ヤマハ、2020年4月〜12月期は減収減益 通期業績は上方修正
ヤマハは2月4日、2021年3月期第3四半期の連結業績(2020年4月1日〜2020年12月31日)を発表した。
2021年3月期第3四半期累計の売上収益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響により、為替影響による減収△35億円を含め、前年同期に対し503億円(15.6%)減少の2,723億円となった。事業利益は、為替影響による減益△14億円を含め、前年同期に対し134億円(31.5%)減少の290億円となった。親会社の所有者に帰属する四半期利益は、事業利益の減少に加え、第1四半期に計上した新型コロナウイルスの感染拡大に伴う操業停止損△23億円などを含め、151億円(46.1%)減少の176億円となった。
ただし、業績は改善傾向にあり、第3四半期(3カ月)の売上収益は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う影響と商品供給不足から前年同期に対し66億円(5.8%)の減少となったが、事業利益は前年同期に対し3億円(1.6%)の減少にとどまり、事業利益率は前年を上回る結果となった。
楽器事業では、アコースティックピアノと電子楽器の市況が回復してきているものの、商品供給不足が継続して減収となった。管楽器は市況の回復に遅れがあり、ギターは国内や中国での販売が好調に推移し前年同期並みの実績となった。セグメント全体の売上収益は1,759億円(前年同期比17.5%減)で、前年同期に対し△26億円の為替影響を含め、374億円の減収となった。事業利益は230億円(前年同期比33.9%減)で、△12億円の為替影響を含め、118億円の減益となった。
音響機器事業では、オーディオ機器がステイホーム需要によりサウンドバー等の販売が伸長したが全体では減収となった。業務用音響機器はライブ市場や設備市場の停滞により減収となった。ICT機器は会議システム等の需要増が持続し増収となった。セグメント全体の売上収益は748億円(前年同期比13.2%減)で、前年同期に対し△8億円の為替影響を含め、114億円の減収となった。事業利益は51億円(前年同期比29.0%減)で、△2億円の為替影響を含め、21億円の減益となった。
部品・装置、その他の事業では、電子デバイスが減収となったが、FA機器は増収となった。セグメント全体の売上収益は216億円(前年同期比6.6%減)で、前年同期に対し15億円の減収となったが、事業利益は10億円(前年同期比109.1%増)で、5億円の増益となった。
2021年3月期通期業績予想について、新型コロナウイルスの感染拡大による影響は、依然として不確実性が高い状況ではあるが、市況の回復や同社グループ工場からの供給不足の解消が従来の予想より進んでいることを考慮して、8月4日に公表した売上収益3,550億円、事業利益250億円、親会社の所有者に帰属する当期利益160億円を、売上収益3,700億円(前期比10.7%減)、事業利益350億円(前期比24.5%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益240億円(前期比30.7%減)へそれぞれ上方修正している。