」と決意を語った。
出席団体
日本音楽事業者協会、日本音楽制作者連盟、コンサートプロモーターズ協会、ぴあ、日本2.5次元ミュージカル協会、劇団四季、CNプレイガイド、ローソン、イープラス、日本舞台技術安全協会、日本舞台音響事業協同組合、全国舞台テレビ照明事業協同組合、大道具事業協会、日本コンサート舞台監督連絡会、イベントサポート向上連絡会、文化芸術推進フォーラム、全国公立文化施設協会、劇場・音楽堂等連絡協議会、日本クラシック音楽事業協会、日本オーケストラ連盟