Spotify、次世代を担うポッドキャストクリエイターを育成するプログラム「Sound Up」を国内でスタート
Spotifyは6月29日、クリエイターが音声で自身のユニークな考えや発想、ストーリーを世の中に発信できるよう、ポッドキャスト番組の企画・制作・配信に関するトレーニングやサポートを提供する次世代クリエイター育成プログラム「Sound Up」を、今秋に国内で実施すると発表した。
本日より専用サイトで受講希望者を公募し、審査を通過した10名にはノート型パソコンやWiFiデバイス、マイク、ヘッドフォンなど、制作や編集作業に必要な機材を提供する。10名には9月27日からオンラインで行われる計4週間・全8回の前期プログラムに参加してもらうという。さらに来年にも後期プログラムを実施し、最終的にはSpotifyの製作費出資のもと、自身が企画する番組のパイロット版を制作してもらう。受講生が制作したパイロット版のうち優れた作品は、Spotifyオリジナルまたは独占配信番組として世界のリスナーへの配信が検討されるとのこと。
「Sound Up」は、様々な課題に直面するコミュニティや少数派の人々の声をポッドキャストによって世界へ届け、多様性のある社会の実現を目指す目的で2018年にスタートした。これまでにアメリカ、イギリス、ドイツ、スウェーデン、オーストラリア、アルゼンチン、インドで開催し、それぞれの国や地域で対象となるコミュニティの中から参加を募り、プログラムを実施してきた。参加者がパイロット版を制作した作品の中からは、アワードを受賞するなど高い評価を得て、その後人気番組となった例も生まれている。
今回「Sound Up」を実施する日本では、スイスの非営利財団「世界経済フォーラム」が今年発表したジェンダー・ギャップ指数(CGI)で120位となるなどジェンダー格差が社会的な課題として認識されている。Spotifyは「Sound Up」を通じて女性音声クリエイターを育成し、「自分らしく」生きたいと考える女性が自身の考えや価値観を発信する独創的なポッドキャスト番組を生み出すサポートを行うことで、国内音声コンテンツの多様化と市場の活性化に取り組んでいくとしている。
なお「Sound Up」プログラムの企画・運営を担当するファシリテーターには、今年3月に実施された「JAPAN PODCAST AWARDS」で大賞を受賞した「味な副音声 〜voice of food〜」と、昨年大賞を受賞した「歴史を面白く学ぶコテンラジオ」でそれぞれパーソナリティを務める、フード・エッセイストの平野紗季子氏とBOOK代表取締役の樋口聖典氏が就任した。音声ストーリーテリングのエキスパートの2人には、相談役としても受講生をバックアップしてもらうとのこと。
スポティファイジャパン 音声コンテンツ事業統括 西ちえこ氏コメント
「Sound Up」はポッドキャストという形で自分自身の考えや価値観を発信するクリエイターを育成するプログラムです。
彼らが魅力的なコンテンツを生み出す後押しを行うことで、盛り上がりつつある国内音声市場をさらに活性化していきたいと思います。
日本で初めて展開する今回着目したのは、日本の女性たちです。社会や家庭・職場で女性に期待される役割や固定観念を軽やかに乗り越え、”自分らしい” 生き方を模索する様々な女性たちの声をお届けできるのではないかと今から楽しみです。
Sound Up ファシリテーター 平野紗季子氏コメント
音声メディアは感情や繊細なニュアンスも伝えやすく、だからこそ日々の中で感じることを、喜怒哀楽も含め表現・共有しやすいと思います。
プログラムを通じ、自分自身の考えやストーリーを音声で発信する女性クリエイターが広がり、それによってリスナーが新しい視点や生きるヒントを得られるようになると嬉しいです。とてもワクワクしています。一緒に成長しましょう。
Sound Up ファシリテーター 樋口聖典氏コメント
時代とともに自分の考えを誰かに伝えることの重要性がどんどん増してきている実感があります。
そしてそれを最も手軽に、最も強烈に行うことができるのが音声メディアだと思います。
「Sound Up」を通じて日本の女性がより輝けるようになり、日本の音声シーンがもっと盛り上がっていけば嬉しいです。