音楽系スタートアップの起業家によるピッチイベント「Virtual Demo Day」の様子を日本語字幕付きで公開
エイベックスがパートナーメンバーとして参画している、グローバルの音楽テック系スタートアップのアクセラレーター(起業家支援)プログラム「Techstars Music」が、米国現地時間5月5日に、音楽業界関係者やシリコンバレーを始めとする海外投資家等を対象に「Virtual Demo Day」を開催した。
Techstars Musicは、今後のグローバル音楽市場の著しい成長可能性を背景に、2017年に設立された、音楽特化型のアクセラレータープログラム。毎年、ロサンゼルスに多数の音楽業界関係者やテクノロジー企業の経営者、投資家等を招き、将来性豊かな音楽系スタートアップの起業家と、企業や投資家がマッチングできるイベント「Demo Day」を主催してきた。
今年は、新型コロナウイルスの影響によってオンライン開催となり、イベントは米Billboard Proから全世界へ配信された。今回、5月31日までの期間限定で、日本向けに「Demo Day」の動画が日本語字幕付きで公開される。これは、Techstars Musicが世界第2位という日本の音楽市場の重要性をふまえ、また、メンバー企業としてエイベックス、ソニーグループ、レコチョクという日本の企業が参加していること、近年、日本においても音楽スタートアップ企業への関心が高まってきていることを受けて急遽決定されたものだ。
今回が4年目となる「Demo Day」では、数100社におよぶ世界中の候補企業の中から選ばれたスタートアップ10社の起業家がリモートで参加。それぞれ事業内容を紹介するプレゼンテーションとデモンストレーションを行った。
さらに、Techstars Musicに参加するメンバー企業が紹介され、各社の代表者が動画でコメント出演した。日本からは、エイベックス、ソニーグループ、レコチョクの3社がメンバー企業として参加している。この他に、Warner Music Group、Concord Music、Bill Silva Entertainment、Peloton、Royalty Exchange、Q Prime Management、Entertainment Oneメンバー企業を務めている。イベントでは、2021年のプログラムから、新たにAmazon MusicがTechstars Musicにメンバー企業として参加することも発表された。
2020年のTechstars Musicは、「音楽業界の課題を解決するビジネスの創出」をテーマに、アーリーステージのスタートアップ10社が、世界各地での審査を受け、選ばれた。3カ月間のプログラムを通じて、10社はTechstars Musicから出資を受け、音楽業界やテクノロジー企業、投資家コミュニティから編成される、300人以上のメンターから、事業拡大や技術開発、資金調達に関するアドバイスを受けることができる。既に、VRや楽曲制作、バーチャル・アーティスト、ファン・マーケティング、著作権ビジネスなど、様々な領域で、アーティストや音楽業界各社との連携も始まっている。
Techstars Musicを主宰する、マネージングディレクターのボブ・モクジドロウスキー氏は、同プログラムの現状と、新型コロナウイルスと向き合う今の時代の音楽系スタートアップの起業家について、次のようにコメントを寄せている。
Techstars Musicは今、COVID-19の影響下において、スタートアップ企業の資金調達と、事業の成長を支援することに注力しています。COVID-19によって、音楽やエンタテインメントの未来には、今まで以上に起業家の存在が重要となりました。今後さらに多くの起業家と出会うことを楽しみにしています。
今回、3月以降のLAのロックダウン(外出制限)時期には、Techstars Musicのメンバー企業やメンターたちが率先して動き、起業家と投資家との繋がりを維持するために活躍してくれました。世界各地で厳しい経済状況が続いていますが、投資家との会話は進んでいます。私は、彼らがTechstars Musicのモットーである「#GiveFirst」の精神を示してくれたことに感銘を受けました。
Techstars Musicに参加する起業家たちは、従業員の安全確保に尽力しつつも、既にアフター・コロナの市場での成功を見据えています。危機的状況もリスクを取ることも恐れない彼らの行動に勇気付けられました。