オンキヨー、20年4月〜21年3月期売上高は59.3%減
オンキヨーホームエンターテイメントは5月20日、2021年3月期の連結業績(2020年4月1日〜2021年3月31日)を発表した。
当連結会計年度における売上高は前年同期比59.3%減収の88億8,200万円となった。営業損益は前年同期比13億9,800万円改善の39億4,700万円の営業損失となり、経常損益は前年同期比13億2,700万円改善の43億4,100万円の経常損失となった。また、親会社株主に帰属する当期純損益は、前年同期比39億8,200万円増益して58億9,800万円の親会社株主に帰属する当期純損失となった。
AV事業における売上高は、日本国内では住宅メーカー向けのインストールビジネスをはじめとした高付加価値商品に注力したものの、主力のマレーシア工場は新型コロナウイルス感染症の影響を受け限定的な稼働が続いた。その後は、新型コロナウイルス感染症予防対策を行いながら生産活動を再開している。しかしながら営業債務の支払い遅延が継続したことで、一部取引先から取引条件の見直しを要請され部品調達等への影響により生産を縮小・停止せざるを得ず顧客の要望に対して充足されない状況が続いたことから、販売機会を損失し売上が減少、前年同期比70.2%減収の34億5,800万円となった。損益は、人員削減及び役職ポスト数の見直しによる組織のスリム化、拠点集約などの合理化策を実行に移した結果、固定費は大幅に減少したものの、売上高減少に伴う売上総利益の減少により、前年同期比1億4,700万円増益の14億5,200万円のセグメント損失となった。
デジタルライフ事業における売上高は、日本国内を中心に高付加価値のワイヤレスイヤホンに加え、人気アニメやサマンサタバサ、FULL-BKブランドとのコラボ製品も堅調な販売となった。日本国内において代理店販売を開始したKlipsch社のワイヤレスイヤホンも新商品導入も含め好調に推移した。また、カスタムインイヤーモニターの商品の拡充を行い、最先端の当社のマグネシウムドライバーを用いたモデルは、ミュージシャンやユーザーから高い評価を得ている。しかしながら、AV事業と同様に新型コロナウイルス感染症による生産委託工場の操業ダウンによる生産減少の影響や、営業債務の支払い遅延が継続したことで、一部取引先から取引条件の見直しを要請されており、生産を縮小・停止せざるを得ない状況に陥ったことから、販売機会損失による売上減少が発生し、前年同期比54.2%減収の16億6,000万円となった。損益は、売上高減少により売上総利益は減少したものの、高付加価値製品の販売に注力し、採算性を追求した結果、前年同期比4億2,200万円改善の4億7,900万円のセグメント損失となった。
OEM事業における売上高は、新型コロナウイルス感染症の影響により世界的に自動車市場が低迷、それに伴い受注減少、工場の操業にも影響を受け売上高も減少し、前年同期比42.8%減収の37億6,300万円となった。損益は、人員の削減などにより固定費が減少したものの、新型コロナウイルス感染症の影響による売上高の減少に伴い売上総利益は減少し前年同期比3億9,100万円悪化の6億5,800万円のセグメント損失となった。
2022年3月期の連結業績予想は、ホームAV事業売却の影響の不確実性が高く、連結業績予想を合理的に算出することが困難なことから未定とした。