「#京都音楽シーン救済プロジェクト」発足、京都にゆかりのある10-FEET タクマらコメントも
京都の音楽シーンを応援するプロジェクト「#京都音楽シーン救済プロジェクト」が発足。本日よりYahoo!ネット募金による募金受付が開始された。
同プロジェクトは、2010年より京都のローカル音楽シーンにまつわるカルチャーを取り上げてきたフリーペーパー「音読(おとよみ)」のメンバーが立ち上げた表現支援協会が主導するもので、Yahoo!ネット募金を通じて募金を募り、集まった支援金は京都市内で営業しているクラブ・ライブハウスに分配される。
第1弾の支援先としては、CLUB METRO、KITSUNE KYOTO、Chambers、WORLD KYOTO、livehouse nano、KYOTO MUSE、UrBANGUILD、GROWLY、GATTACA、磔磔、拾得、11つの施設がラインナップ。これらの支援先も随時追加されていく予定だ。
今回のプロジェクト始動に際して、京都にゆかりのある10-FEET タクマ、FPM 田中知之、キセルもコメントを寄稿している。
12月末に発行されるフリーペーパー『音読』でもこのプロジェクトが特集され、コメントも寄せたキセルのインタビューや京都のライブハウス・クラブの現場レポートなども掲載される。
またこの号に限り、これまでWEBで公開されてこなかった同誌初の試みとして、配布のない地域や新型コロナウイルスの影響で外出を控える読者に配慮し公式WEBサイト上にもPDFで全ページ公開される。
ステートメント
私たちはこれまで、大小様々な場所で鳴っている音楽からたくさんのギフトをもらい、日々の生きるエネルギーにしてきました。そんな音楽を守り育ててきてくれた音楽の現場の人たちの力に少しでもなりたいと考えています。
今後、もう以前のようなクラブやライブハウスには戻れないのかもしれません。いや、もしかしたら2〜3年経てば、戻れるのかもしれないけれど、そこまで残ることのできる場所はどのくらいあるのでしょうか。一度失われたものはもう戻りません。何も無くなった後に新しいカルチャーを生み出し育てるには、壊れるまでにかかった歳月に比べてもっとずっと長くかかるでしょう。
だから、その前に私たちに今できることを少しでもやってみたいと思っています。生き残っていくために新しい試みを。これからも新しい音楽を生み出し続ける京都のローカルシーンをどうか一緒に応援してください。
一般社団法人表現支援協会 代表理事 田中郁后
理事 野田蘭
理事 岡安いつ美
TAKUMA(10-FEET)コメント
僕が所属するバンド10-FEETは京都のライブハウスシーンで育って来たバンドです。僕が初めて出たライブハウスはKYOTO MUSEでその次がアークデュー、VOX HALL、京都whoopees、メトロ、磔磔、都雅都雅、など京都には沢山のライブハウスがあって、僕にとって、10-FEETにとってその全てが母屋です。馬で言うと厩舎ですね。ここで育ち、鍛えられました。心身共にです。
ライブハウスは音楽家やバンドマンを輩出するだけではなく一人一人の人間育成にも繋がってると思います。親の言う事を聞かない奴がライブハウスで出会った仲間、店長、先輩みんなに叱られたり切磋琢磨して色んな事を学びます。単に音楽人を輩出するだけでなく人としてカッコよく生き、この地球をイケてる星にするにあたりとても活躍する存在になってくれると信じています。
パワハラとか誹謗中傷が世間では問題になっていますが、熱い情熱や強い思いを伝えるにあたり僕達はライブハウスを介して伝えます。あの場所で音を介して伝えるとネット上では揉める事や誤解を招く様な事も偏見無く共感できる事が非常に多いです。熱い思いを音に乗せて直接伝えるというライブハウスならではの力だと思っています。
僕はライブハウスは素晴らしい場所だと思っています。コロナ禍の影響により経営内容が逼迫するライブハウスに対して様々な対策が講じられていますがまだまだ状況は苦しく、京都では閉店を余儀なくされる店舗も出てきてます。皆の命や安全が第一ですので、換気や消毒、極端な密を避け、感染拡大を防ぐ事を優先しながらではありますが、なんとかライブハウスの経営、その存続を守っていきたいと考えていますのでここに賛同させていただきます。
田中知之(FPM)コメント
今やスマートフォンを指先でほんの少し操作することで音楽は誰にでも簡単に楽しめてしまいます。無論、それも本物の音楽には変わりありません。しかし、ライブハウスやクラブに於いて、ミュージシャンや DJ とオーディエンスが音楽によって時間と空間を共有し、互いの魂とその場の空気を共鳴させるリアルな体験は、サブスクリプション・サービスやインターネットを経由する配信ライブでは絶対に伝えきれるものではありません。私も若い頃、いや大人になってからもか、京都のライブハウスやクラブで、オーディエンスとしても、出演者としても、人生の価値感が根底から覆されるほどの感動やインパクトを何度も受けてきました。
今回のコロナ騒動によって、そんな京都にある我々の感動の拠点が存亡の危機にあるのは皆さんもご存知のとおりです。しかし予想以上に厳しい状況が長引いてしまっていることで、なんとか踏ん張ってきたお店も力尽きる瀬戸際に差し掛かっていると言わざるを得ません。京都のライブハウスやクラブを、いや、京都の音楽を、京都の文化を、この先も存続させるために、我々ができることを今一度考えなければならないタイミングなのではないでしょうか。
辻村豪文(キセル)コメント
共演者から「京都っぽい」と今でも時折言われることがあります。「どこがやねん」「知らんし」と異論もあると思いますし、何をもって京都っぽいというのか未だにわかりません。ただ京都で音楽を始めた当初、周りには多種多様なミュージシャンが居て、一緒に演奏する機会や場所に恵まれてました。そんな中でバンドの物心がついていったのは間違いないです。
土壌こそが文化で、ないと何も生まれない。と思ってます。これまでとこれからの為にどうか宜しくお願いします。