ヤマハ2020年3月期の連結業績、新型コロナ感染拡大などの影響で減収減益
ヤマハは5月26日、2020年3月期の連結業績(2019年4月1日〜2020年3月31日)を発表した。
当連結会計年度の売上収益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマイナス影響137億円、為替のマイナス影響131億円、および部品・装置事業の市況低迷により、前期に対し201億4,500万円(4.6%)減少の4,142億2,700万円となった。
事業利益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響、為替のマイナス影響65億円、および部品・装置事業の悪化により、前期に対し63億9,300万円(12.1%)減少の463億5,200万円となった。
親会社の所有者に帰属する当期利益は、事業利益の減少に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う操業停止損13億8,600万円、および固定資産の減損損失33億3,000万円を計上したことにより、前期に対し57億1,500万円(14.2%)減少の346億2,100万円となった。
楽器事業では、第4四半期は全ての地域で新型コロナウイルスの影響を受けたが、通期では国内以外の全ての地域で増収となった。アコースティックピアノは、店舗閉鎖などの影響により、中国ではほぼ前年並みにとどまり、国内、北米では減収となった。EC(電子商取引)販売の比率が比較的高いギターは全ての地域で、電子楽器は国内以外の全ての地域で増収となった。また、管楽器は国内の吹奏楽需要縮小もあり減収となった。
以上により、楽器事業の売上収益は、前期に対し為替のマイナス影響91億円を含め、101億円(3.6%)減少の2,693億7,100万円となった。事業利益は、為替のマイナス影響48億円を含め、30億6,400万円(7.5%)減少の377億5,000万円となった。
音響機器事業では、業務用音響機器が新型コロナウイルスの影響もあり、北米や中国では減収だったが、国内の音響設備工事で想定通りに納入が進んだことなどから、全体では増収となった。オーディオ機器は、国内は増収だったが、それ以外の地域では減収となった。
以上により、音響機器事業の売上収益は、前期に対し為替のマイナス影響38億円を含め、57億5,100万円(4.8%)減少の1,143億9,200万円となった。事業利益は、為替のマイナス影響17億円を含め、10億4,300万円(10.9%)減少の85億7,100万円となった。
その他の事業では、電子デバイスが増収だったが、FA機器が市況低迷が続き減収となり、当事業の売上収益は、前期に対し42億9,400万円(12.4%)減少の304億6,200万円となった。事業利益は、22億8,400万円(98.7%)減少の3,000万円となった。
2021年3月期の連結業績予想は、新型コロナウイルスの感染拡大が同社グループに与える影響の不確実性が高く、現時点で業績予想を合理的に算定することが困難であることから未定とした。