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コロナ禍における医療現場と音楽の関係、第62回全日本病院学会で発表

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地域医療振興協会 横須賀市立うわまち病院の企画課 二見彬子氏は9月6日、新型コロナウイルス感染症病棟におけるユニバーサル ミュージック業務用BGMサービス「Smart BGM」の活用事例について、第62回全日本病院学会(オンライン開催)で発表した。

Smart BGMは、ユニバーサル ミュージックが保有する豊富な楽曲やBGM用音源を使ったプレイリストを業務用BGMとして利用できるサービス。楽曲は、商用利用に必要な権利処理が済んでおり、またシーンに合わせたプレイリストも作成できることから、全国の小売店や商業施設を中心に多数導入実績がある。新型コロナウイルス感染症病棟での導入はうわまち病院が初の事例となる。

新型コロナウイルスの感染拡大が長期化し、医療従事者への負荷が増加する中、米国の一部病院では新型コロナウイルス感染症から回復した患者が退院する際、「サインミュージック」と呼ばれる特定の音楽を流し、医療従事者の士気を高める新しい取り組みが始まっている。当該取り組みを知ったうわまち病院は、今年2月にSmart BGMを新型コロナウイルス感染症病棟に導入。無事回復し、退院する患者を見送る「退院セレモニー」の際に患者やその家族、医療スタッフ間で回復の喜びの共有を行うためのサインミュージックとしてGReeeeN「星影のエール」(2020年NHK連続テレビ小説「エール」主題歌)を選定し活用しているほか、ナースステーションでは病院専用のプレイリストを使用したBGM再生を行っている。

今回の発表では、うわまち病院の新型コロナウイルス感染症病棟に勤務する医療従事者対象のアンケート結果として「病棟にBGMが導入されて良かった」と回答した人が9割以上、「BGMを聞いていると不安感や張り詰めていた気持ちが和らぐ」といった効果を感じる人が8割以上にのぼるなど、新型コロナウイルス感染症治療にあたる医療現場でのBGM活用に対して高い評価を得たデータが発表された。感染症病棟で音楽を流すことで得られた効果として「コロナ禍の医療現場において音楽を効果的に用いることで職員が感じるストレスの軽減に大きく寄与したとともに、音楽はエンターテイメントの枠を超え、様々な場面で医療者や患者を支えことができる」との総括もあったとのこと。