2020年のライブ市場は動員数・売上額がいずれも前年比約80%減〜ACPC発表
コンサートプロモーターズ協会(ACPC)は4月8日、全国の正会員社を対象に実施した2020年のライブ・エンタテインメント市場の調査データを発表した。
この調査報告は1989年より始まり、コンサートプロモーターの事業活動およびライブ市場の動向をデータ化した国内唯一の資料として、調査を重ねてきたもの。
2020年の市場概況は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、プロモーター各社は膨大な数の公演の開催を自粛した。2020年の動員数・売上額はいずれも前年比で約80%の減少となり、ライブ産業全体が危機的な状況にある。海外アーティストの招聘公演は約90%の動員減のうえ、3月以降はほぼ公演数がゼロとなっている。
ライブ産業は全国各地で文化振興の担い手となるだけでなく、60万人以上の雇用も生み出していると見られる。ライブ産業は多くの来場者の移動・飲食・宿泊などの消費行動を伴うため、経済波及効果が大きく、近年の市場の拡大に伴い、各地域の文化・経済活動に大きな役割を果たしてきた。
コロナ禍の長期化により、多数の関連企業やフリーランスの事業者の経営状況は極めて深刻だ。各社の事業継続や、これまでの技術・歴史の継承が断ち切られかねない。
「音楽コンサートにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」に沿って、感染対策を徹底した上での公演は徐々に再開されているが、ライブ産業全体で協働し、政府・自治体・関係省庁などと連携した対策や支援の強化が急がれる。
2020年集計結果
調査対象期間:2020年1月1日〜12月31日
会員社数:72社(前年比+3社)
総公演数:10,637(前年比-21,252/前年比33.4%)
総動員数:10,866,294(前年比-38,678,756 /前年比21.9%)
総売上額:779億8,080万円(前年比-2885億2,379万円/前年比21.3%)
※ACPC正会員社が調査対象のため、日本全体のライブ市場データとは異なる
会場規模別の動員数は以下の通り。
スタジアム公演:138.4万人(前年比85%減)
アリーナ公演:235.8万人(同79.8%減)
ホール公演:433万人(同75.3%減)
ライブハウス公演:131.1万人(同78%減)
野外公演:10.2万人(同96.4%減)
オンラインライブを含む「その他会場」の動員数は137.9万人(同40%減)(オンラインライブの動員数は、有料チケットの販売数を対象に計上)。