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ポニーキャニオン、20年4月〜21年3月期は減収増益

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ポニーキャニオン

フジ・メディア・ホールディングスは5月13日、2021年3月期の連結業績(2020年4月1日〜2021年3月31日)を発表した。

ポニーキャニオンは、音楽配信や旧譜販売は堅調だったが、新作のリリースが少なかったためパッケージ販売全体では減収となった他、イベント収入も新型コロナウイルス感染症による影響を受け、売上高が前年比24.3%減の310億600万円、原価率が改善し販管費も低減したことから、営業利益が同15.4%増の21億1,900万円となった。

売上構成で見ると、2年連続でノンパッケージ売上がパッケージ売上を上回り、その比率もわずかではあるが、2019年度を上回った。音楽、アニメ、映画、ドラマ、バラエティなどの幅広い事業ポートフォリオによる豊富なカタログ財産と、数年来行ってきた構造改革や働き方改革による効率化と効果性の追求とがマッチし、コロナという未曽有の厄難にも対応した。

セグメント別では、配信は対前年比増であったが、ライブ事業が大幅な売上減となった。グッズは、中止になったライブのグッズを自社通販において販売することで、機会損失を最小限に抑えたことや、コスト削減にもつながり、収益に大きく貢献した。また、パッケージ販売の権利にとどまらない、様々なビジネスの出口獲得に積極的に投資してきたことが、2020年度も継続して収益確保につながったとしている。

音楽作品は、前年に引き続きOfficial髭男dismが大きく牽引した。また、2019年度末に、全曲ストリーミング配信を解禁したaikoが、その配信売上に加えて、今年3月に発売したアルバム「どうしたって伝えられないから」にて貢献した。また今年デビュー20周年を迎えたw-inds.もデジタル施策と連動してアニバーサリーを飾った。ストリーミングでは、松原みきの「真夜中のドア〜Stay with me」が全世界的な人気となった。

アニメ作品は、京都アニメーション作品を中心に売り上げに大きく貢献した。『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』がスマッシュヒットとなり、これと連動してこれまでのパッケージが大きく動いた。

その他事業では、鬼頭明里、harmoeら所属声優/シンガーのファンクラブを新たに開設。既に運営している内田真礼らと合わせて好調に推移。声優の音楽活動を全面的にバックアップしている。エリアアライアンスは、地方自治体から、国の省庁案件への着手を企図し、早速、内閣府などから4件を受託。「道後REBORNプロジェクト」が、文化庁、スポーツ庁、観光庁共催スポーツツーリズム文化アワードを初受賞している。新規事業は、視覚障害者向けの読書支援サービス「YourEyes」を3月にローンチ。SDGsとしても期待が大きく、電流協アワード2021にて「特別賞」を受賞している。