ハピネット、20年4月〜21年3月期は増収増益
ハピネットは5月14日、2021年3月期の連結業績(2020年4月1日〜2021年3月31日)を発表した。
同社グループの経営成績は、玩具事業でヒット商品があったことや、ビデオゲーム事業が巣ごもり需要を取り込み、引き続き好調に推移したことにより、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回った。なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響に伴う特例措置を受け、助成金収入を営業外収益に計上している。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,593億1,300万円(前期比11.1%増)、営業利益は42億4,900万円(同65.2%増)、経常利益は43億2,100万円(同79.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は25億9,100万円(同111.7%増)となった。
玩具事業は、「鬼滅の刃」関連商品のヒットや、BANDAI SPIRITSの「一番くじ」関連商品などコンビニエンスストア向け商品が好調に推移したことにより、売上高は前期を上回った。利益面も、売上高の増加による増益に加え、適正在庫の維持に努め在庫の評価損失が減少したことにより、前期を大幅に上回った。この結果、売上高は903億2,700万円(前期比14.3%増)、セグメント利益は26億3,000万円(同146.9%増)となった。
映像音楽事業は、巣ごもり需要により映像パッケージの旧譜の販売や配信サービスへの作品販売は好調に推移したものの、コロナ禍で新譜の発売延期などが発生したことにより、売上高は前期を下回った。利益面も、販売費及び一般管理費の抑制に努めたが、劇場の休業や座席制限の影響もあり、同社出資映像作品の興行が低迷したことによる映像投資損失が発生し、前期を下回った。この結果、売上高は675億2,900万円(前期比5.7%減)、セグメント利益は5億1,900万円(同2.5%減)となった。
ビデオゲーム事業は、巣ごもり需要により「Nintendo Switch」関連のハードが好調に推移したことに加え、「あつまれ どうぶつの森」や「リングフィットアドベンチャー」「モンスターハンターライズ」などのヒット商品があったことや、新型ハード「PlayStation5」の発売により、売上高、利益面ともに前期を大幅に上回った。この結果、売上高は829億5,000万円(前期比31.4%増)、セグメント利益は14億4,700万円(同72.3%増)となった。
アミューズメント事業は、第1四半期の緊急事態宣言下における厳しい市場環境からは回復傾向にあるものの、外出自粛や同社グループの取引先である商業施設の休業・営業時間短縮が発生したことによる影響が依然として残り、売上高、利益面ともに前期を下回った。また、同社運営のカプセル玩具ショップの新規出店に伴う初期費用を計上している。この結果、売上高は185億600万円(前期比5.3%減)、セグメント利益は9億6,100万円(同34.8%減)となった。
2022年3月期の連結業績見通しは、売上高2,660億円(前期比2.6%増)、営業利益45億円(同5.9%増)、経常利益45億円(同4.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益については27億円(同4.2%増)を見込む。