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ZAIKO、オンラインライブ配信に関するマーケット調査結果を公開 消費者の購買行動や視聴体験が大きく変容

ビジネス

ZAIKOユーザーを対象とした、コロナ禍以降(2020年3月〜8月期)におけるオンラインライブ配信に関するマーケット調査結果

電子チケット販売プラットフォームを提供するZAIKOは、ZAIKOユーザーを対象とした、コロナ禍以降(2020年3月〜8月期)におけるオンラインライブ配信に関するマーケット調査結果を公開した。

今回の調査により、ライブ配信チケットの購入や視聴するために使用されているデバイスのうち、最も多いのは「スマートフォン」であり、Twitterからの流入によるチケットの購入が最も多いということがわかった。また、ライブ配信チケットを購入するタイミングでは、前日までの購入が最も多い約60%であるものの、当日の購入も約30%にのぼるという結果となった。

これまで、ライブチケット購入者に関するデータの殆どは各プレイガイドが所有しており、イベント主催者がそのデータを活用することはできなかった。しかし、ZAIKOは個人情報を除くすべての顧客データをイベント主催者に提供している。これにより、イベント主催者はユーザーの属性や趣向を分析し、マーケティングに活用することができる。さらに、顧客データを活用して、イベント主催者からユーザーに対して直接コミュニケーションをとり、CRM(Customer Relationship Management)ツールとして、次回イベントの告知やスポンサードコンテンツを配信することなども可能だ。

今回ZAIKOは、ライブ配信の利用者の実態・意向や課題に関する調査結果を公開する。現在、ライブ配信を活用しているアーティストやイベント主催者だけでなく、今後の実施を検討している人たちに、本調査結果および、ZAIKOを利用することで得られるユーザーデータを活用してもらい、ライブ・エンタメ業界への貢献を果たしていくことを目的としている。

調査結果詳細

ユーザーデモグラフィック

ライブ配信チケットの購入と視聴には手軽なスマートフォンを使用する人が大半

図1 ユーザーの人口統計

ZAIKOユーザーの人口統計(図1)を見てみると、ライブ配信を購入するデバイスでは、2位のPC(16.2%)に圧倒的な差をつけて、スマートフォン(80.9%)が利用されている結果となった。
ただし、視聴に使用するデバイスの割合ではスマートフォンが61%とトップではあり、視聴場所に拘束されることのないスマートフォンの利用が人気であるものの、PCが2位の33%を占めるなど、購入と視聴で複数のデバイスを使い分けているユーザーがある一定数存在することがわかった。

また、男女比では女性がやや上回っており、年齢では20代後半〜30代前半が最もライブ配信を視聴しており、続いて30代後半〜40代前半のユーザーが多い結果となった。

ライブ配信のチケット購入に使用したデバイス

1位 スマートフォン(80.9%)
2位 PC(16.2%)
3位 タブレット(2.9%)

ライブ配信の視聴に使用したデバイス

1位 スマートフォン(61.2%)
2位 PC(31.8%)
3位 タブレット(7.0%)

ZAIKO上のライブ配信を視聴したユーザーの人口統計

性別:女性 56.5% 男性 43.6%
年齢:1位 26〜34歳(29.7%)
   2位 35〜44歳(24.8%)
   3位 18〜25歳(21.5%)

チケット購入導線

Twitterによる流入がダントツのTOPに

図2 ウェブサイトへのトラフィック

ZAIKOを訪れるユーザーの割合を調べたところ(図2)、SNSからの流入の割合がダントツで多く見られる中で、Twitterを通じての流入が約40%と最も高く、アーティストから発信される鮮度の高い情報が、コアなファンであるユーザーの行動を大きく左右していることを示しており、これまでのプレイガイドによるメルマガでの集客ではなく、アーティストとファンの間で起こる直接的なコミュニケーションから生まれる、これまでと明らかに違ったユーザーの購買行動を読み取ることができる。

ウェブサイトへのトラフィック

1位 Twitter(39.93%)
2位 メディア & 公式サイト(27.96%)
3位 Facebook(4.08%)
4位 Instagram(2.87%)

配信チケット購入のタイミング

当日にチケットを購入する割合が約30%、アーカイブのみは約5%

図3 チケット購入のタイミング

これまで行われてきていたリアルでのライブイベントにおいては、そのほとんどが前売り券という形でチケットが事前に購入されてきたが、有料のライブ配信ではチケット数の上限がなくなったことで、チケットを事前に購入せずに、当日に購入するユーザーの割合が多くなった(図3)。

また、スマートフォンの普及でSNS利用者が大きく増えてきたことにより、ユーザーが得られる情報量が圧倒的に増え、莫大な量の情報の中から、本当に必要である、また体験したいと感じられるモノやコトに対して消費を行うといった、無意識下での情報整理を行うようになってきたことも、チケットの当日購入者の割合が増加した、理由の1つであると考えられる。

ライブ配信視聴ジャンル

ロックのジャンルでアジア圏の女性からの支持が高い

ライブストリーミングイベントにおけるジャンル別の内訳を見てみると、海外での視聴者数ではアイドルのライブ配信が日本に次いで2位にアメリカ、3位に韓国、4位にドイツなのに対し、ロックのジャンルにおいては2位に中国、3位にアメリカ、4〜6位に香港、台湾、韓国などのアジア圏での視聴が多いという結果になった。

男女比についてはアイドルの視聴者では68%が男性であるのに対し、ロックでは83%が女性という結果が出ており、ロックのジャンルではアジア圏の女性からの高い支持を得られているということが伺える。

また、各アーティストカテゴリのユーザーの特徴(図4)は以下となる。

図4 視聴ジャンルの内訳

アイドル

  • 男性ユーザーによる視聴が68%を占めている。
  • 年齢は26歳〜34歳の視聴が多い。

ロック

  • ユーザーの男女比は女性が83%と圧倒的に多い。
  • 年齢で見ると40代前半以下のユーザー視聴が約9割近く(88%)にのぼる。
  • 国外からの視聴ではアジア圏からの注目が高い。

チケット価格

最も多いライブチケットの価格帯は3,000円〜4,000円、全体の35%に

図5 チケット価格の割合

ライブ配信のチケット価格帯に関する調査(図5)では、3,000〜4,000円のチケットが最も販売されていることが判明した。有料のライブ配信が始まった当初は1,000円〜2,000円などリアルのライブ配信に比べて比較的安価なチケットが主流となっていたが、コロナウイルス問題の長期化により、メジャーなアーティストが有料でのライブ配信を開催する割合が高くなり、それに伴いライブ配信におけるチケット単価を押し上げていったことが背景として考えられる。

これらのチケット価格が2020年3月以降エンタメファンに定着しつつある有料ライブ配信の、導入価格帯であることが分かった。

以上の調査から分かる通り、コロナ禍における急激な変化によって、消費者の購買行動や視聴体験は大きく変化した。リアルイベントが徐々に開催できる世の中に戻っていく中でも、イベントのアーカイブ機能や、アーティストとファンの双方向コミュニケーションを生み出す投げ銭・コメント機能、距離の制約なく世界中からライブに参加できるというデジタルならではの便利な機能に対する需要は、形を変えながら残り続けることが予想される。そのため、今後はリアルライブとライブ配信という2つのオプションについて、視聴にかかる費用も含めてユーザー自らが選択することが可能になり、ライブ・エンタメ市場は、リアルとデジタルの掛け合わせによる収益の複線化による、拡大成長を遂げていくと考えられる。

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